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74.ここは、思い出が溢れる場所
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「こんなところに家があったなんてねー」
学校が休みの日、ユイ達と一緒に本棚のある場所から少し離れた道を、カグヤの道案内で歩いていく
「あまりこちらには来ないんですか?」
ユイに話しかけるルカ。振り返ることなく返事をする
「ここの辺はね。私なんかより、もっと魔力の強い人くらいしか来ないよ」
「じゃあ、スズさんは魔力が強かったんですか?」
「そうよ。小さい頃から本も何冊も書いていたし。それでも、ヒカリを書ききれなかったんだもの……」
今度はリリがルカの質問に答えながら、リリの前を進んでいるヒカリを見る。リリからの視線を感じつつも無視して歩いていくヒカリ。みんな無言になって歩いていく
「ここだ……」
本棚から少し離れた場所に、小さな一軒家。町並みからも離れて人々の声も聞こえない静かな場所にあったその家の中にカグヤが鍵を開けると、そーっと入っていくアカリ。ルカ達も恐る恐る家の中へと入っていく
「結構、綺麗だね。カグヤが掃除しているの?」
「いや、母がたまに来て管理をしているそうだ」
キッチンやリビングなどを見て回りながら、ユイとカグヤが話していると、ヒカリが奥にある部屋へと勝手に進んでいく
「ここ……懐かしいわね」
と、ヒカリが懐かしそうな声で部屋を開けた。そこは寝室なのか、ベットとタンスがある部屋。アカリやルカ達もかけつけて、先に部屋に入ったヒカリを追い部屋へと入っていく
「ここはスズの部屋ね。私も久々に来たわ」
リリがそう話していると、アカリが両手を前に出した
「アカリちゃん?」
ルカが不思議な様子でアカリを見ていると、ヒカリがアカリの手の上に乗ると、本に変わって新たにページを書きはじめた。戸惑うルカ達をよそに、ページを書き終えたアカリが、ふぅ。とため息ついた瞬間、ガチャと部屋の開く音が聞こえた
「えっ?……誰?」
突然現れた見知らぬ人物に驚くルカ。入ってきたその人物は、アカリ達に気づいていない様子で、パタパタと足音をたてて、ベットに飛び乗り、横になってうーんと背伸びをしている
「スズ……」
リリが呟いた名前に、驚くルカ達。ベットでゴロゴロしているスズにみんな目を向ける
「あの人がスズさん……」
ルカが名前を呼ぶと、ベットから飛び降りて、ヒカリと一緒にお喋りをしたり、本を読んだりしている。すると、コンコンと窓を叩き、二人を呼ぶ人影が現れた
「リリ……」
その人影に気づいたユイがポツリと呟いていると、ユイの横を通って窓を開けたスズ。部屋に招き入れられたリリは、一目散にヒカリのもとに駆け寄ると、怒った顔でヒカリに話しかけている
「ヒカリに怒ってる……」
話を聞かないふりをするヒカリとその態度に更に怒るリリ。そんな二人の様子を、スズが楽しそうに笑って見ている
「なんだか、今と変わらないような……」
とミナモがそう言うと、今度は少し背が伸び髪も長く伸びたスズが、ベットの前でヒカリに微笑んでいる。見つめあう二人。すると、スズが微笑みながらゆっくりと、ヒカリを残して消えてしまった。ヒカリも本になって、どこかへと消えてしまった
「いなくなった……」
ミナモが泣きそうな声で呟くと、本のままのヒカリを抱いてアカリがペタンと座り、疲れた顔をしてる
「あの……、カグヤさんの家族は、何も言わなかったんですか?ヒカリが誰も書き終えていないと知ってたんじゃ……」
アカリを支えながら、ルカがカグヤに話しかける
「本を書くという使命を果たしたんだ。文句も嘆きもない。曾祖母もその本を書き進めると願っていたそうだからな」
と、淡々と話すカグヤのそばでは、ユイの胸元でリリが泣いていた。ヒカリもずっと戻らずアカリに抱かれたまま。泣き止まないリリもユイに抱かれている。重い雰囲気の中、ユイがルカやミナモ達の顔を見て、か細い声で話はじめた
「アカリ、ルカ。もう帰ろう……。これ以上はヒカリのためにもリリのためにも……」
学校が休みの日、ユイ達と一緒に本棚のある場所から少し離れた道を、カグヤの道案内で歩いていく
「あまりこちらには来ないんですか?」
ユイに話しかけるルカ。振り返ることなく返事をする
「ここの辺はね。私なんかより、もっと魔力の強い人くらいしか来ないよ」
「じゃあ、スズさんは魔力が強かったんですか?」
「そうよ。小さい頃から本も何冊も書いていたし。それでも、ヒカリを書ききれなかったんだもの……」
今度はリリがルカの質問に答えながら、リリの前を進んでいるヒカリを見る。リリからの視線を感じつつも無視して歩いていくヒカリ。みんな無言になって歩いていく
「ここだ……」
本棚から少し離れた場所に、小さな一軒家。町並みからも離れて人々の声も聞こえない静かな場所にあったその家の中にカグヤが鍵を開けると、そーっと入っていくアカリ。ルカ達も恐る恐る家の中へと入っていく
「結構、綺麗だね。カグヤが掃除しているの?」
「いや、母がたまに来て管理をしているそうだ」
キッチンやリビングなどを見て回りながら、ユイとカグヤが話していると、ヒカリが奥にある部屋へと勝手に進んでいく
「ここ……懐かしいわね」
と、ヒカリが懐かしそうな声で部屋を開けた。そこは寝室なのか、ベットとタンスがある部屋。アカリやルカ達もかけつけて、先に部屋に入ったヒカリを追い部屋へと入っていく
「ここはスズの部屋ね。私も久々に来たわ」
リリがそう話していると、アカリが両手を前に出した
「アカリちゃん?」
ルカが不思議な様子でアカリを見ていると、ヒカリがアカリの手の上に乗ると、本に変わって新たにページを書きはじめた。戸惑うルカ達をよそに、ページを書き終えたアカリが、ふぅ。とため息ついた瞬間、ガチャと部屋の開く音が聞こえた
「えっ?……誰?」
突然現れた見知らぬ人物に驚くルカ。入ってきたその人物は、アカリ達に気づいていない様子で、パタパタと足音をたてて、ベットに飛び乗り、横になってうーんと背伸びをしている
「スズ……」
リリが呟いた名前に、驚くルカ達。ベットでゴロゴロしているスズにみんな目を向ける
「あの人がスズさん……」
ルカが名前を呼ぶと、ベットから飛び降りて、ヒカリと一緒にお喋りをしたり、本を読んだりしている。すると、コンコンと窓を叩き、二人を呼ぶ人影が現れた
「リリ……」
その人影に気づいたユイがポツリと呟いていると、ユイの横を通って窓を開けたスズ。部屋に招き入れられたリリは、一目散にヒカリのもとに駆け寄ると、怒った顔でヒカリに話しかけている
「ヒカリに怒ってる……」
話を聞かないふりをするヒカリとその態度に更に怒るリリ。そんな二人の様子を、スズが楽しそうに笑って見ている
「なんだか、今と変わらないような……」
とミナモがそう言うと、今度は少し背が伸び髪も長く伸びたスズが、ベットの前でヒカリに微笑んでいる。見つめあう二人。すると、スズが微笑みながらゆっくりと、ヒカリを残して消えてしまった。ヒカリも本になって、どこかへと消えてしまった
「いなくなった……」
ミナモが泣きそうな声で呟くと、本のままのヒカリを抱いてアカリがペタンと座り、疲れた顔をしてる
「あの……、カグヤさんの家族は、何も言わなかったんですか?ヒカリが誰も書き終えていないと知ってたんじゃ……」
アカリを支えながら、ルカがカグヤに話しかける
「本を書くという使命を果たしたんだ。文句も嘆きもない。曾祖母もその本を書き進めると願っていたそうだからな」
と、淡々と話すカグヤのそばでは、ユイの胸元でリリが泣いていた。ヒカリもずっと戻らずアカリに抱かれたまま。泣き止まないリリもユイに抱かれている。重い雰囲気の中、ユイがルカやミナモ達の顔を見て、か細い声で話はじめた
「アカリ、ルカ。もう帰ろう……。これ以上はヒカリのためにもリリのためにも……」
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