カラダで熱を確かめて

タマ鳥

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十二夜(薫side)

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「あの日、取り乱してしまってすみませんでした。私のこと、嫌いかもしれませんが、これからもご指導お願いします。それと、彼女さんとすごくお似合いです。」



あれから数日後、里村さんが俺に頭を下げる。



「いや、大丈夫だよ。それに嫌いだとしても、仕事に支障が出る方が嫌だから。俺は、仕事はなるべく効率的に終わらせて早くお家に帰りたい人なので。」


それからニコリと笑うと、里村さんの目には涙が潤んでいた。



「え~何何?里村ちゃんと何かあったの?」


里村さんが俺を呼び出し頭を下げたのを、誰かが見ていたようで休み時間になると既に坂本は知っていた。



「里村ちゃん、薫の彼女を生で見たって回ってきたんだけど~。俺だって写真でしか見た事ないのに!俺も会いたい!!!薫の彼女に会いたい~!!!!」



「坂本だけは絶対嫌。だって絶対俺の彼女と気が合うし、口説こうとする。それに俺のあることないこと吹き込んでくるじゃん。」



そうすると坂本は拗ねたように



「別に薫と仲悪くなんかなりたくないから口説かねえっつの。それよりも俺は、あの薫がベタ惚れしてる彼女に、この人でなしを人間にしてくれてありがとうって感謝をせねば。」



そう言った。てかなんだよ人でなしって。ずっと人間やってるから。



「…分かったよ。でも俺たちの仕事上金曜日か土曜日だからな。空いてる日連絡してくれれば梓に聞いておくよ。」



坂本はすぐさま俺の手帳を勝手に開き、空いてる日にマークをつけた。






「えっ?薫の友達が私に会いたいって言ってくれてるの?うわぁ凄い嬉しい!薫って中高とそんなに他人に関わるタイプじゃなかったじゃない?だから友達に会わせてくれるのすっごく楽しみ!」



確かに中高は梓ばかり見てたから、友達付き合いとかはしてこなかった。しかも高校の頃はそれが逆に女子に評価され、男子からも何故か距離を置かれていたのだ。




「そういや高校の頃、孤高の君とか呼ばれてたよね!あははっ、人見知りが激しくて人と接することが苦手なだけなのにね。」



本当にそのあだ名は今でも黒歴史だ。恥ずかしいことに、そのあだ名のせいで謎のファンクラブのようなものが立ち上げられ、付き合った女の子たちが皆その子たちにいびられていたと聞く。当時の俺は梓に危害が及ばないようにしか見ておらず、付き合ってくれた彼女たちには悪いことをした。



「でも、薫の男友達かぁ。大学の頃や職場での様子たくさん聞かなきゃ!私の知らない薫を学ばせてもらいます!」



梓はニコニコと可愛い顔で俺を見る。……本当に可愛すぎるから会わせたくないな。それでも梓の方が俺を知りたいと思ってくれているので、どちらも都合が着く日を設定した。



「おっ、ここが薫と彼女の愛の巣?」


梓には家で待っててもらい、俺は最寄りの駅まで坂本を迎えに行っていた。



「うるさい。茶化すようなら帰らせるよ。」


「茶化してねえって。おじゃましまーす。」



坂本が勝手にドアを開ける。するとノースリーブニットに膝丈スカートを履いたポニーテールの梓がパタパタと玄関まできて、



「どうぞいらっしゃいませ~。」



のほほんとした顔で、坂本を招き入れる。なんだか、奥さんが出迎えてくれる雰囲気があって、少しだけ興奮してしまった。



「薫、なんでお前の顔がにやけてんだよ。めっちゃ珍しい顔見せやがって。」



「…うっせ。」


だってそれは可愛すぎる梓が悪い。思わず口元を片手で隠すと、梓は俺を見てキョトンとした。それから、




「初めまして。薫と付き合ってる三森梓と言います。」



「はじめまして~。話は聞いてるよん。薫とは同僚で大学の頃に知り合った坂本隆太と言います。よろしくね梓ちゃん。」





さすが元テニサー。持ち前のコミュ力で梓と簡単に仲良くなってしまう。挨拶を交わしたあと、直ぐに打ち解けあってしまった。


俺はきっと、梓の友達に紹介されてもここまで仲良くできない。そういう所は尊敬している。




「へぇ。じゃあ坂本くんは薫と同じ文科二類卒ってことなのね。そこは経済学部って考えればいいの?」



「そうだね。だいたいそんな感じでいいよ!ちなみに梓ちゃんはどこの大学に通ってたの?」



「私は立教の文学部でした。キャンパスが可愛いってだけで選んだから全然遊びまくってたんだけどね。」



「確かに!池袋にあるとこだよね?ライトアップしてくれてるのだけは知ってる!」



「そうそう!してくれるの!」


それから2人できゃっきゃしてる。なんだか疎外感。俺はお茶を用意し、2人の前に出した。




「薫ごめんね?」



「薫くんありがと!気が利くじゃん!」


「梓、こいつばっかじゃなくて俺にも構ってよ。」


それから俺はずいっと梓の横に行く。梓はもう甘えん坊だなぁと俺のことをクスリと笑った。



「えっ、お前そういうキャラだっけ?なんかいっつも俺たちとは違う世界のオーラ出してたじゃん!」



「もしかして大学の時もそうだったの?高校の時もさ、薫人と関わろうとしないから女の子たちの間で孤高の君って呼ばれて崇められてたんだよ!」



「何それ!!孤高の君www。ただのコミュ障なだけなのになwwwww。」



俺はムッとする。だって別に、必要な時に関わってればいいだけだし、友達なんて要らなかった。



「だからさ、坂本だけだったな。俺にグイグイ食らいついてきてくれんの。大学はゼミとかあったから地味に坂本がいてくれて助かってた部分もあるよ。」



「あっ、薫もしかして彼女の前だから俺にもデレてくれてる?いやぁ聞いてよ梓ちゃん。普段こいつ俺に対してはクソだのなんだの失礼な態度なわけよ。今日も梓ちゃんのこと口説くなよってねっちり言われてきたわけだしさ。」



「薫、友達にそんな酷い言葉言っちゃダメだよ?」



梓が子供をしかるように俺に言う。俺も分かった。と返事をすると坂本はますます笑った。




「私は高校までの薫しか知らなかったんだけど、大学の頃ってどういう感じだったの?」


梓は坂本に尋ねる。



「あーこいつほとんど人と絡もうとしなかったな。俺だって同じところ目指してて一緒に勉強とか教えてもらったりして友達になってるって感じ。LINEとかも他の子とかには教えてないじゃん。そのせいで俺に全部来んの。」



「あら。それは大変だったねえ。」

「そう!しかも彼女の前で言うのもあれなんだけど、付き合う子にはLINE教えるのに別れるとブロック。だから元カノからの恨みの言葉は全部俺行き。しかも一、二ヶ月でポイが定番だからもー大変。梓ちゃん、こいつと別れないでやって?珍しく梓ちゃんとは長く続いてるから。」


梓は坂本に、絶対手放さないようにしますね。と真面目な顔で決意表明していた。俺はそんな事しなくても梓のところから離れていかないのに。



「それよりも梓ちゃんは薫のどこが好きなの?こいつ顔以外は本当に最悪じゃない?」



坂本が梓にそんなことを聞く。俺は坂本にそんなこと聞かなくていいよと言うが、内心では梓が俺のどこを好きになってくれたのかが気になってしまう。



「ほら、薫も気にしてるじゃーん。」


「…うるさい。」



梓は顎に手を置き、うーんと考える。こういう仕草もいちいち可愛いんだよな。



「そうだなぁ。顔も好きだけど、性格はそこまで最悪ではないかな?好きなところは沢山あるけどとりあえず、薫は分かりやすく愛を伝えてきてくれるよね。それに、見えないところでも細やかな気遣いしてくれるし!日常の一つ一つで毎日愛情を与えてくれるところが1番好き。」


坂本がいなかったら、ここで梓を押し倒し、襲っていたことだろう。梓がそんなふうに俺の重い愛情を認識していてくれたことが嬉しい。普通ならドン引きされてもおかしくないくらい、俺は梓の事が好きなのだから。



「へぇ~。こいつに優しさなんてあるんだ。」



「うん、あるよ。恥ずかしい話なんだけど、日常生活で薫の方が忙しいはずなのに、私毎日甘やかされてばっかり。そろそろ私もなにか返せればと思ってるんだけどね。」



それは、こっちのセリフだ。俺は梓という存在が俺のことを好きでいてくれるだけで、毎日元気になれる。それこそ、こっちは梓が離れていかないように繋ぎ止めるため、自分が出来ることで梓に返してるだけなのだから。


「でも私ね、薫は坂本くんのことも大切に思ってると思うよ?だって、連絡先を教えてくれて、こうして休日に会ってくれるんでしょ?付き合って見てわかるけど薫って誰かと関わっていくことをしなくても生きて行けちゃうから、私たちは幸せ者だね!」



「えへっ!俺もそう思う!厳しいこと言うけどなんやかんやで溺愛の彼女にも会わせてくれるしさ!きっと信用してくれてんだろうな。」



「坂本のことは昔から色々お世話になってるからな。昔から、俺のだらしない所をフォローしてもらってるし。本当にありがとう。」



「なんだよ薫、急にデレ期か?」



これ以上褒めると調子に乗りそうなので、とりあえず席をたち、用意していた昼食をテーブルに並べる。梓はパタパタと俺の横に来て、手伝うよ?と言ってくれたが、坂本が1人になるのも申し訳ないので話してて?と頼んだ。



「坂本くん、いい子だったね。すごく話しやすい人だった。」


夕方頃、坂本を送って家まで戻ると梓が満足そうに席に座っていた。


「坂本からもLINE来てて、梓話しやすいってさ。」 


梓は嬉しいなあとポツリと呟いた。それよりも俺は、



「アズ、今日の格好すごくエロいんだけどなんで?」



「えっ?そうかな。鎖骨隠せるのこの服しかなくてこれにしちゃったんだけど…。」



「鎖骨?」


なんのことだろうと思って首を傾けると



「…キスマーク、まだ消えてないの。」



梓はモジモジと話した。


「梓、見せて?見たい。」


「やだよ~。って薫!あっ、バカぁ。」



ノースリーブニットを上までまくりあげると、薄ピンクのレースのブラ。それから鎖骨には薄くはあるが茶色くあざになっているキスマーク。


「ずっと俺のマーク付けながら俺の友達と話してたんだ…。」



「何、そんなに興奮することあった?」


「うん。さっき俺の好きなところを説明してる梓には、キスマークがついてたって考えるだけでちょっとヤバいかもね。」


それから、俺は先程までは坂本が座っていたソファに梓を寝かせ、ブラジャーをずらして胸を弄ぶ。梓はモジモジと、股をくねらせた。



「あっ、薫、今夏だしプールに行きたいから、あんまり付けすぎちゃダメだよぅ。」



「梓、プールに行くの?」



「あんっ、友達と、女性限定のナイトプールに行こうかなって約束してたのっ、」



「分かった。じゃあ見えないところに付けるね?」


それから俺は、スカートをまくりあげる。するとブラジャーと同じ色のナイロン素材のパンツが見える。



「梓、パンツにシミが出来てるよ?」


「薫が急にエッチなことするからでしょ!って、薫そこ!吸わないでぇ。」


俺はパンツの横の内ももを吸い上げ、マークをつける。ここはたとえ水着でも、こんな風にいやらしく股を開かなければ絶対に見られない。



「絶対俺以外には見えない所に付けたけど、それじゃダメ?」


そう聞くと、梓は顔を真っ赤にして首を横に振った。それから、せっかくシミができているのでパンツをずらし、梓の秘部にしゃぶりつく。梓が1度イった後、スカートを脱がせ、顔を見るとポニーテールがぐちゃぐちゃに乱れていた。



「今日、夜ご飯俺が全部作るから、ご飯食べるまでシてもいい?」



梓にそう訪ねると、梓は俺の首に手を回し、履いてるジーンズを脱がせ、パンツ越しの俺のモノに濡れた自分のを擦り合わせてきた。


俺のも、梓の愛液でシミが出来そう。






…結局ご飯を食べ始めたのは夜の九時。梓は「薫ったら変なところでスイッチ入るんだもん!」と拗ねていた。こっちは梓が可愛いところでスイッチが入るから、別に変なところではないんだけどね。




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