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5. 一大事な来店
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「……いらっしゃい」
カランと扉につけた鈴が鳴り、お店の奥にいた店主が面倒そうな声が響く。その声に少し怯えつつも店の中を見渡しながら、一歩お店の中に入る。ユイよりも先に、店の扉を開けて入っていたレレイアが声の主の店主を見つけ手を振った
「ググじぃ、久しぶり!」
「なんだレレイアか。ここは飯屋じゃないのによく来たな」
レレイアの姿を見るなり不満そうに白い長い髭を擦る。ググの様子に気にもとめず、スキップしながら側に来た
「私は飯屋に早く行きたいんだけどさ、ほら」
と、レレイアがまだ入り口の方にいるユイを指差す。ググが店の本棚に並んだ本を興味深げに見入るユイを見て、また白く長い髭をため息つきながら触った
「あの子は?」
「私が道端で拾った。魔力も魔術も奪われたらしい」
「そうか、それは一大事だな」
レレイアとググじぃがユイを見ながら話していると、二人の視線に気づいたユイが慌てて駆け寄る
「君の名前は?」
と、ググじぃから話しかけられ戸惑いレレイアを見た
「この人はググじぃっていうんだ。悪い人じゃないよ」
レレイアがググじぃを見ながらそう言うと、ユイもググじぃを見て恐る恐る名前を言った
「えっと、はじめまして。ユイって言います……」
「どこから来たんだ?」
「それがあまり覚えていなくて……」
「どんな魔術が得意だったとか魔力がどのくらいあったとかは?」
ググじぃの質問にゆっくりと顔を横に振り、しょんぼりと顔が少しうつ向くと、レレイアが自分の獣耳を触り尻尾をユラユラと揺らした
「でも、私みたいな奴は居なかったらしいぞ」
「うん。レレイアみたいな獣の耳をつけた人なんかどこにも居なかった気がします」
「そうか、それは本当に一大事だな」
二人の会話を聞いたググじぃがため息混じりにそう言うと、椅子から立ち上がり、近くにある本棚から分厚い本を一冊取り出し、険しい表情でパラパラとページをめくりはじめた。その様子を見て、ユイとレレイアが首をかしげ顔を見合わせていると、バタンと分厚い本を閉じたググじぃが二人がいる方に振り向いた
「君の知りたいことは今はここにはないよ。後日、レレイアの気が向いた時にでも、また来るといい」
カランと扉につけた鈴が鳴り、お店の奥にいた店主が面倒そうな声が響く。その声に少し怯えつつも店の中を見渡しながら、一歩お店の中に入る。ユイよりも先に、店の扉を開けて入っていたレレイアが声の主の店主を見つけ手を振った
「ググじぃ、久しぶり!」
「なんだレレイアか。ここは飯屋じゃないのによく来たな」
レレイアの姿を見るなり不満そうに白い長い髭を擦る。ググの様子に気にもとめず、スキップしながら側に来た
「私は飯屋に早く行きたいんだけどさ、ほら」
と、レレイアがまだ入り口の方にいるユイを指差す。ググが店の本棚に並んだ本を興味深げに見入るユイを見て、また白く長い髭をため息つきながら触った
「あの子は?」
「私が道端で拾った。魔力も魔術も奪われたらしい」
「そうか、それは一大事だな」
レレイアとググじぃがユイを見ながら話していると、二人の視線に気づいたユイが慌てて駆け寄る
「君の名前は?」
と、ググじぃから話しかけられ戸惑いレレイアを見た
「この人はググじぃっていうんだ。悪い人じゃないよ」
レレイアがググじぃを見ながらそう言うと、ユイもググじぃを見て恐る恐る名前を言った
「えっと、はじめまして。ユイって言います……」
「どこから来たんだ?」
「それがあまり覚えていなくて……」
「どんな魔術が得意だったとか魔力がどのくらいあったとかは?」
ググじぃの質問にゆっくりと顔を横に振り、しょんぼりと顔が少しうつ向くと、レレイアが自分の獣耳を触り尻尾をユラユラと揺らした
「でも、私みたいな奴は居なかったらしいぞ」
「うん。レレイアみたいな獣の耳をつけた人なんかどこにも居なかった気がします」
「そうか、それは本当に一大事だな」
二人の会話を聞いたググじぃがため息混じりにそう言うと、椅子から立ち上がり、近くにある本棚から分厚い本を一冊取り出し、険しい表情でパラパラとページをめくりはじめた。その様子を見て、ユイとレレイアが首をかしげ顔を見合わせていると、バタンと分厚い本を閉じたググじぃが二人がいる方に振り向いた
「君の知りたいことは今はここにはないよ。後日、レレイアの気が向いた時にでも、また来るといい」
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