時を奏でる境界線

シャオえる

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53. 真相を知って、もう一度

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「えーとねぇ、君達のご両親だけど、フラワードの村長さんだったんだよ。何度か本部にも報告とか会議に来たりしてて、ここの古株さんなら顔を知っている人もいると思うよ」

 何だかんだで、始まった二人の話。真面目に話そうとするカノンと、あまり聞きたくないクリル。お構いなしにお互いの話は進む

「……でね、平和に過ごしていたんだけど、ある日、地鳴りのような大きな音がした。と連絡があって、大急ぎで本部の人達が向かったらしいんだけど、村が壊滅状態になってたらしいんだ……」

「カノンさんは行かなかったのか?」
「僕らが入る前の事だから、行ったことはないよ」
 カノンの答えに、クリルは、そうか。という顔。ちょっと期待はずれの答えにだった様子。そして、まだまだ話は進んでいく

「で、村の人たちは重軽傷者多数。死者は無しなのが幸いだったね。で、ご両親に話を聞こうと探したら居なくなってたみたいで……」

「村の人達みんな、何が起こったのか、誰がしたのか見てない、聞いてないでお手上げ。だからずーっと君達のご両親を探してるんだけど……」
 そう言うと、ちらりとクリルを見るカノン。聞きたくない事件の事。うつ向いているクリルに言い出した話でも、心配そう顔を覗かせる

「…………知らないな。親の事は周りの人から話を聞いたことはあるけど、記憶にはない」

 クリル達には、嫌な話。それでもちゃんと聞いて、少し無言になっても、ちゃんと答えてくれる

「そうか……。それから、フラワードは壊滅状態だったけど、また前に住んでた人達が住んで、花がたくさん咲いているみたいだよ」
「そうか……」
 気になっていた故郷のその後を聞いて、ホッとするクリル。その優しい表情を見て微笑むカノン


「ご両親の事で、嫌な思いしてきたの?」
 カノンの質問に小さく頷く。思い出したくないのか、手に力が入り小刻みに震えている
「……親の事で、優しくしてくれたのはドーケムの人たちだけだった。他の町に出たら親の事を聞かれるから……」
 か細い声で答える。その言葉から、寂しさを感じる。それでも、笑って励まそうとするカノン
「そうか……でも、この本部の人達も優しいよ。ノエルくん達には、ちょっと意地悪しちゃうけど……でも、悪いようにはしないさ」

「それに、僕らは君達のご両親が暴動を起こしてないと確信しているし。いなくなったから探しているだけだよ。前に逃げたのも、ご両親の事があってだと思うけど、前にも言ったけど、それはそれ、これはこれだから」
 していないと確信しているという発言に、不思議そうなクリル

「……なぜ俺の親がしていないと分かるんだ?」
「君達のご両親は午前レクトというのは確認済み。けど、暴動が起こった時間は午後ラクト11時30分と分かっている。時間が違うから起こすのは不可能だからね」


「嫌な思いしてきたと思いますが、ここから一からやり直してみては?」
「メイナちゃんの為にも……」
 妹であるメイナの事を言われると、何も言えなくなる
「その暴動のせいで、俺達は……」

「まあ、誰かのせいにしないと、生きていけないんですよ。人間は。それに君のご両親、良い人たちだったそうですから余計に怪訝になったのかも……。会ったことはないけどね」

 泣きそうなのか、うつ向いて肩を震わせるクリル
「泣きますか?なら僕の胸をお使いなさいな」
 手を広げなぜか誇らしげな表情。それを見て泣きたい気持ちが一気に下がってく
「……迷惑だ」
 それでも、カノンの気遣いに嬉しくて、苦笑いするクリル。それを見て、カノンもほっとした様子

「多分、これからもご両親の事や、君達のこれからの事で話はたくさんあると思いますが、これかもよろしくね」
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