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第二章 陽だまり

第二章の登場人物 その二

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<王立学舎>

リシャール・モンゴメリ 十歳 男

 アンリの学年の適性検査トップ通過者でモンゴメリ男爵家長男。さわやかな金髪イケメンですでに超リア充状態。学業、剣術ともに学年で群を抜いており存在感は抜群。騎士課程に進んだ後はフェリペと同じような存在になると見られている。寮ではアンリの隣室で、今のところもっとも親しい同級生のひとり。

 強い相手とやりたがる脳筋的思考の持ち主でもあり、アンリとも一回生時にむりやり勝負して引き分け。以降、折に触れてアンリに再戦をせがみ、すげなく断られている。


マルコ・ロッシュ 十歳 男

 アンリの寮のルームメイトでロッシュ男爵家次男。クラスでの序列は現在二十位で、隣室のリシャールと比べるとアレだが、能力的には決して低くない。騎士志望で魔法には興味はないが、才能がないわけではなさそう。お調子者担当で女子の評判はいまひとつ。イネスが好みらしい。一度勝負して吹き飛ばされ,気を失ったまま笑いを浮かべていた。


ルカ・マリネリ 十歳 男

 リシャールのルームメイトでアンリの隣室。マリネリ伯爵家三男。目立つリシャール、騒がしいマルコと並ぶと地味な存在だが、意外とお姉様ウケしそうな外見で、現在序列第十一位だが学業面ではトップクラス。魔法にも才能を見せており、総合課程と魔法課程、どちらに進むか決めかねている。身体を動かすことは全体的に苦手らしい。たまに無自覚に腐った人が喜ぶ行動をとる。


ベアトリーチェ・ニスケス 十歳 女

 適性検査で女子トップ・全体三番目の才女。ニスケス侯爵家次女。現在は学年の序列第二位。美幼女からすでに美少女に脱皮し、学業の優秀さもさることながら、剣術などを含め身につけられるものはすべて身につけようとする貪欲さ、それをいっさい感じさせない周囲への完璧な気配りを身につけたパーフェクトガール。さらに調理の腕もスーパーと女子力も高い。パーフェクトぶりはとどまるところを知らず、逆に高位貴族の令嬢としていかがなものか、という域に達している。


マイヤ・ジレス 十歳 女

 ベアトリーチェの知りあいで魔法学授業に途中編入してきたオドオド系美幼女。発育に関してはベアトリーチェを圧倒。とくに強く目を引くもののない中で、魔力の強さが群を抜く未完の大器的存在。

 本作の外伝「だが断る!」で紹介されているが、じつはアンリと同じ世界の出身で、もとの身体は死んでおらず昏睡状態にある。「観察者」との取引で若干のチートを獲得、ひきかえに、この世界の様子や転生の実態をもとの世界に持ち帰ることになっている。チートとして受けたのは、他者との同調能力と魔法能力。もとの世界では薄い本を精力的に作成。腐っている。

 コミュ力の不足からいじめられがちだったが、ベアトリーチェのおかげで大きな被害なく成長することができた。


ジルベール・ザカリアス 七十歳 小人族 男

 王立学舎魔法課程主任教官。魔法の求道者の顔とスケベ爺の顔を使い分けるくせ者。タニアの古い知りあいで、かつては冒険者。日和見ジルと呼ばれていたらしい。豊富 
な魔法知識をアンリに授け、アンリのマッテオとの戦いを勝利に導いた。

 その後成り行きでアンリの魔法の師となっている。


セバスチャン 五十六歳 男

 職業セバスチャン、といってよいジルの執事。マッテオとの戦いに先立ち、アンリの練習相手を務めるが、剣術、魔法両面に高い技能を見せる。謎の多い人。


<ギエルダニア騎士養成学校>

ローリエ・シャバネル 十一歳 女(ただし公称は男)

 シャバネル伯爵の長男(三女)。騎士養成学校四回生ながら、文武両面で学内随一の実力者と誰もが認める存在。とくに、二年前の襲撃事件で第一陣の食い止めと被害の拡大防止に功績大で、国内貴族からも注目が集まっている。

 中性的なイケメン、にみえるが実は女であり、家督を継ぐ男児がいないために男として育てられた。女としても極上のボクっ娘。本人は自分の使命を全うしようとしている。

 二年前にアンリと出会い、アンリの初めての歴史介入に巻きこまれて英雄にされた。その人となりや生き方に興味を持つが、カルターナを訪れた際にアンリから自分に関わらないよう釘を刺されてしまった。


サンドラ・シャバネル  十三歳 女

 シャバネル伯爵の次女でローリエの姉。騎士養成学校六回生。成績は学年上位五人には入る優秀な生徒。

 もともと弟思いの優しい姉だったが、二年前の事件でローリエに窮地を救われて以後、自分をローリエに対する盾のように考えている。ローリエに対するプレッシャーが少しでも減るよう、努力を重ねている秀才。


<カルターナの人々>


アウグスト・ギエルダニア 十七歳 男

 ギエルダニア第三皇子。武と知にバランスのとれた好男子。成績も優秀で交流行事に参加していたが、その際に生命を狙われる。ギリギリのところでイネスに救われたが、それでイネスに一目惚れし、求婚し続けている。イネスとの接点を増やすためにカルターナに「全権大使」というポストを作り、居すわっている。それと同時に皇位への欲はないと見なされ、生命は狙われなくなったらしい。

 ちなみに二年前の事件では、伯爵家がひとつと子爵家がひとつ取りつぶされたが、それ以上の責任の追及は行われなかった。


エラン  四十四歳 男

 カルターナの武器商。口癖は「剣だけを売れば三流、恩を一緒に売って二流、それを倍にして回収して一流」で、かなり脂っこく見えるが、気に入った客には実はただの気のいいオヤジ。アンリに短めの片刃剣二本持ちを勧めたが、そのときの会話でローリエにアンリに生き方を質すきっかけを与えてしまった。客の心まで見透かしたような営業はある意味脅威で、ローリエは騎士に向いているかどうかの疑問を投げかけられた。

 ヨーゼフが最初に見つけた武器商だったが、彼自身は金になる客とは見なされず、剣を売ってもらえなかった。

バルデ 三十四歳 男

 カルターナで手広く商いを営む大商人。闇ギルドの幹部としての顔も持つ。奴隷の売買も扱っているが、もちろん非合法のものも含めてである。その非合法の商売でアンリと遭遇し、その壊れ方に関心を持つ。第二部には不出。


ミア 二十三歳 女
 ギルドの冒険者窓口担当。第二部には不出


ディノ 三十七歳 男
 ギルド所属のC級冒険者。第二部には不出。


[すでに出番を失った人たち]


<王立学舎>

シリル・マッテオ 三十五歳(享年) 男

 アンリのクラスの担当教官で、アンリが能力を隠していることを見抜き、興味を持ってストーキングに及ぶ。さまざまな過去を持つが、自分にとって不利益を呼びかねないもの、役に立つ見込みのなくなったものを遠慮なく殺してきている。ドルニエ、ひいては大陸を手中に、という夢を持ち、アンリの力を利用するつもりだったが、アンリと折り合うことができず、激闘の末死亡。



<ギエルダニア騎士養成学校>

ベルトーニ  四十一歳(享年) 男

 騎士養成学校の教官で、交流行事の遠征の主任教官。第三皇子暗殺の最後の一手を担当しており、その前の襲撃が失敗したのを受け、夜襲前に講師殺害を狙ったが、護衛の生徒を負傷させたのみでイネスに斬られ、死亡。


マシュー  三十二歳(享年) 男

 騎士養成学校の教官で、交流行事の遠征に同行。事件の真相に触れることなく、夜襲に倒れ、死亡。

<アンドレッティ公爵家>

エンリケ・アンドレッティ 三十九歳(享年) 男

 アンドレッティ公爵家当主。武の家柄の当主として充分な存在であったが、少し下半身のわがままを許したことにより、シルベストレに弱みを握られ、第一夫人母娘襲撃の陰謀に荷担。結果、リュミエラの刃に倒れる。


マリア・アンドレッティ 三十五歳(享年) 女

エンリケの第一夫人。リュミエラとともに馬車で移動中を賊に襲われ死亡。襲撃はシルベストレ・ジェンティーレ伯爵の陰謀であった。


ミリア・アンドレッティ 三十五歳 女

 エンリケの第二夫人。第一夫人マリアとその娘リュミエラの死に際し、大きな衝撃を受けるとともに、自らにかかりかねない疑いを晴らすため、公爵領の辺境にある小さな屋敷に謹慎、自ら身の証を立てようとしている。


セレス・アンドレッティ 十九歳 女

 ミリアの娘。ミリアの謹慎に同行。



<ジェンティーレ伯爵家>

シルベストレ・ジェンティーレ 四十歳(享年) 男

 ジェンティーレ伯爵家当主。前当主ジュリオの弟でリュミエラの大叔父にあたる。陰謀によりジュリオに家督を譲らせた。アンドレッティ公爵家に嫡男が生まれていないことに目をつけ、前当主ジュリオの娘マリアを亡き者にして三女のヘラの送り込みを狙う。リュミエラの刃に倒れる。


ヘラ・ジェンティーレ 十七歳(享年) 女

 シルベストレの三女。血縁的にはリュミエラの叔母だが、リュミエラを姉様と呼ぶ。以前マリアの嫁ぎ先であるアンドレッティ公爵家を訪ねた際にエンリケと情交に及び、妊娠。マリアを廃して自分がアンドレティ公爵家に嫁ぐことに積極的に同意。リュミエラの刃に倒れる


ジュリオ・ジェンティーレ 四十四歳 男

 ジェンティーレ伯爵家前当主。シルベストレに盛られた毒が原因で体調をこわし、家督をシルベストレに譲り、隠居。娘マリアと孫娘リュミエラをおそった事件についてはいっさい知らされていなかった。

スザーナ・ジェンティーレ 三十八歳 女

 ジュリオの第一夫人でリュミエラの母。マリアとリュミエラを襲った事件については、やはり知らされていなかった。
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