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12. 深呼吸して、本をつかんで
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「リリ」
ユイが名前を呼ぶと、リリの周りに光が現れ、眩い光が消えて現れたのは一冊の本。ユイの右手の上で、ふわふわ浮いている
「……本になったの?」
「そうよ。本に書いた魔術は使えるようになる。それは人それぞれ書いた魔術は違う。本を書けば書くほど魔力は上がってく」
アカリの問いかけに答えるユイ。パラパラと本をめくり、アカリに見せた
「私やアカリは、全てのページを埋めるのがお仕事なの」
「ヒカリさんも本になるの?」
ルカの質問にルカが頷き、ヒカリがアカリの手のひらの上にふわり浮く
「もちろん。本をイメージして名前を呼んでくれたら……」
ヒカリの言葉に、目を閉じて、再び夢での出来事を思い出す。
「本を……イメージ……」
忘れかけていた本の表紙を思いだして、小さく呟く
「……ヒカリ」
アカリの声に反応して、リリの時と同じように、光が溢れだす。眩い光が消えて現れたのは、夢に出てきた本と同じような本
「すごい!本当に本になった」
「じゃあ、本を開いてみて」
ユイに言われて、パラッと本を開く。夢で見た時と同じ、最後のページまで何も書かれていない真っ白な本
「何も書かれていない……」
ユイも横から本の中を確認して、何も書かれていないのを見ると、うーんと悩みだす。ルカもアカリと一緒に本をめくったりして様子を見ていると、ユイが何か閃いた表情になった
「それじゃあ本を調べるということで……空、飛んでみる?」
「あのー……本当にするんですか?」
部屋の窓から顔を出しているアカリ。ビクビクとしているアカリに対し、ユイは空に浮いて余裕の表情で、アカリの指導をしようとしていた
「大丈夫よ。落ち着いて、まずは空を飛ぶイメージして」
ユイに諭され目を閉じ、イメージするアカリ。ふぅ。と深呼吸する音が、部屋で見守るルカにも聞こえるほど緊張感が溢れている
「そして、本の紙に触れて……」
ユイの声にゆっくり目を開けて、本の一枚目のページにそっと右手の指を乗せると、夢の中とは違う文字が、うっすらと浮かび出てきた
「文字が……」
真っ白なページに現れた文字に驚いていると、突然グイッと体が引っ張られた
「え?」
驚いている間に体は浮いて、ユイの隣に着いた。勝手に動いていた体が止まって、ホッとした瞬間、また勝手に動きだした
「えー!」
右に左に上に下に、フラフラと落ち着きなく、あっちへこっちへと動き回るアカリ。本をぎゅっと抱き締めて、落ちないように踏んばっている
「えっ?アカリちゃん、大丈夫?」
アカリの大騒ぎする声に、ルカが窓から顔を出して心配そうに見ている
「ユイ、ちょっと助けてあげたほうが……」
「そう?二人とも楽しそうじゃない?」
隣でアカリを助けることなく見守るユイ。その間も制御できずに、あっちこっちと動き回っている
「アカリちゃん!」
ルカの叫ぶ声が聞こえたアカリが、ルカに向かって飛んでいく。ぶつかるギリギリで避けたルカの側を通り抜け、ベットに転がるように倒れこむ。慌ててルカがアカリに駆け寄り、揺らして起こそうとしても動かないアカリに慌てていると、ユイもアカリの側に駆け寄ってきた
「えっ?アカリちゃん……寝てるの?」
よくよくアカリを見ると目を閉じ、スースーと寝息が聞こえる。ユイがアカリの体を触り、どこか怪我したか確認しても特にそのような後もなく、ただ寝ている様子
「うーん、やっぱり寝ちゃったか」
「ヒカリ、本当にこの子なの?」
リリが話しかけると、枕の隣で倒れていたヒカリが本からぬいぐるみに変わって、ぐっすり眠るアカリを見てクスッと笑う
「もちろんよ。アカリは素敵な子だもの」
ユイが名前を呼ぶと、リリの周りに光が現れ、眩い光が消えて現れたのは一冊の本。ユイの右手の上で、ふわふわ浮いている
「……本になったの?」
「そうよ。本に書いた魔術は使えるようになる。それは人それぞれ書いた魔術は違う。本を書けば書くほど魔力は上がってく」
アカリの問いかけに答えるユイ。パラパラと本をめくり、アカリに見せた
「私やアカリは、全てのページを埋めるのがお仕事なの」
「ヒカリさんも本になるの?」
ルカの質問にルカが頷き、ヒカリがアカリの手のひらの上にふわり浮く
「もちろん。本をイメージして名前を呼んでくれたら……」
ヒカリの言葉に、目を閉じて、再び夢での出来事を思い出す。
「本を……イメージ……」
忘れかけていた本の表紙を思いだして、小さく呟く
「……ヒカリ」
アカリの声に反応して、リリの時と同じように、光が溢れだす。眩い光が消えて現れたのは、夢に出てきた本と同じような本
「すごい!本当に本になった」
「じゃあ、本を開いてみて」
ユイに言われて、パラッと本を開く。夢で見た時と同じ、最後のページまで何も書かれていない真っ白な本
「何も書かれていない……」
ユイも横から本の中を確認して、何も書かれていないのを見ると、うーんと悩みだす。ルカもアカリと一緒に本をめくったりして様子を見ていると、ユイが何か閃いた表情になった
「それじゃあ本を調べるということで……空、飛んでみる?」
「あのー……本当にするんですか?」
部屋の窓から顔を出しているアカリ。ビクビクとしているアカリに対し、ユイは空に浮いて余裕の表情で、アカリの指導をしようとしていた
「大丈夫よ。落ち着いて、まずは空を飛ぶイメージして」
ユイに諭され目を閉じ、イメージするアカリ。ふぅ。と深呼吸する音が、部屋で見守るルカにも聞こえるほど緊張感が溢れている
「そして、本の紙に触れて……」
ユイの声にゆっくり目を開けて、本の一枚目のページにそっと右手の指を乗せると、夢の中とは違う文字が、うっすらと浮かび出てきた
「文字が……」
真っ白なページに現れた文字に驚いていると、突然グイッと体が引っ張られた
「え?」
驚いている間に体は浮いて、ユイの隣に着いた。勝手に動いていた体が止まって、ホッとした瞬間、また勝手に動きだした
「えー!」
右に左に上に下に、フラフラと落ち着きなく、あっちへこっちへと動き回るアカリ。本をぎゅっと抱き締めて、落ちないように踏んばっている
「えっ?アカリちゃん、大丈夫?」
アカリの大騒ぎする声に、ルカが窓から顔を出して心配そうに見ている
「ユイ、ちょっと助けてあげたほうが……」
「そう?二人とも楽しそうじゃない?」
隣でアカリを助けることなく見守るユイ。その間も制御できずに、あっちこっちと動き回っている
「アカリちゃん!」
ルカの叫ぶ声が聞こえたアカリが、ルカに向かって飛んでいく。ぶつかるギリギリで避けたルカの側を通り抜け、ベットに転がるように倒れこむ。慌ててルカがアカリに駆け寄り、揺らして起こそうとしても動かないアカリに慌てていると、ユイもアカリの側に駆け寄ってきた
「えっ?アカリちゃん……寝てるの?」
よくよくアカリを見ると目を閉じ、スースーと寝息が聞こえる。ユイがアカリの体を触り、どこか怪我したか確認しても特にそのような後もなく、ただ寝ている様子
「うーん、やっぱり寝ちゃったか」
「ヒカリ、本当にこの子なの?」
リリが話しかけると、枕の隣で倒れていたヒカリが本からぬいぐるみに変わって、ぐっすり眠るアカリを見てクスッと笑う
「もちろんよ。アカリは素敵な子だもの」
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