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終章 闇の王
3.魔の秘薬
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大国主が八千矛神の名で呼ばれていることを、咲耶はその身を持って実感させられた。
「くッ……はッ……んあッ……やめッ……あッ、あッ、いやッ……!」
女の体を知り尽くした手腕を遺憾なく発揮して、大国主は咲耶の性感を的確に刺激してきた。日本国中に数え切れないほどの妻を持ち、百八十人を超える子供を作ったという大国主の前では、咲耶は単なる未熟な乙女に過ぎなかった。
両手両脚を大きく広げられて、咲耶は縄で寝台の四隅に括りつけられていた。着衣はすべて剥ぎ取られ、美しい裸身を大国主の前に晒しながら咲耶は望まぬ快感に抗うように首を激しく振った。長い漆黒の髪が寝台の上を舞い乱れ、濃密な女の色香を撒き散らした。
「どうされたのです? そんなに嫌らしい声を上げて……? ここも、こんなにカチカチに尖らせているではないか……?」
「ひッ……! いやッ……やめッ……! だめッ、あッ、あッ……いやぁあッ……!」
自分の意志を裏切って硬く突き勃った媚芯を指先で扱かれると、咲耶は裸身をビクッビクンッと震わせながら恥ずかしい声を上げた。
(くそッ……! 箸に塗ったという薬のせいか……? 体が熱を持ったように熱い……!)
大国主が咲耶に使った薬は、女を狂わせる秘薬であった。神気を抑えると同時に、女の性感を急激に高める媚薬の効果を持っていた。望まぬ性感が全身を走り抜けることに、咲耶は戸惑いを隠せなかった。
「瓊瓊杵さまが亡くなってから六十年も経つというのに、貴女の体はずいぶんと男に慣れているようだ。ひょっとしたら、建御雷神に毎晩抱かれていたのではないか?」
「違ッ……! あッ、いやッ……! やめッ……! だめッ……!」
大国主の言葉に激しく首を振ると、咲耶は湧き上がる愉悦に抗いながら叫んだ。
(薬を使われたとはいえ、これほど簡単に燃え上がらされるなんて……! こやつ、女の体に慣れきっておる……! このままでは、まずい……)
自分の体が快感に支配されかけていることに、咲耶は否が応でも気づいていた。このまま続けられたら、女の最も恥ずかしい姿を大国主に晒してしまいそうだった。
「女子を、このように……あッ……! 縛って辱めるなど……んッ……! 許されると思うて……おるのかッ……くッ……!」
湧き上がる歓悦を強い意志の力で抑え込みながら、咲耶は黒曜石の瞳で大国主を睨みつけた。だが、その突き刺すような咲耶の視線を受けても、まったく意に介さずに大国主は楽しそうな笑みを見せた。
「ほう……。まだそのような眼ができるのか……? どうやら、あの程度では貴女は満足してくれぬようだ。ならば、直接塗ってやるとしようか……?」
そう告げると、大国主は白い磁器でできた円盤形の小さな容器を手に取って蓋を開いた。そして、中に入っている透明な塗り薬を右の人差し指で掬い取ると、咲耶の目の前にこれ見よがしに見せつけてきた。
「何をッ……? やめッ……ひぃいッ……!」
ツンと突き勃った左の媚芯にそれを塗りつけられた瞬間、咲耶は白い顎をグンと突き上げて大きく仰け反った。凄まじい快感が左胸に広がり、背筋を舐め上げて脳天で弾けた。
「やはり、直接塗りつけるとよく効くようだな……?」
「いやッ……やめッ……! あッ、あぁああーッ……!」
右の媚芯を摘まみ上げられ、指先でコリコリと扱かれながらその薬を塗りつけられた。その瞬間、咲耶は望まぬ絶頂に押し上げられた。
「もしかして、達したのか……? ずいぶんと感じやすいようだな?」
ビクンッビクンッと痙攣している咲耶を見下ろしながら、大国主が楽しげに笑みを浮かべた。
「違ッ……達してなど……おらぬッ……!」
その言葉が虚勢であることは、誰の目にも明らかであった。真っ赤に染まった目尻からは随喜の涙が溢れ、ワナワナと慄える唇からはせわしなく熱い喘ぎが漏れ出ていた。
「そうか……、達しておらぬか……? では、ここに塗ったらどうなるかな? まだ、そのような強気な態度が取れるか、楽しみだ……」
そう告げると、大国主は右手で柔らかい叢をかき分け、濡れた秘唇の上に佇む真珠を探り当てた。そして、慣れた手つきでクルンッと薄皮を剥き上げた。
「ひぃいいッ……! いやあぁッ……!」
女の最大の弱点を指で転がされ、咲耶はグンッと裸身を仰け反らせながら悲鳴を上げた。腰骨がカアッと灼き溶けるほどの愉悦が全身に広がり、咲耶は激しく首を振って悶え啼いた。長い黒髪が舞い乱れ、切ない女の色香を撒き散らした。
「これをそこに塗られた女で、正気を保った者は誰もおらぬ。強気な貴女がどのように変わるのか、楽しみだ……」
透明な塗り薬をたっぷりと掬い取った指先を咲耶に見せつけながら、大国主が楽しそうに笑みを浮かべた。
「やめてッ……! お願い、許してッ……!」
黒曜石の瞳に紛れもない怯えを映しながら、咲耶が小刻みに首を振った。最も敏感な箇所にそんなものを塗られたら、自分がどうなってしまうのか咲耶は心の底から恐怖を感じた。
「天国に行くか、地獄に落ちるか……? それとも、気が狂うか……?」
ニヤリと笑いながらそう告げると、大国主は真っ赤に充血した真珠に悪魔の薬を塗りつけてきた。
「ひぃいいーッ……!」
その瞬間、凄まじい快感が咲耶の全身を襲った。腰骨どころか、下半身が燃え上がるほどの愉悦が背筋を駆け抜け、脳天に凄絶な落雷が何度も襲ってきた。脳髄がトロトロに蕩け、全身の細胞さえドロドロに灼き溶けた。
プシャアッという音とともに、咲耶の秘唇から壮絶な潮流が迸り、虚空に弧を描いて噴出した。
(いやぁあーッ……! 頭が溶けるッ! く、狂ってしまうッ……!)
ビックンッビックンッと壮絶に裸身を痙攣させると、咲耶は全身がバラバラになるほどの極致感に襲われた。だが、それは一度で終わらなかった。絶頂した次の瞬間には、それを更に上回る凄まじい快絶の爆発が襲ってきた。その終わることのない連鎖が、何度も繰り返し押し寄せてきたのだ。
(もう、だめぇえッ……! 私、毀れるッ! 死ぬぅうッ……!)
大きく見開いた黒瞳からは、随喜の涙が滂沱となって流れ落ちた。歓喜の頂点を告げる唇からは、白濁の涎が幾筋も糸を引いて垂れ落ちた。
「ひぃいいッ……! また、イクぅうッ……! 許してぇえッ! イグぅううッ……!」
背筋が折れるほど大きく仰け反ると、咲耶はかつてないほどの壮絶な極致感を極めた。プシャアッという音とともに、黄金の潮流が凄まじい勢いで迸った。限界を遥かに超える快絶に、失禁したのだ。
ガクンッガクンッと総身を激しく痙攣させると、凄絶な硬直を解き放って咲耶はグッタリと寝台に沈み込んだ。そして、ガクリと首を折ると、意識を手放して咲耶は失神した。
真っ赤に染まったその表情は涙と涎に塗れ、美しい裸身は汗と愛液に濡れ光っていた。それは紛れもなく、官能の奔流に狂わされた女の悲しい末路に他ならなかった。
その手紙を読み終えた時、磐長姫は高天原に赴くことを決意した。妹の咲耶が単身で武蔵国に向かい、瓊瓊杵尊の仇を討とうとしていることを知ったからであった。
『大変ご無沙汰しております、姉上。お変わりありませんでしょうか。火照、火須勢理、火遠理の三人はさぞや立派になったかと存じます。瓊瓊杵さまのご無念を晴らすためとはいえ、我が子の養育をお任せしたことをお許しください。
私は建御雷神さまの元で修行を終えた後、長い間、黄泉の国で修練をしておりました。この度、天照皇大御神さまとお約束した期限が迫って参りましたので、夜叉を討ちに武蔵国へ行ってまいります。
夜叉の力は強大です。正直に申し上げて、勝てるかどうかは分かりません。よって、この手紙が最後の文となるやも知れませぬ。しかし、たとえ相討ちとなったとしても、夜叉の息の根は必ず止めてまいります。姉上には大変ご迷惑をお掛けしますが、私が戻らない場合には引き続き火照たちをよろしくお願い申し上げます。
姉上のご健勝とお倖せを心よりお祈り申し上げます。 木花咲耶』
詠み終えた手紙を折りたたみ、丁寧に封に包むと磐長は小さくため息をついた。そして、大切に手紙を懐にしまうと、旅支度を始めた。
(咲耶……。貴女は何という星の下に生まれたのでしょう。女としての倖せを棒に振って、生涯を復讐に賭けるなど……。可哀想に……)
咲耶の母親である鹿屋野比売神は、彼女が三歳の時に他界した。幼い咲耶を育てたのは、他ならぬ磐長であった。磐長は咲耶の姉であると同時に、母親のような存在だったのだ。
磐長の脳裏に、咲耶との思い出が蘇った。
「わーんッ……!」
両手で頭を抱えて、男の子が泣きながら逃げていった。近所でも腕白で知られる六歳の子だった。
「どうだ、まいったかッ! こんどやったら、それくらいじゃすまさぬぞッ!」
右手に持った木の枝を振り上げながら、少女が叫んだ。男の子よりも二歳も年下の女の子だった。
「こら、咲耶ッ! 何をしているのですッ!」
慌てて駆けつけた磐長が、手足を擦り傷だらけにした咲耶を叱った。
「あ、あねさま! じろうがまた、みづきをいじめたのじゃ! さくやはみづきのかたきをうったのじゃ!」
慌てて木の枝を背中に隠すと、咲耶が自慢げに磐長に告げた。
「咲耶、仇討ちなどは女子がすることではありませぬ。まして、そんな物で人様を殴ってはなりませぬ!」
咲耶の手から木の枝を取り上げると、磐長は大きなため息をつきながら告げた。
「でも、じろうのほうがとしうえだから、ちからがつよいのじゃ。ぶきがないと、さくやはまけてしまうではないか?」
「咲耶、そもそも女子が喧嘩などしてはなりませぬ。何度言ったらわかるのですか? もっと、お淑やかにならないと、お嫁に行けませぬぞ」
正義感が強いのは悪いことではないが、咲耶の活発さは目に余った。亡くなった母親の鹿屋野比売神は当然のこと、父親の大山祇神も穏やかな神格であるのに、いったい誰に似たのだろうと思いながら磐長は傷だらけの咲耶を見つめた。
「まったく、こんなに怪我をして……。屋敷に戻って、手当をしましょう。痛くはありませぬか?」
「へいきじゃ! あねさまもだれかにいじめられたら、さくやがまもってあげるのじゃ!」
泥だらけの顔に可愛らしい微笑みを浮かべて、咲耶が宣言した。その言葉を聞いて、磐長は再び大きなため息をついた。
(年頃になれば、この子も大人しくなるのでしょうか? まったく……。本当に先が思いやられますね……)
数十年後にその懸念が事実になるなど、その時の磐長には思いも寄らなかった。
「初めて御意を得ます。木花咲耶の姉で、磐長と申します。妹が大変お世話になっており、感謝の言葉もございませぬ……」
非の打ち所もない完璧な作法で頭を下げた磐長を、建御雷神は驚きながら見つめた。
(同じ姉妹であっても、似ても似つかぬものだな……)
姿形だけでなく、身につけた教養や性格の違いを見抜くと、建御雷神は内心で苦笑いを浮かべた。
「顔をお上げください。私が建御雷神です。私の方こそ、咲耶比売には大変世話になっております」
数日前にこの屋敷から三日の場所で、咲耶は二十人近くの男たちを成敗した。その後始末と街道の治安強化で、建御雷神はこの数日間多忙を極めていたのだった。
「どうぞ、こちらへお掛けください……」
「はい、ありがとうございます……」
執務机の横にある応接用の椅子を勧めると、建御雷神は観察するように磐長の顔を見つめた。
磐長はお世辞にも美人とは言えず、下膨れの顔に目鼻立ちも不器量な容姿をしていた。だが、溢れ出る気品と磨き上げられた淑女らしい所作は、その不利を補って余りあるものだった。
(咲耶にこの方の爪の垢を煎じて飲ませたいものだな……。瓊瓊杵さまもこのお方を娶っていたなら、あのようなことにはならなかったかも知れぬ……)
瓊瓊杵が咲耶に求婚した時、父親の大山祇神は磐長姫も一緒に娶らそうとしたことを建御雷神は聞いていた。だが、咲耶とだけ添い遂げたいと瓊瓊杵はその申し出を断ったという。
「花の命は短く、岩は永遠にその姿を変えぬもの……。磐長はその名の通り、不老長寿を司る女神です。それに対して、咲耶は美しく咲き誇る花そのものです。二人を同時に娶れば、貴方さまの未来は末永い栄光に彩られたでしょう。しかし、咲耶だけを娶るのであれば、天津神であられる貴方さまにも、必ず寿命が訪れましょう……」
磐長を拒んだ瓊瓊杵に、大山祇神はそう予言をした。その予言が当たったためか、瓊瓊杵は夜叉に殺されたのだった。
「建御雷神さま、先日、咲耶からこのような手紙が届きました……」
白い封書を懐から取り出すと、磐長は両手でそれを持って建御雷神に差し出した。
「私が読んでも構いませぬか?」
「ぜひ、ご一読くださいませ……」
磐長の言葉に頷くと、封を開いて建御雷神は手紙を広げた。
(咲耶め……。夜叉と刺し違えるつもりか……)
建御雷神は読み終えた手紙を丁寧に折りたたむと、封に包んで磐長に返した。そして、厳しい表情で彼女を見つめながら告げた。
「貴女が私を訪ねてこられた理由は分かりました。すぐに咲耶比売の後を追って発ちましょう」
「ありがとうございます! しかし、咲耶が日向国を発ってから、すでに二十日以上が経っております。今から向かって間に合いますでしょうか?」
喜びに輝かせた顔をすぐに曇らせながら、磐長が訊ねた。
「天鳥船を使います。あの船ならば、ここから武蔵国まで五日もあれば着きます」
天鳥船は建御雷神が大国主に葦原中国を譲るように談判した時に乗っていった神船である。単なる船ではなく高天原で唯一の飛行船であり、強力な戦闘艇でもあった。そして、それを操船するためには膨大な神気が必要だった。高天原広しと言えども、天の鳥船を操ることができる武神は素戔嗚か建御雷神以外にはいなかった。
「ありがとうございます、建御雷神さま……! このご恩は生涯忘れませぬ!」
「お気になさらずに……。咲耶比売は私にとって、大切な弟子です。弟子の危機に師が出て行くのは当然のことです」
(大切な弟子か……。咲耶を娶る日がいつか来るのだろうか?)
この時代、女性の再婚というのは一般的ではなかった。まして、高天原においては、忌避されることであった。女神は唯一人の夫に操を立てねばならず、夫が死した後でもそれは変わらなかった。夫以外の男と情を交わすことは淫乱であるとされて、女神の資格を剥奪されることもあったのだ。咲耶が建御雷神に対する想いを告げようとした時に、それを押しとどめた理由は彼女の立場を考えてのことだった。
「では、急ぎますので私はこれで失礼します。お時間が許せば、ごゆるりとお寛ぎください」
席を立つと、建御雷神は金色の髪を揺らしながら磐長に頭を下げた。その様子を見て、磐長が慌てて立ち上がった。
「私も同行させて頂けませぬか?」
「磐長さまを同行……?」
さすがの建御雷神も、磐長の申し出に驚いた。夜叉と闘いに行くのに、磐長が役に立つとは思えなかった。それどころか足手まといであり、彼女を守りながら夜叉と闘うことは不利以外の何ものでもなかった。
「私には分かります。咲耶は自分の命を賭けて、夜叉と刺し違えるつもりです。最後の最後で咲耶を止められるのは、私をおいて他にはおりませぬ!」
それは、咲耶を我が子同然に愛している磐長の心の叫びであった。建御雷神は磐長の中に、自己犠牲をも厭わない崇高な母性の輝きを見た。
(このお方は、自分の命を賭けて咲耶を愛しておられる。その想いは、もしかしたら私以上かも知れぬ……)
「分かりました。どうか、私と共に来てください。一緒に咲耶を救いましょう!」
建御雷神の言葉に、磐長は彼の咲耶に対する愛情を知った。そして、その報われぬ二人の行く末に心を痛めた。
(建御雷神さまは、咲耶を愛しておられる。そして、恐らく咲耶も……。しかし、高天原のしがらみが二人を引き離すでしょう……。何よりも、天照皇大御神さまがお許しになるはずがない……)
それは神託であったのか、それとも予言であったのか……。磐長の目に映る二人の姿は、暗雲とした厚い雲に覆われていた。
「あッ、あッ……! だめッ、許してッ……! また、イクッ! あッ、あぁああッ……!」
ビクンッビックンッと激しく裸身を痙攣させると、大きく仰け反りながら咲耶は絶頂を極めた。これが何度目の絶頂なのか、咲耶自身にもすでに分からなかった。茫然と見開いた黒曜石の瞳から随喜の涙を流し、ワナワナと慄える紅唇からはネットリとした涎が糸を引いて垂れ落ちた。
白い双乳の頂きには薄紅色の媚芯が痛いほど突き勃ち、大国主を締め付ける秘唇からは大量の蜜液が溢れ出て寝台をビッショリと濡らしていた。
(薬を使われているとはいえ、こんなに何度も達するなんて……。イカされすぎて、頭がおかしくなりそうじゃ……)
強力な媚薬によって狂わされた体は、自分の意志を裏切って立て続けに絶頂を極め続けた。快美の火柱で貫かれるたびに壮絶な快感が全身を灼き溶かし、意識さえもドロドロに蕩かされた。
「お願い……もう、許して……。これ以上されたら……毀れてしまう……」
途切れることのない快絶の嵐に、咲耶は哀願の言葉を漏らした。媚薬によって全身の感度が上がった体をこのまま犯され続けたら、本当に発狂しそうだった。一刻も早くこの官能地獄から逃れたい……それが、今の咲耶にとって唯一の願いだった。
だが、葦原中国随一と言われた咲耶を、大国主が簡単に手放すはずがなかった。ニヤリと笑みを浮かべると、大国主は再び快美の火柱で咲耶を責め始めた。
「ひぃいッ……! いやッ、だめッ……! あッ、あッ、許してぇッ……! いやぁあッ……!」
粒だった入口部分を三度擦られ、一気に最奥まで貫かれると、咲耶の体は瞬く間に燃え上がった。女を狂わせる三浅一深の動きに、長い漆黒の髪を舞い乱しながら咲耶は本気で悶え啼いた。
「だめッ……! おかしくなるッ……! 狂ってしまうッ! 許してぇえッ!」
随喜の涙を溢れさせ、白濁の涎を垂れ流しながら咲耶は懇願の言葉を叫んだ。悪魔の律動で抉られるたびに、プシャップシャッと音を立てて秘唇から蜜液が噴出した。
「だめッ、だめぇえッ……! また、イクッ……! イクぅうッ……!」
限界を遥かに超える快絶に、咲耶は背筋を大きく仰け反らせながら極致感に達した。同時に凄まじい力で大国主の男を締め付けた。
「くッ……! うぉおおッ……!」
白い両脚を抱えて激しく腰を叩きつけると、咲耶の最奥で大国主が爆ぜた。灼熱の熱精が何度も咲耶の奥で迸った。
「ひぃいいッ……! イグぅうッ……!」
媚薬に侵された女体は、咲耶の意志を裏切って壮絶に痙攣を始めた。ガクガクと歓喜の硬直を噛みしめると、全身から緊張を解き放って咲耶は寝台に沈み込んだ。
(たすけて……、建御雷神さま……)
その思考を最後に、ガックリと首を折って咲耶は失神した。
「くッ……はッ……んあッ……やめッ……あッ、あッ、いやッ……!」
女の体を知り尽くした手腕を遺憾なく発揮して、大国主は咲耶の性感を的確に刺激してきた。日本国中に数え切れないほどの妻を持ち、百八十人を超える子供を作ったという大国主の前では、咲耶は単なる未熟な乙女に過ぎなかった。
両手両脚を大きく広げられて、咲耶は縄で寝台の四隅に括りつけられていた。着衣はすべて剥ぎ取られ、美しい裸身を大国主の前に晒しながら咲耶は望まぬ快感に抗うように首を激しく振った。長い漆黒の髪が寝台の上を舞い乱れ、濃密な女の色香を撒き散らした。
「どうされたのです? そんなに嫌らしい声を上げて……? ここも、こんなにカチカチに尖らせているではないか……?」
「ひッ……! いやッ……やめッ……! だめッ、あッ、あッ……いやぁあッ……!」
自分の意志を裏切って硬く突き勃った媚芯を指先で扱かれると、咲耶は裸身をビクッビクンッと震わせながら恥ずかしい声を上げた。
(くそッ……! 箸に塗ったという薬のせいか……? 体が熱を持ったように熱い……!)
大国主が咲耶に使った薬は、女を狂わせる秘薬であった。神気を抑えると同時に、女の性感を急激に高める媚薬の効果を持っていた。望まぬ性感が全身を走り抜けることに、咲耶は戸惑いを隠せなかった。
「瓊瓊杵さまが亡くなってから六十年も経つというのに、貴女の体はずいぶんと男に慣れているようだ。ひょっとしたら、建御雷神に毎晩抱かれていたのではないか?」
「違ッ……! あッ、いやッ……! やめッ……! だめッ……!」
大国主の言葉に激しく首を振ると、咲耶は湧き上がる愉悦に抗いながら叫んだ。
(薬を使われたとはいえ、これほど簡単に燃え上がらされるなんて……! こやつ、女の体に慣れきっておる……! このままでは、まずい……)
自分の体が快感に支配されかけていることに、咲耶は否が応でも気づいていた。このまま続けられたら、女の最も恥ずかしい姿を大国主に晒してしまいそうだった。
「女子を、このように……あッ……! 縛って辱めるなど……んッ……! 許されると思うて……おるのかッ……くッ……!」
湧き上がる歓悦を強い意志の力で抑え込みながら、咲耶は黒曜石の瞳で大国主を睨みつけた。だが、その突き刺すような咲耶の視線を受けても、まったく意に介さずに大国主は楽しそうな笑みを見せた。
「ほう……。まだそのような眼ができるのか……? どうやら、あの程度では貴女は満足してくれぬようだ。ならば、直接塗ってやるとしようか……?」
そう告げると、大国主は白い磁器でできた円盤形の小さな容器を手に取って蓋を開いた。そして、中に入っている透明な塗り薬を右の人差し指で掬い取ると、咲耶の目の前にこれ見よがしに見せつけてきた。
「何をッ……? やめッ……ひぃいッ……!」
ツンと突き勃った左の媚芯にそれを塗りつけられた瞬間、咲耶は白い顎をグンと突き上げて大きく仰け反った。凄まじい快感が左胸に広がり、背筋を舐め上げて脳天で弾けた。
「やはり、直接塗りつけるとよく効くようだな……?」
「いやッ……やめッ……! あッ、あぁああーッ……!」
右の媚芯を摘まみ上げられ、指先でコリコリと扱かれながらその薬を塗りつけられた。その瞬間、咲耶は望まぬ絶頂に押し上げられた。
「もしかして、達したのか……? ずいぶんと感じやすいようだな?」
ビクンッビクンッと痙攣している咲耶を見下ろしながら、大国主が楽しげに笑みを浮かべた。
「違ッ……達してなど……おらぬッ……!」
その言葉が虚勢であることは、誰の目にも明らかであった。真っ赤に染まった目尻からは随喜の涙が溢れ、ワナワナと慄える唇からはせわしなく熱い喘ぎが漏れ出ていた。
「そうか……、達しておらぬか……? では、ここに塗ったらどうなるかな? まだ、そのような強気な態度が取れるか、楽しみだ……」
そう告げると、大国主は右手で柔らかい叢をかき分け、濡れた秘唇の上に佇む真珠を探り当てた。そして、慣れた手つきでクルンッと薄皮を剥き上げた。
「ひぃいいッ……! いやあぁッ……!」
女の最大の弱点を指で転がされ、咲耶はグンッと裸身を仰け反らせながら悲鳴を上げた。腰骨がカアッと灼き溶けるほどの愉悦が全身に広がり、咲耶は激しく首を振って悶え啼いた。長い黒髪が舞い乱れ、切ない女の色香を撒き散らした。
「これをそこに塗られた女で、正気を保った者は誰もおらぬ。強気な貴女がどのように変わるのか、楽しみだ……」
透明な塗り薬をたっぷりと掬い取った指先を咲耶に見せつけながら、大国主が楽しそうに笑みを浮かべた。
「やめてッ……! お願い、許してッ……!」
黒曜石の瞳に紛れもない怯えを映しながら、咲耶が小刻みに首を振った。最も敏感な箇所にそんなものを塗られたら、自分がどうなってしまうのか咲耶は心の底から恐怖を感じた。
「天国に行くか、地獄に落ちるか……? それとも、気が狂うか……?」
ニヤリと笑いながらそう告げると、大国主は真っ赤に充血した真珠に悪魔の薬を塗りつけてきた。
「ひぃいいーッ……!」
その瞬間、凄まじい快感が咲耶の全身を襲った。腰骨どころか、下半身が燃え上がるほどの愉悦が背筋を駆け抜け、脳天に凄絶な落雷が何度も襲ってきた。脳髄がトロトロに蕩け、全身の細胞さえドロドロに灼き溶けた。
プシャアッという音とともに、咲耶の秘唇から壮絶な潮流が迸り、虚空に弧を描いて噴出した。
(いやぁあーッ……! 頭が溶けるッ! く、狂ってしまうッ……!)
ビックンッビックンッと壮絶に裸身を痙攣させると、咲耶は全身がバラバラになるほどの極致感に襲われた。だが、それは一度で終わらなかった。絶頂した次の瞬間には、それを更に上回る凄まじい快絶の爆発が襲ってきた。その終わることのない連鎖が、何度も繰り返し押し寄せてきたのだ。
(もう、だめぇえッ……! 私、毀れるッ! 死ぬぅうッ……!)
大きく見開いた黒瞳からは、随喜の涙が滂沱となって流れ落ちた。歓喜の頂点を告げる唇からは、白濁の涎が幾筋も糸を引いて垂れ落ちた。
「ひぃいいッ……! また、イクぅうッ……! 許してぇえッ! イグぅううッ……!」
背筋が折れるほど大きく仰け反ると、咲耶はかつてないほどの壮絶な極致感を極めた。プシャアッという音とともに、黄金の潮流が凄まじい勢いで迸った。限界を遥かに超える快絶に、失禁したのだ。
ガクンッガクンッと総身を激しく痙攣させると、凄絶な硬直を解き放って咲耶はグッタリと寝台に沈み込んだ。そして、ガクリと首を折ると、意識を手放して咲耶は失神した。
真っ赤に染まったその表情は涙と涎に塗れ、美しい裸身は汗と愛液に濡れ光っていた。それは紛れもなく、官能の奔流に狂わされた女の悲しい末路に他ならなかった。
その手紙を読み終えた時、磐長姫は高天原に赴くことを決意した。妹の咲耶が単身で武蔵国に向かい、瓊瓊杵尊の仇を討とうとしていることを知ったからであった。
『大変ご無沙汰しております、姉上。お変わりありませんでしょうか。火照、火須勢理、火遠理の三人はさぞや立派になったかと存じます。瓊瓊杵さまのご無念を晴らすためとはいえ、我が子の養育をお任せしたことをお許しください。
私は建御雷神さまの元で修行を終えた後、長い間、黄泉の国で修練をしておりました。この度、天照皇大御神さまとお約束した期限が迫って参りましたので、夜叉を討ちに武蔵国へ行ってまいります。
夜叉の力は強大です。正直に申し上げて、勝てるかどうかは分かりません。よって、この手紙が最後の文となるやも知れませぬ。しかし、たとえ相討ちとなったとしても、夜叉の息の根は必ず止めてまいります。姉上には大変ご迷惑をお掛けしますが、私が戻らない場合には引き続き火照たちをよろしくお願い申し上げます。
姉上のご健勝とお倖せを心よりお祈り申し上げます。 木花咲耶』
詠み終えた手紙を折りたたみ、丁寧に封に包むと磐長は小さくため息をついた。そして、大切に手紙を懐にしまうと、旅支度を始めた。
(咲耶……。貴女は何という星の下に生まれたのでしょう。女としての倖せを棒に振って、生涯を復讐に賭けるなど……。可哀想に……)
咲耶の母親である鹿屋野比売神は、彼女が三歳の時に他界した。幼い咲耶を育てたのは、他ならぬ磐長であった。磐長は咲耶の姉であると同時に、母親のような存在だったのだ。
磐長の脳裏に、咲耶との思い出が蘇った。
「わーんッ……!」
両手で頭を抱えて、男の子が泣きながら逃げていった。近所でも腕白で知られる六歳の子だった。
「どうだ、まいったかッ! こんどやったら、それくらいじゃすまさぬぞッ!」
右手に持った木の枝を振り上げながら、少女が叫んだ。男の子よりも二歳も年下の女の子だった。
「こら、咲耶ッ! 何をしているのですッ!」
慌てて駆けつけた磐長が、手足を擦り傷だらけにした咲耶を叱った。
「あ、あねさま! じろうがまた、みづきをいじめたのじゃ! さくやはみづきのかたきをうったのじゃ!」
慌てて木の枝を背中に隠すと、咲耶が自慢げに磐長に告げた。
「咲耶、仇討ちなどは女子がすることではありませぬ。まして、そんな物で人様を殴ってはなりませぬ!」
咲耶の手から木の枝を取り上げると、磐長は大きなため息をつきながら告げた。
「でも、じろうのほうがとしうえだから、ちからがつよいのじゃ。ぶきがないと、さくやはまけてしまうではないか?」
「咲耶、そもそも女子が喧嘩などしてはなりませぬ。何度言ったらわかるのですか? もっと、お淑やかにならないと、お嫁に行けませぬぞ」
正義感が強いのは悪いことではないが、咲耶の活発さは目に余った。亡くなった母親の鹿屋野比売神は当然のこと、父親の大山祇神も穏やかな神格であるのに、いったい誰に似たのだろうと思いながら磐長は傷だらけの咲耶を見つめた。
「まったく、こんなに怪我をして……。屋敷に戻って、手当をしましょう。痛くはありませぬか?」
「へいきじゃ! あねさまもだれかにいじめられたら、さくやがまもってあげるのじゃ!」
泥だらけの顔に可愛らしい微笑みを浮かべて、咲耶が宣言した。その言葉を聞いて、磐長は再び大きなため息をついた。
(年頃になれば、この子も大人しくなるのでしょうか? まったく……。本当に先が思いやられますね……)
数十年後にその懸念が事実になるなど、その時の磐長には思いも寄らなかった。
「初めて御意を得ます。木花咲耶の姉で、磐長と申します。妹が大変お世話になっており、感謝の言葉もございませぬ……」
非の打ち所もない完璧な作法で頭を下げた磐長を、建御雷神は驚きながら見つめた。
(同じ姉妹であっても、似ても似つかぬものだな……)
姿形だけでなく、身につけた教養や性格の違いを見抜くと、建御雷神は内心で苦笑いを浮かべた。
「顔をお上げください。私が建御雷神です。私の方こそ、咲耶比売には大変世話になっております」
数日前にこの屋敷から三日の場所で、咲耶は二十人近くの男たちを成敗した。その後始末と街道の治安強化で、建御雷神はこの数日間多忙を極めていたのだった。
「どうぞ、こちらへお掛けください……」
「はい、ありがとうございます……」
執務机の横にある応接用の椅子を勧めると、建御雷神は観察するように磐長の顔を見つめた。
磐長はお世辞にも美人とは言えず、下膨れの顔に目鼻立ちも不器量な容姿をしていた。だが、溢れ出る気品と磨き上げられた淑女らしい所作は、その不利を補って余りあるものだった。
(咲耶にこの方の爪の垢を煎じて飲ませたいものだな……。瓊瓊杵さまもこのお方を娶っていたなら、あのようなことにはならなかったかも知れぬ……)
瓊瓊杵が咲耶に求婚した時、父親の大山祇神は磐長姫も一緒に娶らそうとしたことを建御雷神は聞いていた。だが、咲耶とだけ添い遂げたいと瓊瓊杵はその申し出を断ったという。
「花の命は短く、岩は永遠にその姿を変えぬもの……。磐長はその名の通り、不老長寿を司る女神です。それに対して、咲耶は美しく咲き誇る花そのものです。二人を同時に娶れば、貴方さまの未来は末永い栄光に彩られたでしょう。しかし、咲耶だけを娶るのであれば、天津神であられる貴方さまにも、必ず寿命が訪れましょう……」
磐長を拒んだ瓊瓊杵に、大山祇神はそう予言をした。その予言が当たったためか、瓊瓊杵は夜叉に殺されたのだった。
「建御雷神さま、先日、咲耶からこのような手紙が届きました……」
白い封書を懐から取り出すと、磐長は両手でそれを持って建御雷神に差し出した。
「私が読んでも構いませぬか?」
「ぜひ、ご一読くださいませ……」
磐長の言葉に頷くと、封を開いて建御雷神は手紙を広げた。
(咲耶め……。夜叉と刺し違えるつもりか……)
建御雷神は読み終えた手紙を丁寧に折りたたむと、封に包んで磐長に返した。そして、厳しい表情で彼女を見つめながら告げた。
「貴女が私を訪ねてこられた理由は分かりました。すぐに咲耶比売の後を追って発ちましょう」
「ありがとうございます! しかし、咲耶が日向国を発ってから、すでに二十日以上が経っております。今から向かって間に合いますでしょうか?」
喜びに輝かせた顔をすぐに曇らせながら、磐長が訊ねた。
「天鳥船を使います。あの船ならば、ここから武蔵国まで五日もあれば着きます」
天鳥船は建御雷神が大国主に葦原中国を譲るように談判した時に乗っていった神船である。単なる船ではなく高天原で唯一の飛行船であり、強力な戦闘艇でもあった。そして、それを操船するためには膨大な神気が必要だった。高天原広しと言えども、天の鳥船を操ることができる武神は素戔嗚か建御雷神以外にはいなかった。
「ありがとうございます、建御雷神さま……! このご恩は生涯忘れませぬ!」
「お気になさらずに……。咲耶比売は私にとって、大切な弟子です。弟子の危機に師が出て行くのは当然のことです」
(大切な弟子か……。咲耶を娶る日がいつか来るのだろうか?)
この時代、女性の再婚というのは一般的ではなかった。まして、高天原においては、忌避されることであった。女神は唯一人の夫に操を立てねばならず、夫が死した後でもそれは変わらなかった。夫以外の男と情を交わすことは淫乱であるとされて、女神の資格を剥奪されることもあったのだ。咲耶が建御雷神に対する想いを告げようとした時に、それを押しとどめた理由は彼女の立場を考えてのことだった。
「では、急ぎますので私はこれで失礼します。お時間が許せば、ごゆるりとお寛ぎください」
席を立つと、建御雷神は金色の髪を揺らしながら磐長に頭を下げた。その様子を見て、磐長が慌てて立ち上がった。
「私も同行させて頂けませぬか?」
「磐長さまを同行……?」
さすがの建御雷神も、磐長の申し出に驚いた。夜叉と闘いに行くのに、磐長が役に立つとは思えなかった。それどころか足手まといであり、彼女を守りながら夜叉と闘うことは不利以外の何ものでもなかった。
「私には分かります。咲耶は自分の命を賭けて、夜叉と刺し違えるつもりです。最後の最後で咲耶を止められるのは、私をおいて他にはおりませぬ!」
それは、咲耶を我が子同然に愛している磐長の心の叫びであった。建御雷神は磐長の中に、自己犠牲をも厭わない崇高な母性の輝きを見た。
(このお方は、自分の命を賭けて咲耶を愛しておられる。その想いは、もしかしたら私以上かも知れぬ……)
「分かりました。どうか、私と共に来てください。一緒に咲耶を救いましょう!」
建御雷神の言葉に、磐長は彼の咲耶に対する愛情を知った。そして、その報われぬ二人の行く末に心を痛めた。
(建御雷神さまは、咲耶を愛しておられる。そして、恐らく咲耶も……。しかし、高天原のしがらみが二人を引き離すでしょう……。何よりも、天照皇大御神さまがお許しになるはずがない……)
それは神託であったのか、それとも予言であったのか……。磐長の目に映る二人の姿は、暗雲とした厚い雲に覆われていた。
「あッ、あッ……! だめッ、許してッ……! また、イクッ! あッ、あぁああッ……!」
ビクンッビックンッと激しく裸身を痙攣させると、大きく仰け反りながら咲耶は絶頂を極めた。これが何度目の絶頂なのか、咲耶自身にもすでに分からなかった。茫然と見開いた黒曜石の瞳から随喜の涙を流し、ワナワナと慄える紅唇からはネットリとした涎が糸を引いて垂れ落ちた。
白い双乳の頂きには薄紅色の媚芯が痛いほど突き勃ち、大国主を締め付ける秘唇からは大量の蜜液が溢れ出て寝台をビッショリと濡らしていた。
(薬を使われているとはいえ、こんなに何度も達するなんて……。イカされすぎて、頭がおかしくなりそうじゃ……)
強力な媚薬によって狂わされた体は、自分の意志を裏切って立て続けに絶頂を極め続けた。快美の火柱で貫かれるたびに壮絶な快感が全身を灼き溶かし、意識さえもドロドロに蕩かされた。
「お願い……もう、許して……。これ以上されたら……毀れてしまう……」
途切れることのない快絶の嵐に、咲耶は哀願の言葉を漏らした。媚薬によって全身の感度が上がった体をこのまま犯され続けたら、本当に発狂しそうだった。一刻も早くこの官能地獄から逃れたい……それが、今の咲耶にとって唯一の願いだった。
だが、葦原中国随一と言われた咲耶を、大国主が簡単に手放すはずがなかった。ニヤリと笑みを浮かべると、大国主は再び快美の火柱で咲耶を責め始めた。
「ひぃいッ……! いやッ、だめッ……! あッ、あッ、許してぇッ……! いやぁあッ……!」
粒だった入口部分を三度擦られ、一気に最奥まで貫かれると、咲耶の体は瞬く間に燃え上がった。女を狂わせる三浅一深の動きに、長い漆黒の髪を舞い乱しながら咲耶は本気で悶え啼いた。
「だめッ……! おかしくなるッ……! 狂ってしまうッ! 許してぇえッ!」
随喜の涙を溢れさせ、白濁の涎を垂れ流しながら咲耶は懇願の言葉を叫んだ。悪魔の律動で抉られるたびに、プシャップシャッと音を立てて秘唇から蜜液が噴出した。
「だめッ、だめぇえッ……! また、イクッ……! イクぅうッ……!」
限界を遥かに超える快絶に、咲耶は背筋を大きく仰け反らせながら極致感に達した。同時に凄まじい力で大国主の男を締め付けた。
「くッ……! うぉおおッ……!」
白い両脚を抱えて激しく腰を叩きつけると、咲耶の最奥で大国主が爆ぜた。灼熱の熱精が何度も咲耶の奥で迸った。
「ひぃいいッ……! イグぅうッ……!」
媚薬に侵された女体は、咲耶の意志を裏切って壮絶に痙攣を始めた。ガクガクと歓喜の硬直を噛みしめると、全身から緊張を解き放って咲耶は寝台に沈み込んだ。
(たすけて……、建御雷神さま……)
その思考を最後に、ガックリと首を折って咲耶は失神した。
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