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96. 呼び止めても止められない
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「雨、止まないね……。ノア大丈夫かな……」
ノアとサクナが家から出ていった後、残ったナギとモナカがリビングの窓を開け、ベランダにある本を見つめていた
「寒くなってきたから、そろそろ部屋に入ろ」
と、ナギが窓を閉めようと立ち上がると、突然モナカがベランダへと飛び出した
「モナカ、風邪引くよ!」
驚いたナギが大声でモナカを呼ぶが、モナカは振り向くことなく、本へと向かっていく
「前来た時とあまり変わりはないように見えるけど……」
「生徒会長の本だけじゃなく、何か別の手がかりがあれば……」
その頃、学園に着いたノアとサクナは、生徒会長室に入りまた本棚を探っていた。前に見た時と変わらぬ本棚にノアが困ったように、はぁ。とため息ついた時、ガタンと扉の音が響いた
「あのー……」
と、恐る恐る声をかけながら生徒会長室に入ってきた複数の生徒に、ノアが少し驚いた顔をして持っていた本を本棚に戻した
「みんな、どうしてここに?」
「知り合い?」
「私達の学園の生徒達。なんでここに?」
サクナに返事をしながら、生徒達に近づくノア。
「生徒会長達を探してて……。ノアさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど……どうして?」
生徒達の問いかけにノアが不思議そうに答えると、生徒達が顔を見合わせ何やらヒソヒソと話しはじめた。その様子に、ノアとサクナも顔を見合わせ首をかしげていると、一人の生徒が頷いて、ふぅ。とため息をついた
「実はあの……」
と、ゆっくりと話しはじめると、その話しにまたノアとサクナが顔を見合わせながら聞き、一通り話を聞き終えると、サクナがふぅ。とため息をついた
「そう……消えてしまったと」
「ノエル達と一緒にいるのかもしれない。今すぐ不安になる必要はないと思うけど……」
「どんな本か分かるの?どんな術が書かれたとか」
「……それは」
ノアの質問に答えようとした時、またガタンと物音が聞こえ、生徒会長室にいた全員が音のした方に振り向くと、机の上に、さっきまでなかったはずの一冊の本が置かれていた
「生徒会長の本?本物?」
「まさか……。ノエルもいないのに」
サクナにそう返事をしながら、その本が置かれた机に近づいていくノア。一気に緊張感が溢れる生徒会長室にノアの足音が響く。すぐに机の前に着いて、本を見つめると、その本を取ろうとノアが手を伸ばした
「待って、危ないっ!」
と、慌てて呼び止めるサクナの声にも気にせず、本に触れたノア。それを見て、サクナが一瞬目を反らし、部屋の入り口で見ている生徒達もぎゅっと目を閉じて、ノアを見ないようにしていると、ふぅ。とノアのため息と声が生徒会長室に響いた
「大丈夫。それより、早くミコトの家に戻ろう。あの本と一緒に読んでみないと……」
ノアとサクナが家から出ていった後、残ったナギとモナカがリビングの窓を開け、ベランダにある本を見つめていた
「寒くなってきたから、そろそろ部屋に入ろ」
と、ナギが窓を閉めようと立ち上がると、突然モナカがベランダへと飛び出した
「モナカ、風邪引くよ!」
驚いたナギが大声でモナカを呼ぶが、モナカは振り向くことなく、本へと向かっていく
「前来た時とあまり変わりはないように見えるけど……」
「生徒会長の本だけじゃなく、何か別の手がかりがあれば……」
その頃、学園に着いたノアとサクナは、生徒会長室に入りまた本棚を探っていた。前に見た時と変わらぬ本棚にノアが困ったように、はぁ。とため息ついた時、ガタンと扉の音が響いた
「あのー……」
と、恐る恐る声をかけながら生徒会長室に入ってきた複数の生徒に、ノアが少し驚いた顔をして持っていた本を本棚に戻した
「みんな、どうしてここに?」
「知り合い?」
「私達の学園の生徒達。なんでここに?」
サクナに返事をしながら、生徒達に近づくノア。
「生徒会長達を探してて……。ノアさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど……どうして?」
生徒達の問いかけにノアが不思議そうに答えると、生徒達が顔を見合わせ何やらヒソヒソと話しはじめた。その様子に、ノアとサクナも顔を見合わせ首をかしげていると、一人の生徒が頷いて、ふぅ。とため息をついた
「実はあの……」
と、ゆっくりと話しはじめると、その話しにまたノアとサクナが顔を見合わせながら聞き、一通り話を聞き終えると、サクナがふぅ。とため息をついた
「そう……消えてしまったと」
「ノエル達と一緒にいるのかもしれない。今すぐ不安になる必要はないと思うけど……」
「どんな本か分かるの?どんな術が書かれたとか」
「……それは」
ノアの質問に答えようとした時、またガタンと物音が聞こえ、生徒会長室にいた全員が音のした方に振り向くと、机の上に、さっきまでなかったはずの一冊の本が置かれていた
「生徒会長の本?本物?」
「まさか……。ノエルもいないのに」
サクナにそう返事をしながら、その本が置かれた机に近づいていくノア。一気に緊張感が溢れる生徒会長室にノアの足音が響く。すぐに机の前に着いて、本を見つめると、その本を取ろうとノアが手を伸ばした
「待って、危ないっ!」
と、慌てて呼び止めるサクナの声にも気にせず、本に触れたノア。それを見て、サクナが一瞬目を反らし、部屋の入り口で見ている生徒達もぎゅっと目を閉じて、ノアを見ないようにしていると、ふぅ。とノアのため息と声が生徒会長室に響いた
「大丈夫。それより、早くミコトの家に戻ろう。あの本と一緒に読んでみないと……」
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