ぱすてるランページ

シャオえる

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37. 怒りを収める魅惑のおやつ

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「三人とも、朝から機嫌悪そうだな、どうした?」
 朝、レイの部屋に来たリコ達。笑顔もなく不機嫌そうな表情の三人に、思わず苦笑いするレイ。すると、リコがムッとした顔でレイに詰め寄ってきた
「レイさん、昨日どこ行ってたんですか?探したんですよ!」
 怒り声で叫ぶリコに、クルミとモモカも頷いて聞いている

「話し合いに、レイさんも呼んで話を聞こうってなって本部内をずーっと探したけど、どこにも居なくて、私達が怒られたんですよ!」
「ああ、そうか。それは、すまないね」
 リコ達の怒りを、笑って誤魔化そうとするレイに、更に怒った顔で睨むリコ。怒りを納めようとなだめるモモカ。そんな二人を目の前にして、レイがミク達とレイの間にある机の上に、ポンッと大きめの箱を置いた
「お詫びに、これを渡そう」
「……なんですか?」
 まだ少し怒りながらリコが箱を開けると、美味しそうなイチゴのケーキがワンホール入っていた。意外な物の登場に戸惑うリコ。ケーキを見たクルミとモモカが、ちょっとテンションが上がり、怒った表情から笑顔になった

「レイさんも、ケーキを買うんですね」
「あの子に大分無理させたお詫びだよ。一緒に食べるといい」
「でも、私達はミクとは……」
「魔術を使わないこと、部屋でのみ会うことを条件として許可を取った。だが、長い時間会わないようにな」
 会うための条件を聞いて、ケーキを持ってミクにすぐに会いに行くと思っていたレイ。顔を見合わせ戸惑い、動かないリコ達に不機嫌そうにリコ達を見る
「会いに行かないのか?」
「ミクに会っても大丈夫でしょうか?」
 と、恐る恐る聞くリコに、キィと椅子を少し動かした音を鳴らしてレイがリコの質問に答えた
「部屋から出られず、人見知りで隊員達とも、あまり話していないようだ。三人なら気心も知れているし、気が紛れるだろう」

 レイの話を聞いて、また顔を見合わせる三人。リコが小さく頷いて、ケーキを崩さないように、そっとケーキの箱を持った
「レイさんは、一緒にケーキ食べないんですか?」
 とリコに言われて、レイがため息混じりに、机の引き出しから取り出した大量の資料。その資料の多さに、三人とも苦笑いでちょっと後退りした
「この報告書をまとめないといけないんだ。だから、あまり問題を起こさないように、遊ぶようにな」
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