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チョコレートパニック
7-1 少年の淡い初恋と失恋
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「…………」
描き始めて三日。一言も言葉を発する事なく、モデルであるリュセナ姫を真剣な面持ちで睨み……、いや、見つめながら画布に向かうグレンの絵は、ほとんど出来上がっていた。この調子なら、今日中には出来上がるだろう。
父の、まるで奇跡のような生き生きとした絵の完成を楽しみにすると共に、ジュニアは明日からリュセナ姫の姿を見る事が敵わなくなってしまう事実に胸が張り裂けそうだった。
一度でいい。彼女と言葉を交わしてみたい。そんなジュニアの純粋な望みはすぐに叶った。
「あなたも絵を描くのですか?」
休憩時間中、いつもレオンハルト王子の元にいた彼女が、今日に限って王子の元を離れて自分の横に腰を下したのだ。
ジュリナ姫もレオンハルト王子も父と話をしているし、ティアラ姫は今日は傍にいない。二人きりの状況を理解したジュニアの胸は高鳴る。
「は、ははい。まだ、全然下手ですけど」
「そう。素敵なお仕事ですね」
鈴を転がしたような愛らしい声を耳にし、ジュニアはうっとりと聞き惚れてしまう。そんな風に、顔を真赤にし、もじもじとし始めたジュニアに対し、リュセナ姫はにっこりと微笑みかけながら尋ねる。
「”ジュニア”というのは、本名ですか?」
「い、いえ、グレン・ケイフォスタン・ジュニアとは、”グレン・ケイフォスタン”の後継者となった時につけられた名です。ほ、本名は、ヒノエ。ヒノエ・ケイフォスタンと申します」
「ヒノエ、いい名前ですね」
ああ、なんて美しい響きをもって、自分の真の名を呼ぶのだろう。ジュニアにとって、この時間は至福の時間だった。そう、地獄に落とされる前、ほんの一時の……。
子供になっても少女になっても(見た目のみ)、リュセルの人誑しの才能は変わらなかった。グレンと話をしながらも、子供二人の様子を窺っていたジュリナは感心してしまう。
(ある意味、すごい才能だねぇ)
元々は自分の影響でリュセルがこうなってしまったというのを軽く棚に上げてジュリナは思った。
グレン親子が来るまで、今日も成長出来ていなかったという現実にショックを受けて、抜けがらのようになっていたのが嘘のようだ。
ふと、レオンハルトの方を流し見てみると、元婚約者の幼なじみは、グレンとの会話を楽しんでいるようだった。しかし、内心、彼が5日経っても成長しない弟の体を心配している事をジュリナは知っていた。このまま明日になっても成長がないようだったら、アシェイラに戻ると言っていたのを聞いたからだ。あんなに真剣な表情で言われては、ジュリナに彼らを止める事は出来ない。
(しかし、なんで成長しなくなってしまったのかねぇ)
それは誰にもわからない疑問だった。
それからしばらくの刻(とき)が経ち……。
絵の完成と共にグレン親子が部屋を辞し、ジュリナがそれを送る為に部屋を出て行った。すると、それまでにこやかな表情を浮かべ、可憐な姫君を演じていたリュセルの顔が一瞬で変わった。
「レオンの馬鹿野郎!」
そう叫ぶと、近くにあったクッションを兄に向って投げつける。
それを余裕で避けたレオンハルトは、弟の暴言に対し、形のいい細い眉をしかめた。
「また朝の続きをするつもりかい?」
そう。今日の休憩時間、レオンハルトの傍にいなかったのは、朝、リュセルが兄と諍いを起こしたからだ。まあ、諍いといっても、リュセルが癇癪を起こしてレオンハルトにあたり散らしているだけで、兄は相手にもしてくれていなかったが……。
モデル中は、初日にレオンハルトに選んでもらったドレスに着替えていたリュセルは、今もライラック色のドレス姿だった。そんな、可憐な姿に似合わない怒鳴り声を上げながら、リュセルはその辺にある物を次々にレオンハルトへ投げつける。
「どうして成長しないんだ! どうして戻れないんだ~~~~っ!」
ポイポイと投げつけられる、ソファやら衣類やら花瓶やらを楽々と避けながら(花瓶は割れるとジュリナに嫌味を言われるので左手で受け止めた)、レオンハルトはぜえぜえと息の上がっている弟へと近づく。
「何をそんなに焦る? 戻れないという訳ではないだろう? 少し効果が切れるのが遅れているだけだ。女装が嫌なのなら、私からジュリナに言って止めさせてやるから落ち付きなさい」
細い弟の両腕を掴み、その華奢な体を抱き上げて移動すると、ゆっくりとソファの上へと下ろす。
柔らかなソファの上に下ろされたリュセルは、兄に八つ当たりする手を止めた。
「…………だって、こんなチンクシャ(子供)じゃ、お前に相手にされないじゃないか」
ぽつりと、ささやくような小さな声で呟いたリュセルの言葉を耳にし、レオンハルトは目を瞬いた。と同時に、小さく吹き出す。くくくくくっと声を抑えて笑う兄を見上げ、リュセルは驚きに目を見開いていた。
本当に、弟は子供になってしまってからというもの、自分の理性を試すかのように可愛い事を言う。
一方リュセルは、声を抑えてるとはいえ、レオンハルトが微笑ではなく本気で笑っているという事実に驚愕するしかなかった。
あの笑わない兄が、笑っている。今、自分はそんなに面白い事を言っただろうか? そんな事を考えている間、レオンハルトはどうしていたかというと、不意に何も言わず、片腕に納まってしまうようなリュセルの華奢な肩を抱き寄せていた。
「レオン」
そっと唇を重ねてきたレオンハルトに答え、うっとりと目を閉じながら、リュセルは久方ぶりの逢瀬に酔う。この前のように触れるだけではなく、リュセルの小さな口内を味わうかのように唇を貪るレオンハルトにそのまま抱き込まれた。
「うっふ、んん」
まだ十歳にも満たない小さな美姫を腕に抱き、その唇に深すぎる口づけを与えている美青年の図は、見る者が見たら、そのあまりにも背徳感漂う耽美さに見入ってしまう事だろう。
そう。彼がまさに、その状態だった。
部屋の扉を半開きにして中の様子を見てしまったジュニアは、ただ呆然とするしかなかった。彼は、九歳で初恋をすると同時に、失恋した事になる。しかも、最悪な形で……。
「あ、いたいた、ジュニア! 忘れ物はあったかい?」
ボケ~っと、先程まで自分達がいた応接室の前で立ち尽くしているジュニアの所へと駆け寄ると、ジュリナは眉をひそめた。
(どうしたんだい? この子は)
ジュニア少年の目の前で手を振ってみるが、微動だにしない。
(ん? 何、見てるんだ)
ジュニアの視線を追って、半開きにされた室内を覗いたジュリナは、次の瞬間、宝主らしい素早い動きで扉を一気に閉めた。
(な、な、な、な、何やってるんだ!? あのエロ兄弟はああああああ~~~~~~!)
人目を気にしろ馬鹿兄弟! と、ジュリナは心の中で叫ぶしかない。いくら室内とはいえ、鍵もかかっていない応接室で何やってるんだ。
(こんな、どこでも場所を気にせず盛ってるんじゃ、誰に見られても文句言えないぞ)
過去、何人かにその情事を覗き見られているリュセルとレオンハルトの事情など知らないくせに、ジュリナは的を射た事を考えていた。
「は! ジュニア!」
可哀そうに、純粋なジュニア少年は、石像のように固まって動かなくなってしまっていた。
「しっかりしろっ、ジュニア! こ、こんな事で負けるな、お前は強い子だ!」
ジュリナは少年の肩を揺すりながらそう叫ぶ
「ふ……、ふふふふふ、リュセナ姫って年上趣味だったんですね。うふふふふふふふふふふふふふふふ」
次の瞬間、聞こえたのは、壊れたようなジュニアの声。ジュリナは顔を引きつらせると、少年の細い体を肩に担ぎあげて脱兎のごとくその場を後にした。
「ジュ、ジュリナ姫……。ジュニアは……ヒノエは一体どうしてしまったのですか?」
通された別の応接室にて、グレンは壊れたように笑っている息子を前に、オロオロとするしかなかった。
「お、お姉様……」
三つ子の妹達の裁縫の手習いの講師をしていたティアラは、それを終えて姉の元へと合流した途端、いきなり遭遇したこの事態に困惑している。
「あの、リュセル様とレオンハルト様は?」
小声で自分にのみ聞こえるようにそう尋ねた妹に、ジュリナはため息交じりに言った。
「あのエロ馬鹿兄弟は放っておきな」
「え?」
不思議そうな顔をするティアラに頷くと、ジュリナは未来あるこの少年を救うべく言った。
「ジュニアを救うには、先程見た刺激的過ぎる記憶を消し去るしかない」
「そ、そんな事が出来るのですか?」
一体、息子はどんな恐ろしいものを見たのか。グレンは不安そうにジュリナに目を向ける。
「出来る」
女神の娘としての奇跡的な力を使うのだろうかと、グレンはゴクリと生唾を飲み込んだ。
しかし、次の瞬間。
「お前はだんだん眠くな~る……じゃなくて、お前はだんだん先程見た光景を忘れ~る忘れ~る」
ジュリナは懐から出した、ひもに吊るした硬貨を左右にジュニアの目の前で揺らしながら、そんなおかしな催眠術をかけようとしていたのだった。
描き始めて三日。一言も言葉を発する事なく、モデルであるリュセナ姫を真剣な面持ちで睨み……、いや、見つめながら画布に向かうグレンの絵は、ほとんど出来上がっていた。この調子なら、今日中には出来上がるだろう。
父の、まるで奇跡のような生き生きとした絵の完成を楽しみにすると共に、ジュニアは明日からリュセナ姫の姿を見る事が敵わなくなってしまう事実に胸が張り裂けそうだった。
一度でいい。彼女と言葉を交わしてみたい。そんなジュニアの純粋な望みはすぐに叶った。
「あなたも絵を描くのですか?」
休憩時間中、いつもレオンハルト王子の元にいた彼女が、今日に限って王子の元を離れて自分の横に腰を下したのだ。
ジュリナ姫もレオンハルト王子も父と話をしているし、ティアラ姫は今日は傍にいない。二人きりの状況を理解したジュニアの胸は高鳴る。
「は、ははい。まだ、全然下手ですけど」
「そう。素敵なお仕事ですね」
鈴を転がしたような愛らしい声を耳にし、ジュニアはうっとりと聞き惚れてしまう。そんな風に、顔を真赤にし、もじもじとし始めたジュニアに対し、リュセナ姫はにっこりと微笑みかけながら尋ねる。
「”ジュニア”というのは、本名ですか?」
「い、いえ、グレン・ケイフォスタン・ジュニアとは、”グレン・ケイフォスタン”の後継者となった時につけられた名です。ほ、本名は、ヒノエ。ヒノエ・ケイフォスタンと申します」
「ヒノエ、いい名前ですね」
ああ、なんて美しい響きをもって、自分の真の名を呼ぶのだろう。ジュニアにとって、この時間は至福の時間だった。そう、地獄に落とされる前、ほんの一時の……。
子供になっても少女になっても(見た目のみ)、リュセルの人誑しの才能は変わらなかった。グレンと話をしながらも、子供二人の様子を窺っていたジュリナは感心してしまう。
(ある意味、すごい才能だねぇ)
元々は自分の影響でリュセルがこうなってしまったというのを軽く棚に上げてジュリナは思った。
グレン親子が来るまで、今日も成長出来ていなかったという現実にショックを受けて、抜けがらのようになっていたのが嘘のようだ。
ふと、レオンハルトの方を流し見てみると、元婚約者の幼なじみは、グレンとの会話を楽しんでいるようだった。しかし、内心、彼が5日経っても成長しない弟の体を心配している事をジュリナは知っていた。このまま明日になっても成長がないようだったら、アシェイラに戻ると言っていたのを聞いたからだ。あんなに真剣な表情で言われては、ジュリナに彼らを止める事は出来ない。
(しかし、なんで成長しなくなってしまったのかねぇ)
それは誰にもわからない疑問だった。
それからしばらくの刻(とき)が経ち……。
絵の完成と共にグレン親子が部屋を辞し、ジュリナがそれを送る為に部屋を出て行った。すると、それまでにこやかな表情を浮かべ、可憐な姫君を演じていたリュセルの顔が一瞬で変わった。
「レオンの馬鹿野郎!」
そう叫ぶと、近くにあったクッションを兄に向って投げつける。
それを余裕で避けたレオンハルトは、弟の暴言に対し、形のいい細い眉をしかめた。
「また朝の続きをするつもりかい?」
そう。今日の休憩時間、レオンハルトの傍にいなかったのは、朝、リュセルが兄と諍いを起こしたからだ。まあ、諍いといっても、リュセルが癇癪を起こしてレオンハルトにあたり散らしているだけで、兄は相手にもしてくれていなかったが……。
モデル中は、初日にレオンハルトに選んでもらったドレスに着替えていたリュセルは、今もライラック色のドレス姿だった。そんな、可憐な姿に似合わない怒鳴り声を上げながら、リュセルはその辺にある物を次々にレオンハルトへ投げつける。
「どうして成長しないんだ! どうして戻れないんだ~~~~っ!」
ポイポイと投げつけられる、ソファやら衣類やら花瓶やらを楽々と避けながら(花瓶は割れるとジュリナに嫌味を言われるので左手で受け止めた)、レオンハルトはぜえぜえと息の上がっている弟へと近づく。
「何をそんなに焦る? 戻れないという訳ではないだろう? 少し効果が切れるのが遅れているだけだ。女装が嫌なのなら、私からジュリナに言って止めさせてやるから落ち付きなさい」
細い弟の両腕を掴み、その華奢な体を抱き上げて移動すると、ゆっくりとソファの上へと下ろす。
柔らかなソファの上に下ろされたリュセルは、兄に八つ当たりする手を止めた。
「…………だって、こんなチンクシャ(子供)じゃ、お前に相手にされないじゃないか」
ぽつりと、ささやくような小さな声で呟いたリュセルの言葉を耳にし、レオンハルトは目を瞬いた。と同時に、小さく吹き出す。くくくくくっと声を抑えて笑う兄を見上げ、リュセルは驚きに目を見開いていた。
本当に、弟は子供になってしまってからというもの、自分の理性を試すかのように可愛い事を言う。
一方リュセルは、声を抑えてるとはいえ、レオンハルトが微笑ではなく本気で笑っているという事実に驚愕するしかなかった。
あの笑わない兄が、笑っている。今、自分はそんなに面白い事を言っただろうか? そんな事を考えている間、レオンハルトはどうしていたかというと、不意に何も言わず、片腕に納まってしまうようなリュセルの華奢な肩を抱き寄せていた。
「レオン」
そっと唇を重ねてきたレオンハルトに答え、うっとりと目を閉じながら、リュセルは久方ぶりの逢瀬に酔う。この前のように触れるだけではなく、リュセルの小さな口内を味わうかのように唇を貪るレオンハルトにそのまま抱き込まれた。
「うっふ、んん」
まだ十歳にも満たない小さな美姫を腕に抱き、その唇に深すぎる口づけを与えている美青年の図は、見る者が見たら、そのあまりにも背徳感漂う耽美さに見入ってしまう事だろう。
そう。彼がまさに、その状態だった。
部屋の扉を半開きにして中の様子を見てしまったジュニアは、ただ呆然とするしかなかった。彼は、九歳で初恋をすると同時に、失恋した事になる。しかも、最悪な形で……。
「あ、いたいた、ジュニア! 忘れ物はあったかい?」
ボケ~っと、先程まで自分達がいた応接室の前で立ち尽くしているジュニアの所へと駆け寄ると、ジュリナは眉をひそめた。
(どうしたんだい? この子は)
ジュニア少年の目の前で手を振ってみるが、微動だにしない。
(ん? 何、見てるんだ)
ジュニアの視線を追って、半開きにされた室内を覗いたジュリナは、次の瞬間、宝主らしい素早い動きで扉を一気に閉めた。
(な、な、な、な、何やってるんだ!? あのエロ兄弟はああああああ~~~~~~!)
人目を気にしろ馬鹿兄弟! と、ジュリナは心の中で叫ぶしかない。いくら室内とはいえ、鍵もかかっていない応接室で何やってるんだ。
(こんな、どこでも場所を気にせず盛ってるんじゃ、誰に見られても文句言えないぞ)
過去、何人かにその情事を覗き見られているリュセルとレオンハルトの事情など知らないくせに、ジュリナは的を射た事を考えていた。
「は! ジュニア!」
可哀そうに、純粋なジュニア少年は、石像のように固まって動かなくなってしまっていた。
「しっかりしろっ、ジュニア! こ、こんな事で負けるな、お前は強い子だ!」
ジュリナは少年の肩を揺すりながらそう叫ぶ
「ふ……、ふふふふふ、リュセナ姫って年上趣味だったんですね。うふふふふふふふふふふふふふふふ」
次の瞬間、聞こえたのは、壊れたようなジュニアの声。ジュリナは顔を引きつらせると、少年の細い体を肩に担ぎあげて脱兎のごとくその場を後にした。
「ジュ、ジュリナ姫……。ジュニアは……ヒノエは一体どうしてしまったのですか?」
通された別の応接室にて、グレンは壊れたように笑っている息子を前に、オロオロとするしかなかった。
「お、お姉様……」
三つ子の妹達の裁縫の手習いの講師をしていたティアラは、それを終えて姉の元へと合流した途端、いきなり遭遇したこの事態に困惑している。
「あの、リュセル様とレオンハルト様は?」
小声で自分にのみ聞こえるようにそう尋ねた妹に、ジュリナはため息交じりに言った。
「あのエロ馬鹿兄弟は放っておきな」
「え?」
不思議そうな顔をするティアラに頷くと、ジュリナは未来あるこの少年を救うべく言った。
「ジュニアを救うには、先程見た刺激的過ぎる記憶を消し去るしかない」
「そ、そんな事が出来るのですか?」
一体、息子はどんな恐ろしいものを見たのか。グレンは不安そうにジュリナに目を向ける。
「出来る」
女神の娘としての奇跡的な力を使うのだろうかと、グレンはゴクリと生唾を飲み込んだ。
しかし、次の瞬間。
「お前はだんだん眠くな~る……じゃなくて、お前はだんだん先程見た光景を忘れ~る忘れ~る」
ジュリナは懐から出した、ひもに吊るした硬貨を左右にジュニアの目の前で揺らしながら、そんなおかしな催眠術をかけようとしていたのだった。
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