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72. 暗闇を風が呼ぶ
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「ノエルさん、どこに行ったのかしら……」
その頃、ノエルを見失ったサクナが、空を飛びながらキョロキョロと辺りを見渡していた。だが、ノエルの姿はいくら探しても見当たらず、少し疲れたのかはぁ。とため息をついて立ち止まった
「この本で探せないのかしら……」
と、ずっと持っていた本を見つめ、グッと息を飲んだ
「生徒会長しか使えないというけど、確証がないものね」
そう言うと、本をそっと開いた。しばらく本を読んでいると、急に風が強く吹いてページが勝手にパラパラと開きだした。慌ててページを止めようとして、少し強めにページに触れてしまった。すると、急に風が止み、不穏な雰囲気が流れだし慌てて本をバタンと少し勢いつけて閉じ、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「急になに……」
と、呟いていると突然本がふわりと浮かびだし、本の周りに黒いもやが現れだした。その様子に慌てて本を取りぎゅっと強く抱きしめたサクナ。だが、更にその黒いもやは、更に速度を上げて増えはじめた
「二人とも、どこに行ったんだろ」
サクナもノエルも見失ったミコト達は、街中をトボトボと歩いていた
「ミコト、探す術とか使えないの?」
「さぁ。使えそうな感じもするけど……」
と、ナギの質問にミコトが困ったように返事をしていると、隣にいた女の人が空を見上げ指差した
「なにあれ、雲?」
「本当だ。雨が降るんじゃないか?」
「えー、でもおかしくない?」
と隣にいた女性との話し声がミコト達にも聞こえて、ふと指差す先を見ると、快晴の空には似合わない真っ黒な雲らしきものが浮かんでいた
「あれって……」
「サクナさんか、ノエルかも」
「二人とも、急いで近くまで行くよ」
と、ノアがそう言うと、その雲に向かって走り出し、ミコトとナギも慌てて人混みを避けながら後を追って走りだした
「ねえ、サクナさん、大丈夫?私の声、聞こえてる?」
その頃、ノエルも黒い雲を見つけ、真っ黒のもやの中、一人苦しそうに本を抱きしめるサクナに、少し呆れた様子で声をかけていた
「うーん話が出来ないのはちょっと困るかも……」
「ノエル!」
と、困ったように呟いていると後ろから大声で名前を呼ばれ振り向くと、ミコト達が少し不安定な動きながらノエルの隣まで飛んできた
「やっと来た。みんな遅いよ」
三人の姿を見てノエルがニコッと微笑むと、上手く立ち止まれずユラユラと体が揺れ動くミコトの体をぎゅっと抱きしめた
「サクナさん、どうしたの?」
と、恐る恐る真っ黒な中を覗き込みサクナを見つけたナギが問いかけると、ミコトとノアも中を見て驚いた顔をしてノエルに振り向き話しかけた
「ノエル何かしたの?」
「ううん、サクナさんが本の魔力に負けただけ。ただちょっと危ないかも」
「もしかして、あの本を使ったの?」
と、ノアが本を見つけてそう言うと、黒い雲がグンッと増えて、ミコト達に近寄る
「そうみたいだね、やっぱりサクナさんには似合わなかったんだよ。あの本は面倒だから」
ノアに返事をしながら暗い雲から少し逃げるノエルに戸惑いつつもミコト達も避けてると、ノエルがノアの側に来た
「ところで、ノア。そっちの学園の本持ってるでしょ?それでとりあえず、サクナさんを助けよう」
その頃、ノエルを見失ったサクナが、空を飛びながらキョロキョロと辺りを見渡していた。だが、ノエルの姿はいくら探しても見当たらず、少し疲れたのかはぁ。とため息をついて立ち止まった
「この本で探せないのかしら……」
と、ずっと持っていた本を見つめ、グッと息を飲んだ
「生徒会長しか使えないというけど、確証がないものね」
そう言うと、本をそっと開いた。しばらく本を読んでいると、急に風が強く吹いてページが勝手にパラパラと開きだした。慌ててページを止めようとして、少し強めにページに触れてしまった。すると、急に風が止み、不穏な雰囲気が流れだし慌てて本をバタンと少し勢いつけて閉じ、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「急になに……」
と、呟いていると突然本がふわりと浮かびだし、本の周りに黒いもやが現れだした。その様子に慌てて本を取りぎゅっと強く抱きしめたサクナ。だが、更にその黒いもやは、更に速度を上げて増えはじめた
「二人とも、どこに行ったんだろ」
サクナもノエルも見失ったミコト達は、街中をトボトボと歩いていた
「ミコト、探す術とか使えないの?」
「さぁ。使えそうな感じもするけど……」
と、ナギの質問にミコトが困ったように返事をしていると、隣にいた女の人が空を見上げ指差した
「なにあれ、雲?」
「本当だ。雨が降るんじゃないか?」
「えー、でもおかしくない?」
と隣にいた女性との話し声がミコト達にも聞こえて、ふと指差す先を見ると、快晴の空には似合わない真っ黒な雲らしきものが浮かんでいた
「あれって……」
「サクナさんか、ノエルかも」
「二人とも、急いで近くまで行くよ」
と、ノアがそう言うと、その雲に向かって走り出し、ミコトとナギも慌てて人混みを避けながら後を追って走りだした
「ねえ、サクナさん、大丈夫?私の声、聞こえてる?」
その頃、ノエルも黒い雲を見つけ、真っ黒のもやの中、一人苦しそうに本を抱きしめるサクナに、少し呆れた様子で声をかけていた
「うーん話が出来ないのはちょっと困るかも……」
「ノエル!」
と、困ったように呟いていると後ろから大声で名前を呼ばれ振り向くと、ミコト達が少し不安定な動きながらノエルの隣まで飛んできた
「やっと来た。みんな遅いよ」
三人の姿を見てノエルがニコッと微笑むと、上手く立ち止まれずユラユラと体が揺れ動くミコトの体をぎゅっと抱きしめた
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「ノエル何かしたの?」
「ううん、サクナさんが本の魔力に負けただけ。ただちょっと危ないかも」
「もしかして、あの本を使ったの?」
と、ノアが本を見つけてそう言うと、黒い雲がグンッと増えて、ミコト達に近寄る
「そうみたいだね、やっぱりサクナさんには似合わなかったんだよ。あの本は面倒だから」
ノアに返事をしながら暗い雲から少し逃げるノエルに戸惑いつつもミコト達も避けてると、ノエルがノアの側に来た
「ところで、ノア。そっちの学園の本持ってるでしょ?それでとりあえず、サクナさんを助けよう」
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