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異国の剣士
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「ハアハア!何で俺様がこんなことに!」
深い森の中、少年は絶望の淵に追いやられていた。
「居たか!」
鉄の鎧を着た兵士が大声で叫んでいる。
「居ません!」
「奴め、どこに逃げた!」
見方であるはずの兵士はもう彼を勇者と呼ばなかった。少年は口を手で覆い丸くなり気づかれないように息を殺そうとする。
「ヒュー、ヒュー。」
息が苦しい。酸欠で目の前が掠れて見える。
「そこか!」
兵士は異音を察知し槍を大木に向ける。もう逃げ場などなく死を覚悟した少年は昔の事を思い出していた。親友であるはずのジークを屑扱いした事、幼馴染みのセレンからの注意を無下にした事。仲間の美人魔導師から受けた視線。
「死んで当然か。」
ポツリと弱々しく声が漏れた。涙が頬を伝い、草に落ちる。だが・・・・・。
「ワオーン!ギャンギャン!」
「ウワーッ!?」
「やめろ!助けてくれー!」
三匹のウルフが兵士を襲撃する。2人の兵士が死に3人の兵士が大声を上げる。
「魔物だー!」
「落ち着けぇ!クレイから離れろ、このウルフがぁ!」
少年は後ずさりし、その怒号を聞きながら走った。10分、20分、どれだけの時間が立ったのかわからない。兵士や魔物の声が聞こえなくなった頃、木の枝に足を引っかけて思い切り転んだ。
「このまま・・・・・。」
そう言いかけて意識が無くなった。
一晩明けて朝日が昇る頃、少年は目を覚ました。あたりを見渡すとここが森の最奥であることを理解した。
「聖樹・・・・・。はは、どんだけ逃げてきたんだよ。」
風が冷たく感じる。汗で濡れた衣服が疲労をさらに悪化させる。
「俺、死ぬのかな。」
そう言うが、恐怖を感じなくなった。むしろ笑みが零れていた。どうせ死ぬなら・・・・。
「ジークに謝罪してから死になさい!」
脳の中に直接響く声にハッとする。突然、胸の中から光が溢れ出し、勇者を勇者たらしめるその物体が細い腕によって引き抜かれる。
「女神!」
蒼ざめた顔を挙げると金色の髪、美麗な顔をした女性が剣を抱きしめ、その周りを妖精が顔を真っ赤にしながら飛び回っている。
「これはもう貴方には預けられません。」
「そーよ!そーよ!この顔だけのゴミが!聖剣を授かったからって調子に乗って、心優しいジークに向かって、荷物持ちだの屑だの言って!本当にいらないのは貴方の・・・。」
「お黙りなさい。言い過ぎです。」
女神が妖精を叱責するとムッとした表情で女神の裾に隠れた。
「ど・・して。」
俯いた顔を上げ一気に自分の気持ちを大声で叫んだ。
「その聖剣は俺のもんだ!それで今まで戦ってきたんだぞ!毎日毎日、前で戦うのは俺だ!皆は俺の後ろにいるだけだった!一緒に戦ってきた!?馬鹿を言うな!どれだけ怖いかわかるか!どれだけ痛いかわかるのか!俺は皆が死んだら・・・」
そこまで言いかけてハッとする。
「死んだら何ですか?」
女神は問いかける。
「俺にはわかるんだよ。」
握った拳をさらに強く握り締める。この5年と言う歳月は親が居ない子供の心を狂わせていた。目の前で惨殺された記憶。その記憶が想起させる仲間がもがき苦しみ死んでいく様。勇者と言う称号。何も出来ない自分。女神にはわかっている。その重みがどれほどのものかを。だがしかし時間が無かった。魔王の復活。焦った神々は適正のあるものに聖剣を授けた。
「・・・・これはあなたの親友、ジークに授けます。ここにさえ居れば安全です。落ち着いたら好きになさい。」
そう話すと女神は消えた。
「待っ・・・・・て。」
薄れゆく意識の中全身を疲労が飲み込んだ。
深い森の中、少年は絶望の淵に追いやられていた。
「居たか!」
鉄の鎧を着た兵士が大声で叫んでいる。
「居ません!」
「奴め、どこに逃げた!」
見方であるはずの兵士はもう彼を勇者と呼ばなかった。少年は口を手で覆い丸くなり気づかれないように息を殺そうとする。
「ヒュー、ヒュー。」
息が苦しい。酸欠で目の前が掠れて見える。
「そこか!」
兵士は異音を察知し槍を大木に向ける。もう逃げ場などなく死を覚悟した少年は昔の事を思い出していた。親友であるはずのジークを屑扱いした事、幼馴染みのセレンからの注意を無下にした事。仲間の美人魔導師から受けた視線。
「死んで当然か。」
ポツリと弱々しく声が漏れた。涙が頬を伝い、草に落ちる。だが・・・・・。
「ワオーン!ギャンギャン!」
「ウワーッ!?」
「やめろ!助けてくれー!」
三匹のウルフが兵士を襲撃する。2人の兵士が死に3人の兵士が大声を上げる。
「魔物だー!」
「落ち着けぇ!クレイから離れろ、このウルフがぁ!」
少年は後ずさりし、その怒号を聞きながら走った。10分、20分、どれだけの時間が立ったのかわからない。兵士や魔物の声が聞こえなくなった頃、木の枝に足を引っかけて思い切り転んだ。
「このまま・・・・・。」
そう言いかけて意識が無くなった。
一晩明けて朝日が昇る頃、少年は目を覚ました。あたりを見渡すとここが森の最奥であることを理解した。
「聖樹・・・・・。はは、どんだけ逃げてきたんだよ。」
風が冷たく感じる。汗で濡れた衣服が疲労をさらに悪化させる。
「俺、死ぬのかな。」
そう言うが、恐怖を感じなくなった。むしろ笑みが零れていた。どうせ死ぬなら・・・・。
「ジークに謝罪してから死になさい!」
脳の中に直接響く声にハッとする。突然、胸の中から光が溢れ出し、勇者を勇者たらしめるその物体が細い腕によって引き抜かれる。
「女神!」
蒼ざめた顔を挙げると金色の髪、美麗な顔をした女性が剣を抱きしめ、その周りを妖精が顔を真っ赤にしながら飛び回っている。
「これはもう貴方には預けられません。」
「そーよ!そーよ!この顔だけのゴミが!聖剣を授かったからって調子に乗って、心優しいジークに向かって、荷物持ちだの屑だの言って!本当にいらないのは貴方の・・・。」
「お黙りなさい。言い過ぎです。」
女神が妖精を叱責するとムッとした表情で女神の裾に隠れた。
「ど・・して。」
俯いた顔を上げ一気に自分の気持ちを大声で叫んだ。
「その聖剣は俺のもんだ!それで今まで戦ってきたんだぞ!毎日毎日、前で戦うのは俺だ!皆は俺の後ろにいるだけだった!一緒に戦ってきた!?馬鹿を言うな!どれだけ怖いかわかるか!どれだけ痛いかわかるのか!俺は皆が死んだら・・・」
そこまで言いかけてハッとする。
「死んだら何ですか?」
女神は問いかける。
「俺にはわかるんだよ。」
握った拳をさらに強く握り締める。この5年と言う歳月は親が居ない子供の心を狂わせていた。目の前で惨殺された記憶。その記憶が想起させる仲間がもがき苦しみ死んでいく様。勇者と言う称号。何も出来ない自分。女神にはわかっている。その重みがどれほどのものかを。だがしかし時間が無かった。魔王の復活。焦った神々は適正のあるものに聖剣を授けた。
「・・・・これはあなたの親友、ジークに授けます。ここにさえ居れば安全です。落ち着いたら好きになさい。」
そう話すと女神は消えた。
「待っ・・・・・て。」
薄れゆく意識の中全身を疲労が飲み込んだ。
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