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第二章 歓迎の宴

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「ところで、あんたたち、血まみれね。お風呂はないけど、水浴びする?」
 左腕を斬られたアンジェは当然だが、血だまりの中で暴れる彼女を抱き止めようとしたティアも全身が血にまみれていた。
「川なんてあったかしら?」
「さあ……?」
 ティアの言葉に、アンジェも首を捻った。近くで川を見た記憶はなかった。

「水くらい、あたしの魔法で出してあげるわよ。さすがに荷馬車の中じゃ不味いから、外に出て裸になりなさい」
 ニヤリと笑いを浮かべながら、アルフィが二人に告げた。
「それは……」
「ちょっと、無理です……」

「でも、顔や髪まで血がついてるわよ。そのまま寝たら、大変なことになるわよ」
 アルフィの指摘が正しいことは、ティアたちにもよく分かっていた。だが、問題はテッドとバードだけではなく、十五人もの男の商人がいることだった。裸で水浴びをしているところを見られる可能性は十分過ぎるほどあった。

 ティアとアンジェはお互いの顔を見合わせると、意を決したように頷きあった。
「覗くような奴がいたら、私が斬り殺してあげるね」
「お願いします、ティア」
 笑いながらそう告げると、アンジェは血にまみれた下着を全て脱ぎ捨てた。

「アンジェ、凄く綺麗……」
 ティアは言葉さえ忘れたように、目の前に立つアンジェの裸体に魅入ってしまった。
 荷馬車の窓から差し込む月明かりを受けて、アンジェの白い肌にある産毛うぶげが金色の輝きを放っていた。
 腰まで真っ直ぐに伸ばした銀髪は白銀の滝のように煌めき、金色の瞳は星々の輝きを放っていた。ほっそりとした肢体は女性らしい曲線を描き、細く長い手足と完璧な調和を醸し出していた。。
 小ぶりだが形のいい乳房の頂には薄紅色の小さな乳首が佇み、引き締まった下腹部には銀色のくさむらが柔らかそうに靡いていた。
 そのどれもが、神々に愛された妖精のように神秘的とも言える造形を描いていた。

「恥ずかしいです。あんまり、見ないでください」
 両手で胸と秘部を隠すと、アンジェは顔を赤らめながら俯いた。
「隠さないで、よく見せて……」
 ティアはアンジェに近づくと、胸と秘部を隠している両腕を優しく掴んで横に下ろした。
「あたしだけ、恥ずかしいのは嫌です。ティアも脱いでください」
「うん。ごめんね、アンジェ……」
 そう告げると、ティアは革の上着とパンツを脱ぎ捨て、黒い下着姿になった。そして、ゆっくりと胸当てを外すと、豊かな双乳がプルンと揺れながら現れた。

「ティア、大っきい。羨ましいです」
 金色の瞳でティアの白い胸を見つめると、アンジェが手を伸ばして触れてきた。
「大っきいのに全然形が崩れてないし、凄く柔らかいです」
「こら、やだ……触らないで、アンジェ……あっ……」
 両手でティアの胸を優しく揉み上げると、アンジェが指先で薄紅色の乳首を摘まんだ。
「ティア、硬くなってます」
 アンジェがコリコリと乳首を扱き上げてきた。

「あ……こら、だめっ……ん、あっ……」
 硬く尖った乳首から鋭い愉悦が背筋を走り抜け、ティアは思わず顎を反らした。愛するアンジェに触られていると思うだけで、その官能が何倍にも増幅された。
「あんたたち、あたしの目の前で始めるなんて、いい度胸ね」
 豊かな胸の前で腕を組みながら、アルフィがニヤリと笑った。
「あっ……ごめんなさい、つい……」
 アンジェが慌ててティアの胸から手を離した。

「もう、アンジェ……」
 両手で胸を隠しながら、ティアがアンジェを睨んだ。
「二人とも、早く外へ出なさい。ティアは下着も脱ぐのよ」
「分かったわ」
 両手を腰に当てると、ティアは黒い下着を脱ぎ捨てて裸体を晒した。
「ティア、濡れてませんか?」
 ティアの耳に唇を近づけると、アンジェが囁いた。その言葉に、ティアは顔を真っ赤に染めながらアンジェに言った。
「知らないわ……」

 一糸纏わぬ姿で外に出ると、アルフィが水属性下位魔法ウォーターボールで二人の頭上に大きな水球を作った。それを破裂させ、二人の頭上から一気に浴びせた。
「きゃっ! 冷たい!」
「アルフィ! ちょっと加減して!」
 淡紫色の髪が濡れて素肌に貼り付き、銀色の髪が水滴に塗れた。二人は文句を言いながらも、全身についた血をお互いに洗い流した。

「ティア、寒いです」
「私も寒い……」
 初夏とは言え、夜になればそれなりに冷え込む。その中で全身水浸しになった二人は、ブルブルと震えて鳥肌を立てた。
「早く、荷馬車に戻ろう。風邪引いちゃうわ」
「はい」
 二人は肌を寄せ合って荷馬車に乗り込むと、アルフィが差し出した布でお互いの体を拭き合った。

「アンジェ、暖めてあげるわ」
 震えているアンジェの体を、ティアが後ろから抱きしめながら言った。豊かな双乳をアンジェの背中に押しつけるとティアは両手を前に回してアンジェの白い乳房を包み込んだ。
「あの……ティア?」
「さっきのお返しよ。アルフィも手伝う?」
 小ぶりだが形の良いアンジェの双乳を揉み始めると、ティアは横に立っているアルフィの顔を見上げた。

「面白そうね。アンジェリーナの歓迎会を始めましょうか?」
 ニヤリと笑みを浮かべると、アルフィは鞄の中から革袋を取りだした。その中に手を入れると、魔道液と刷毛を出してきた。
「何ですか、それ……?」
「アルフィ、いきなりそれはきついんじゃない?」
 アンジェの質問を遮るように、ティアが若干引きながらアルフィに告げた。

「最初が肝心なのよ。ティア、アンジェリーナを押さえていて」
「え……、ちょっと、ティア。アルフィさん、何を……」
 動揺するアンジェの耳元で、ティアが囁くように告げた。
「アンジェ、すぐに体が熱くなるから待っててね」
「ティア、どういうこと……ひっ!」
 アルフィがアンジェの乳首を魔道液に浸した刷毛で撫でた。

「あ……あっ……何、これ……あっ、ひぃいい!」
 痛いほど乳首が屹立し、そこから凄まじい愉悦が走ると、背筋を舐め上げてアンジェの脳天を雷撃が直撃した。金色の瞳を大きく見開くと、アンジェは背中を仰け反らせて悲鳴を上げた。
「どう? 熱くなってきた? アルフィが塗った魔道液は、性感を急激に高めるのよ」
 そう告げると、ティアはアンジェの乳房を激しく揉みしだき始めた。

「ひぃあぁあ! や、やめ……あっ、あっああ! だめぇえ!」
 ガチガチに尖りきった乳首をコリコリとティアに扱かれると、アンジェは銀色の髪を振り乱しながら激しく首を振った。くちゅっと音を立てて愛液が溢れだし、白い太ももを伝って流れ落ちた。

「ティア、足を開かせて」
 アルフィの言葉に頷くと、ティアはアンジェの両足に足を絡めて大きく開かせた。びっしょりと濡れた秘唇を右手で撫で上げると、アルフィは指で愛液をすくい取って硬くなった突起に塗り込んだ。

「ひぃいいい! い、いやぁあ! あ、ひぃいい! あっ、あぁああ!」
 腰骨を灼き溶かすほどの凄絶な歓悦に襲われ、アンジェは総身をビクッビクッと痙攣させた。かつて経験したこともない壮絶な愉悦に、アンジェは随喜の涙を滲ませながら悶え啼いた。

「ここにも塗ってあげるわね」
 そう告げると、アルフィは慣れた手つきでクルンと包皮を剥き上げ、真っ赤に充血した陰核を曝け出した。
「ひぃいいい!」
 突然、峻烈な甘美が全身を走り抜け、アンジェは大きく背中を仰け反らせた。
「ずいぶんと敏感なのね。ここに塗り込んだら、どうなるのか楽しみだわ」
 魔道液をたっぷりと刷毛に染み込ませると、アルフィは毛先で円を描くように陰核に塗りたくった。

「あっ、あぁああ! だめぇえ! あ、ひぃいいい! い、いっちゃう! あっ、あっ、い、いくぅ!」
 ビックンッビックンッと総身を痙攣させると、アンジェはあっという間に歓喜の極みに駆け上った。官能の愉悦を噛みしめながら硬直すると、アンジェはグッタリと弛緩してティアにもたれかかった。

「はっ……は、はぁ……はひぃ……は、はぁあ……」
 真っ赤に染まった目尻から大粒の涙を流しながら、アンジェは熱い吐息をせわしなく漏らした。ビクッビクッと痙攣を続ける肢体は歓悦が駆け巡り、四肢の先端まで甘く痺れきっていた。腰骨がブルブルと震えて、熱く灼け溶けてしまったようだった。ガクガクと膝が笑い、アンジェは今にも崩れ落ちそうな裸身をティアに預けた。

「アンジェ、熱くなったでしょう?」
 後ろから白い乳房を揉みしだき、その柔らかさを楽しみながらティアがアンジェの耳元で訊ねた。
「はぁ……はぁ……こんなの……だめ……です……」
 官能にトロンと蕩けきった瞳でティアを見つめると、アンジェは息を切らしながら答えた。

「アンジェリーナ、あんたの歓迎会はまだ始まったばかりよ。もっと楽しませてあげるから、期待してね」
 グッタリと弛緩した躰をビクッビクッと痙攣させているアンジェを見下ろしながら、アルフィがニッコリと微笑んだ。

「アンジェ、可愛いわ。もっと気持ちよくしてあげるわね」
「あっ……だめ……」
 硬く尖りきった乳首をティアに摘ままれて、アンジェはビクンッと総身を震わせると顎を反らした。

 ティアとアルフィによる<漆黒の翼>の歓迎会は、幕を開けたばかりであった。
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