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82.内緒話は、願いのために
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「得意の魔法……でも、スズ一人の力じゃ止められない。それにもうすぐ、私も消える……もう戻れないわ」
スズから離れて、睨み叫ぶヒカリ。ヒカリの様子にスズはクスクスと笑っている
「残念。アカリちゃんを助けたい。大好きという思いは私たち以上にあの子が強いみたい」
「あの子……」
ヒカリが不思議そうな顔をしていると、スッとスズが指を指す。その指差した先には、アカリの側で泣いて本を見ているルカがいた
「ルカちゃんも、時の魔法が得意なの。そして、特に……」
「ルカ!ダメよ!その本を書いては……!」
ルナが後ろから抱きしめて、本を見ているルカを止めた。ルナの大声に、動けずにいたアカリが目を覚ました
「ルカちゃん……本持ってたの?」
ぼんやりと見える、ルカの前で浮いている本に気づいてルカを見ていると、アカリのいる場所から少し離れた場所から、騒がしい声が聞こえてくる
「リリ!帰ってきて!」
大声でリリの名前を呼んでいるユイの声が聞こえる。ユイが抱いて守っていたリリも、いつの間に姿が消えていた。泣き崩れるユイ達の様子をボーッと見るアカリ。ゆっくりと顔を動かしてヒカリを探す。本棚の前にいたヒカリに気づいて、力なく小声で話しかけた
「……ヒカリがリリさん達を消しちゃったの?私が本を書いたから……」
「そうよ。ありがとうアカリ。私の願い叶えてくれて……」
とアカリに話し微笑むと、本の姿に変わりパラパラとページをめくる。書き進めていたページは、もう最後のページになっていた。書くペースは大分遅なっていた。だが、それでも確実にヒカリは本を書き進めていく
「ヒカリも消えるの?ずっと一緒にいるって言ったのに……」
ページが書かれていく様子を、ぼんやりと見てるアカリが、力なく小さく呟いたアカリ。手を伸ばしてヒカリに触れようとしても力が入らず、少し手を上げただけで手を下ろした。そんなアカリにヒナタがぎゅっと強く抱きしめた
「大丈夫よ。アカリちゃん、ルカちゃん……」
ヒカリから離れてアカリ達の前に現れたスズ。微笑み現れたスズを見て、
「スズさん……どうして?」
「ヒカリが時を戻しているから、無理矢理、登場したの。それより、ちょっとお願いがあるの……」
と、アカリの耳元で何かを話しはじめたスズ。ぼんやりと聞いているアカリを、ただ見守るしかできないヒナタ。アカリに話し終えると今度は、本を見ていたルカの耳元でヒソヒソと話すスズ。話を聞いて、うんと一度頷くと、そっと本を受け取ろうと手を伸ばす
「ダメよ!ルカ!もし書けなかったら……」
「大丈夫だよ。お母さん」
隠していた本を見られたうえに、本に触れようとするルカに叫ぶルナ。そんなルナの不安を拭うように話し微笑むルカ。そして、まだ目の前に浮いていた本に触れて、ぎゅっと抱きしめる
「……サクラ」
呟くように本の名前を呼んだルカ。消えかけていた本が一瞬、姿を表し光に包まれて、本から少しずつ姿を変えていく
「はいはい!私、サクラと申します!ルカご主人様、お願い事はなんでしょうか?」
明るく元気な声で現れた本は、ヒカリによく似た姿のネコ。その姿と明るい声に一瞬、戸惑うルカ。だが、ニコニコと笑っているサクラにルカも微笑み、サクラを手招きして呼び寄せる
「あのね……」
ヒソヒソとサクラの耳元で話すルカ。うんうんと頷いて聞いて、うーんと悩みはじめるサクラ。二人の話が聞こえなかったルナが心配そうな表情をしている。そんなルナの顔を見たルカが微笑んでいると、サクラがうんうんと一人頷くとルカの前に来ると、また明るく元気な声でルカに話しかけた
「お願いは、ちょっと難しいかもしれない……。けど、まだ残っている、今まで書いたページ達も総動員で、力合わせて頑張って、サクラと一緒にお願いを叶えましょう!」
スズから離れて、睨み叫ぶヒカリ。ヒカリの様子にスズはクスクスと笑っている
「残念。アカリちゃんを助けたい。大好きという思いは私たち以上にあの子が強いみたい」
「あの子……」
ヒカリが不思議そうな顔をしていると、スッとスズが指を指す。その指差した先には、アカリの側で泣いて本を見ているルカがいた
「ルカちゃんも、時の魔法が得意なの。そして、特に……」
「ルカ!ダメよ!その本を書いては……!」
ルナが後ろから抱きしめて、本を見ているルカを止めた。ルナの大声に、動けずにいたアカリが目を覚ました
「ルカちゃん……本持ってたの?」
ぼんやりと見える、ルカの前で浮いている本に気づいてルカを見ていると、アカリのいる場所から少し離れた場所から、騒がしい声が聞こえてくる
「リリ!帰ってきて!」
大声でリリの名前を呼んでいるユイの声が聞こえる。ユイが抱いて守っていたリリも、いつの間に姿が消えていた。泣き崩れるユイ達の様子をボーッと見るアカリ。ゆっくりと顔を動かしてヒカリを探す。本棚の前にいたヒカリに気づいて、力なく小声で話しかけた
「……ヒカリがリリさん達を消しちゃったの?私が本を書いたから……」
「そうよ。ありがとうアカリ。私の願い叶えてくれて……」
とアカリに話し微笑むと、本の姿に変わりパラパラとページをめくる。書き進めていたページは、もう最後のページになっていた。書くペースは大分遅なっていた。だが、それでも確実にヒカリは本を書き進めていく
「ヒカリも消えるの?ずっと一緒にいるって言ったのに……」
ページが書かれていく様子を、ぼんやりと見てるアカリが、力なく小さく呟いたアカリ。手を伸ばしてヒカリに触れようとしても力が入らず、少し手を上げただけで手を下ろした。そんなアカリにヒナタがぎゅっと強く抱きしめた
「大丈夫よ。アカリちゃん、ルカちゃん……」
ヒカリから離れてアカリ達の前に現れたスズ。微笑み現れたスズを見て、
「スズさん……どうして?」
「ヒカリが時を戻しているから、無理矢理、登場したの。それより、ちょっとお願いがあるの……」
と、アカリの耳元で何かを話しはじめたスズ。ぼんやりと聞いているアカリを、ただ見守るしかできないヒナタ。アカリに話し終えると今度は、本を見ていたルカの耳元でヒソヒソと話すスズ。話を聞いて、うんと一度頷くと、そっと本を受け取ろうと手を伸ばす
「ダメよ!ルカ!もし書けなかったら……」
「大丈夫だよ。お母さん」
隠していた本を見られたうえに、本に触れようとするルカに叫ぶルナ。そんなルナの不安を拭うように話し微笑むルカ。そして、まだ目の前に浮いていた本に触れて、ぎゅっと抱きしめる
「……サクラ」
呟くように本の名前を呼んだルカ。消えかけていた本が一瞬、姿を表し光に包まれて、本から少しずつ姿を変えていく
「はいはい!私、サクラと申します!ルカご主人様、お願い事はなんでしょうか?」
明るく元気な声で現れた本は、ヒカリによく似た姿のネコ。その姿と明るい声に一瞬、戸惑うルカ。だが、ニコニコと笑っているサクラにルカも微笑み、サクラを手招きして呼び寄せる
「あのね……」
ヒソヒソとサクラの耳元で話すルカ。うんうんと頷いて聞いて、うーんと悩みはじめるサクラ。二人の話が聞こえなかったルナが心配そうな表情をしている。そんなルナの顔を見たルカが微笑んでいると、サクラがうんうんと一人頷くとルカの前に来ると、また明るく元気な声でルカに話しかけた
「お願いは、ちょっと難しいかもしれない……。けど、まだ残っている、今まで書いたページ達も総動員で、力合わせて頑張って、サクラと一緒にお願いを叶えましょう!」
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