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第百三十九話
クロエと奈々実が買い出しを終えて家に戻ると、イネスとリュドミラがお茶を飲みながら談笑していた。リュドミラが持参した異国の茶葉は香りがすごく独特で、味もこのあたりのものに比べてクセが強く、奈々実は蜂蜜とかフルーツを加えて味を誤魔化さなければとても飲めなかった。ダイエットにはすごく効果があるわよ、と言われたけれど、どうしても無理だった。イネスは平然と飲んでいる。やっぱり太らない人は根本的に味覚が違うのかなあ、と、奈々実はため息をつく。それとも奈々実には想像できないくらいにストイックで、身体にいい、美容にいい物は、味覚を無視して摂取できるものなのだろうか。
モニークに預けられていた、リュドミラが持っていたハヴィガンの黒い魔石に、奈々実とイネスはあれから何度も魔力を充填した。何度やってもフルチャージできず、奈々実はイネスの管理下で、魔力制御の首輪もチョーカーもしない状態での全力充填を、五回やった。モニークの私室で初めてやってみた時は青にしかならず散乱したり不安定だった魔力の波動が、黄色まではいくようになったし、安定した太い波動で一点に集中させて充填できるようになった。
そしてイネスは満月を迎えてマジカル・スターがシルバーになった時に、そのすべての魔力を全力で注いでみた。いつもなら何カ所かの公的な建物などに設置してある大きな血晶石の魔石に分散してチャージするすべての量を、黒い魔石だけに全部注いだのである。火山の噴火にも例えられる魔力量を飲み込んで、小さな黒い魔石はただそこにあった。フル充填できたのか、できなかったのか、見た目ではまったくわからない。リュドミラの言を信じれば、まだフル充填された状態ではない。イネスはその一回のチャージで、半日、動けなくなってしまった。ぐったりとソファに横たわり、やつれたようにすら見えて、美人がぐったりしているといろっぽいなあ、と不謹慎なことを考えたことを、奈々実は覚えている。リュドミラのような、妖艶な感じとは違う。イネスはもともと、いろっぽいとか妖艶とかのタイプの美人ではなくて、理知的で端整な、奈々実のイメージではギリシャ神話の女神様のような美人なのだ。アテナとかアルテミスとか、そういう高潔にして清廉な、気品のある感じだ。リュドミラはもっと婀娜っぽくて退廃的な感じの美人で、最初からエロティックで男を惑わせるイメージであるのに対し、イネスは通常は凛としていてエロくないのに、失恋とか失意の不可抗力の状態や、体調を崩したり具合が悪い状態によって予期せず醸し出されてしまったいろっぽさで、ギャップ萌えが半端無い。奈々実は自分が男だったら、イネスのほうに幻惑されると思う。リュドミラみたいに初対面から全開で妖艶な美女にショッパナから幻惑されるよりも、平常時はエロくなかったのに不意打ちでエロいほうが、面白いというか、幻惑の度合いや色合いが複雑で奥深い。
モニークに預けられていた、リュドミラが持っていたハヴィガンの黒い魔石に、奈々実とイネスはあれから何度も魔力を充填した。何度やってもフルチャージできず、奈々実はイネスの管理下で、魔力制御の首輪もチョーカーもしない状態での全力充填を、五回やった。モニークの私室で初めてやってみた時は青にしかならず散乱したり不安定だった魔力の波動が、黄色まではいくようになったし、安定した太い波動で一点に集中させて充填できるようになった。
そしてイネスは満月を迎えてマジカル・スターがシルバーになった時に、そのすべての魔力を全力で注いでみた。いつもなら何カ所かの公的な建物などに設置してある大きな血晶石の魔石に分散してチャージするすべての量を、黒い魔石だけに全部注いだのである。火山の噴火にも例えられる魔力量を飲み込んで、小さな黒い魔石はただそこにあった。フル充填できたのか、できなかったのか、見た目ではまったくわからない。リュドミラの言を信じれば、まだフル充填された状態ではない。イネスはその一回のチャージで、半日、動けなくなってしまった。ぐったりとソファに横たわり、やつれたようにすら見えて、美人がぐったりしているといろっぽいなあ、と不謹慎なことを考えたことを、奈々実は覚えている。リュドミラのような、妖艶な感じとは違う。イネスはもともと、いろっぽいとか妖艶とかのタイプの美人ではなくて、理知的で端整な、奈々実のイメージではギリシャ神話の女神様のような美人なのだ。アテナとかアルテミスとか、そういう高潔にして清廉な、気品のある感じだ。リュドミラはもっと婀娜っぽくて退廃的な感じの美人で、最初からエロティックで男を惑わせるイメージであるのに対し、イネスは通常は凛としていてエロくないのに、失恋とか失意の不可抗力の状態や、体調を崩したり具合が悪い状態によって予期せず醸し出されてしまったいろっぽさで、ギャップ萌えが半端無い。奈々実は自分が男だったら、イネスのほうに幻惑されると思う。リュドミラみたいに初対面から全開で妖艶な美女にショッパナから幻惑されるよりも、平常時はエロくなかったのに不意打ちでエロいほうが、面白いというか、幻惑の度合いや色合いが複雑で奥深い。
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