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戦争と投機家
50 巾着くくり
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僕の聖下として即位式は無事に終った。
非公開で執り行われた教会内での即位式は、コンスタンティン教皇の心の友たちの熱い視線に晒されて、とても居心地の悪いものだった。
帰ったら足を良く洗おう。
そして、その後の一般信者へのお披露目は、きらびやかな法衣を身に纏い、教会の外で執り行われた。
勿論女装はしていない。
王都の住民は史上初となる聖下の誕生を祝ってくれており、こちらは気分の良いものであった。
ただ、夜は昼間の感触を忘れるために、婚約者たちにその感触を上書きしてもらう。
この日だけはいつもと違って優しくしてもらいました。
それにしても、最近女装させられてばかりいる。
このままでは、最期はクラッススのようになるかもしれないな。
クラッススはローマ三頭政治のカエサル・ポンペイウス・クラッススのうちの一人である。
ローマ最大の大富豪であり、パルティア王国との戦争に破れ捕虜となり、女装させられて街なかを引き回された挙げ句、溶けた黄金を口から流し込まれ死亡したという説もある人物だ。
女装されられ婚約者たちの黄金の液体を口に…………
いや、この話はやめておこう。
即位式から数日後には、僕宛にアンネリーゼから手紙が届いた。
内容は二人だけで会いたいというものだった。
何故会いたいのかは書いていない。
おそらく、取り巻きを次々と失ったので、その事についてではないかと思う。
間違っても愛の告白なんて事はないだろう。
それをブリュンヒルデに相談すると
「第一王子の婚約者と二人だけで会っては、不貞を疑われても仕方ありませんよ」
と言われてしまった。
「それでも相手の意図は確認したいからなあ」
「妥協案として、広い庭で会話の聞こえない距離に互いの護衛を置くというのがよろしいのでは?そんなところで睦み合うことも…………無くはないですわね。羞恥に泣くマクシミリアンの姿を警備の者たちに見せるのも悪くないかも」
ブリュンヒルデが暴走し始めた。
僕は絶対にそんなことしませんからね。
「妥協案で提案してみるよ」
「あの女の色香に惑わされないでくださいませ」
「大丈夫、かな?」
「そこは強く断言してください」
ブリュンヒルデが不機嫌になる。
僕が浮気をしたいわけではなく、男を手玉に取ってきた彼女なら、何かしらの秘策を持っているのではないかという予感がするのだ。
「ブリュンヒルデ、アンネリーゼの調査でなにか相手を従えるような能力を持っているとかは出てこなかったかな?うちのアルノルト兄上があんなにも情熱的に女性を好きになるなんて、今にして思えば違和感があるんだよね」
マクシミリアン少年の記憶を辿っても、アルノルトがそんなに女性に入れ込むのかなっていう疑問はある。
損得の計算も出来なくなるくらい、一人の女性に熱を上げるような人物ではなかったはずだ。
「光属性で癒やしの魔法には適正がありますわ。ただ、相手を魅了、隷属させるとなると闇属性になるかと。適性から考えればありえないですわね」
「だとすると、他に何があるんだろう?」
傾国と呼ばれた女性たちは魔法など使わずに色香で男を惑わせたらしいが、兄たちもコロッと手のひらの上で簡単に転がされたのだろうか?
現代でも夜のお店のお姉さんたちは、客を手玉に取って身上を潰すほど貢がせたりするからなあ。
投資家仲間でも毎月何百万とつぎ込んでいたのが何人もいた。
資産が10億円以上あるから問題無かったけど、結局みんな告白しても駄目だったんだよね。
フラレたショックでモルディブのコンドミニアム買って、半年くらい海外で引き籠もっていた奴もいたなあ。
懐かしい。
それにしても、女性に免疫が無いならわかるが、みんなそれなりに貴族としての教育を受けたはずだしなあ。
カール王子に至っては、王族なのでもっと厳しい教育を受けていそうだし。
ただ、王子がブリュンヒルデとの婚約を破棄してくれたおかげで、今こうして僕の隣にブリュンヒルデがいてくれる訳だが。
「アンネリーゼがどこかの国が送り込んだ間者なら、男の扱いの教育くらいは受けるか」
僕は大きく息をついた。
結局のところ、アンネリーゼが男を手玉に取る手段はわからない。
出たとこ勝負かな?
「マクシミリアンは女性に免疫が無いから、あの女と逢う前日は私たちの事を裏切らないように、体に刻み込みませんとね」
ブリュンヒルデに捕食されそうな視線を送られた。
今でも十分刻み込まれてると思うけどなあ。
背中の爪痕とか、物理的に。
アンネリーゼに逢うと返事を出して、相手の屋敷の庭でならという条件で返信が来た。
会談前日の夜には婚約者達が心配して、僕が浮気しないようにといつにも増して激しい愛が降り注いだ。
会談当日、場所はアンネリーゼの屋敷なのでそこに向かう。
護衛はルーカスとニクラウスだ。
あまり物々しい人数で行くと、一触即発のムードを作りかねないからね。
屋敷に到着すると庭に案内される。
丸テーブルに椅子が二つ。
天気が良いので特に屋根がなくても問題はない。
が、既に待っているアンネリーゼは傘の下にいた。
傍らには執事っぽい白髪の男性が立っている。
日焼け対策か。
こちらを見て笑みを浮かべるが、そこには愛らしさなどは全く無く、獲物を見つけた食物連鎖上位生物の獰猛な笑みだ。
真っ赤な口紅が血のように見える。
彼女は椅子に座ったまま、こちらに着席を促してきた。
頷いて椅子に着席する。
すると、男性がお茶を淹れてくれた。
そして、建物の方へと去っていった。
本当に二人きりだ。
「どうぞ、毒など入っておりませんよ。それに、神の奇跡があるのではないですか?」
「二度あるとは限りませんので」
お茶には手を付けないでおこう。
相手の手のうちがわからないのでね。
「それで、早速本題に入りたいと思いますが、アンネリーゼ様はどうして僕との会談を求めたのですか?」
「それはね…………」
アンネリーゼが僕を真っ直ぐに見てくる。
「マクシミリアン・フォン・ローエンシュタイン、私を愛しなさい」
そう言われた瞬間に、アンネリーゼから発せられた魔力が僕の体を駆け巡った気がした。
魔力は目に見えないから、それが正しいのかはわからない。
アンネリーゼはニコニコしながら
「さあ、私に愛の言葉を」
と言う。
何を言ってるのだろうか、彼女の事が理解できない。
実はかまってちゃんなのかな?
僕が戸惑っていると、彼女も戸惑いの色を見せた。
「どうしたの?早く言いなさいよ」
と急かすアンネリーゼ。
そんな彼女に僕は疑問をぶつけた。
「何故愛してもいないのに?」
それを聞いた彼女は驚きに目を見開く。
「まさか、抵抗したというの?今まで誰も抵抗なんて出来なかったのに」
それを聞いて確信した。
やはり彼女は魅了の魔法を使っていたのだ。
しかし、光の巫女と呼ばれ、光属性の魔法を使っていた彼女が、何故闇属性の魅了の魔法を使えるのだろうか?
ブリュンヒルデの調査でも光属性だったはずだ。
調査員が間違った可能性は低い。
「抵抗したつもりは無いよ」
そう言うと、アンネリーゼは少し考え込んだ。
「まさか、マクシミリアンというのは偽名?」
「いや、本名だけど」
「おかしいわね。魂に名前で呼びかけて魔法が完成するのに」
と種明かしをしてくれた。
魅了がかからなかったのは、僕の魂は前世からのもので、マクシミリアンの魂をこの体から押し出したからなのかもしれないな。
そうなると、マクシミリアンの子供の頃の記憶は、果たして誰のものなのだろうか?
謎が深まる。
が、今はそれを考えるよりも、アンネリーゼとの会談だ。
「それって、僕に話してもいいことだったの?」
本当かどうかわからないが、自分の魔法を種明かししても良い事などない。
だが、アンネリーゼは不敵に笑う。
「いいのよ。貴方を取り込めなければ私の負けよ。王子様一人じゃ何もできないわ。派閥も誰かさんのおかげで力を失ったし。それにしても、貴方を私のものにしたかったわ。器と魂の名前が違うなんてはじめてよ。小細工は無し。私の体を自由にして構わないから、ブリュンヒルデから乗り換えるつもりはない?」
「とんでもない。僕には素敵な婚約者が三人もいるからね。もう一人増えたら体がもたないし、じゃあ婚約者を捨ててとなると、三人と貴女が釣り合うとも思えない」
アンネリーゼはそれを聞いて、お茶に口をつける。
ティーカップを静かに置くと、ニコリとした。
「アルノルトとは違うのね。彼は私にゾッコンだったのよ」
「兄のことは痛いほどわかります。あそこまで愚かではないと思ってましたが、魅了の魔法でしたか」
アンネリーゼはティーカップの縁を人差し指でなぞりながら、フフっと笑った。
「私ね、二つの属性を持つ特異体質だったの。だから、光の属性を全面に出して魔法学園に入学したわ。そこで将来有力者になりそうな男を魅了しても、誰も魔法を疑わないって思ってたの。実際にバレてないしね。でも、魅了するだけで、その後の放火とかは彼らが元々心の中に持っていたものよ。信じてくれるかどうかわからないけど」
アンネリーゼは茶目っ気たっぷりにウインクしてみせた。
「まったく、貴方のせいで計画が台無しよ。せめてものお返しに、貴方を相場で凹ませてあげるわ」
「僕は相場で負けるのが悔しいから、勝つまでやるからね」
「それは楽しみね。歯ぎしりする貴方を見ることができないのは残念だけど」
その日はそこで会談を終えた。
そして翌日、アンネリーゼとカール王子が行方をくらませた。
駆け落ちである。
非公開で執り行われた教会内での即位式は、コンスタンティン教皇の心の友たちの熱い視線に晒されて、とても居心地の悪いものだった。
帰ったら足を良く洗おう。
そして、その後の一般信者へのお披露目は、きらびやかな法衣を身に纏い、教会の外で執り行われた。
勿論女装はしていない。
王都の住民は史上初となる聖下の誕生を祝ってくれており、こちらは気分の良いものであった。
ただ、夜は昼間の感触を忘れるために、婚約者たちにその感触を上書きしてもらう。
この日だけはいつもと違って優しくしてもらいました。
それにしても、最近女装させられてばかりいる。
このままでは、最期はクラッススのようになるかもしれないな。
クラッススはローマ三頭政治のカエサル・ポンペイウス・クラッススのうちの一人である。
ローマ最大の大富豪であり、パルティア王国との戦争に破れ捕虜となり、女装させられて街なかを引き回された挙げ句、溶けた黄金を口から流し込まれ死亡したという説もある人物だ。
女装されられ婚約者たちの黄金の液体を口に…………
いや、この話はやめておこう。
即位式から数日後には、僕宛にアンネリーゼから手紙が届いた。
内容は二人だけで会いたいというものだった。
何故会いたいのかは書いていない。
おそらく、取り巻きを次々と失ったので、その事についてではないかと思う。
間違っても愛の告白なんて事はないだろう。
それをブリュンヒルデに相談すると
「第一王子の婚約者と二人だけで会っては、不貞を疑われても仕方ありませんよ」
と言われてしまった。
「それでも相手の意図は確認したいからなあ」
「妥協案として、広い庭で会話の聞こえない距離に互いの護衛を置くというのがよろしいのでは?そんなところで睦み合うことも…………無くはないですわね。羞恥に泣くマクシミリアンの姿を警備の者たちに見せるのも悪くないかも」
ブリュンヒルデが暴走し始めた。
僕は絶対にそんなことしませんからね。
「妥協案で提案してみるよ」
「あの女の色香に惑わされないでくださいませ」
「大丈夫、かな?」
「そこは強く断言してください」
ブリュンヒルデが不機嫌になる。
僕が浮気をしたいわけではなく、男を手玉に取ってきた彼女なら、何かしらの秘策を持っているのではないかという予感がするのだ。
「ブリュンヒルデ、アンネリーゼの調査でなにか相手を従えるような能力を持っているとかは出てこなかったかな?うちのアルノルト兄上があんなにも情熱的に女性を好きになるなんて、今にして思えば違和感があるんだよね」
マクシミリアン少年の記憶を辿っても、アルノルトがそんなに女性に入れ込むのかなっていう疑問はある。
損得の計算も出来なくなるくらい、一人の女性に熱を上げるような人物ではなかったはずだ。
「光属性で癒やしの魔法には適正がありますわ。ただ、相手を魅了、隷属させるとなると闇属性になるかと。適性から考えればありえないですわね」
「だとすると、他に何があるんだろう?」
傾国と呼ばれた女性たちは魔法など使わずに色香で男を惑わせたらしいが、兄たちもコロッと手のひらの上で簡単に転がされたのだろうか?
現代でも夜のお店のお姉さんたちは、客を手玉に取って身上を潰すほど貢がせたりするからなあ。
投資家仲間でも毎月何百万とつぎ込んでいたのが何人もいた。
資産が10億円以上あるから問題無かったけど、結局みんな告白しても駄目だったんだよね。
フラレたショックでモルディブのコンドミニアム買って、半年くらい海外で引き籠もっていた奴もいたなあ。
懐かしい。
それにしても、女性に免疫が無いならわかるが、みんなそれなりに貴族としての教育を受けたはずだしなあ。
カール王子に至っては、王族なのでもっと厳しい教育を受けていそうだし。
ただ、王子がブリュンヒルデとの婚約を破棄してくれたおかげで、今こうして僕の隣にブリュンヒルデがいてくれる訳だが。
「アンネリーゼがどこかの国が送り込んだ間者なら、男の扱いの教育くらいは受けるか」
僕は大きく息をついた。
結局のところ、アンネリーゼが男を手玉に取る手段はわからない。
出たとこ勝負かな?
「マクシミリアンは女性に免疫が無いから、あの女と逢う前日は私たちの事を裏切らないように、体に刻み込みませんとね」
ブリュンヒルデに捕食されそうな視線を送られた。
今でも十分刻み込まれてると思うけどなあ。
背中の爪痕とか、物理的に。
アンネリーゼに逢うと返事を出して、相手の屋敷の庭でならという条件で返信が来た。
会談前日の夜には婚約者達が心配して、僕が浮気しないようにといつにも増して激しい愛が降り注いだ。
会談当日、場所はアンネリーゼの屋敷なのでそこに向かう。
護衛はルーカスとニクラウスだ。
あまり物々しい人数で行くと、一触即発のムードを作りかねないからね。
屋敷に到着すると庭に案内される。
丸テーブルに椅子が二つ。
天気が良いので特に屋根がなくても問題はない。
が、既に待っているアンネリーゼは傘の下にいた。
傍らには執事っぽい白髪の男性が立っている。
日焼け対策か。
こちらを見て笑みを浮かべるが、そこには愛らしさなどは全く無く、獲物を見つけた食物連鎖上位生物の獰猛な笑みだ。
真っ赤な口紅が血のように見える。
彼女は椅子に座ったまま、こちらに着席を促してきた。
頷いて椅子に着席する。
すると、男性がお茶を淹れてくれた。
そして、建物の方へと去っていった。
本当に二人きりだ。
「どうぞ、毒など入っておりませんよ。それに、神の奇跡があるのではないですか?」
「二度あるとは限りませんので」
お茶には手を付けないでおこう。
相手の手のうちがわからないのでね。
「それで、早速本題に入りたいと思いますが、アンネリーゼ様はどうして僕との会談を求めたのですか?」
「それはね…………」
アンネリーゼが僕を真っ直ぐに見てくる。
「マクシミリアン・フォン・ローエンシュタイン、私を愛しなさい」
そう言われた瞬間に、アンネリーゼから発せられた魔力が僕の体を駆け巡った気がした。
魔力は目に見えないから、それが正しいのかはわからない。
アンネリーゼはニコニコしながら
「さあ、私に愛の言葉を」
と言う。
何を言ってるのだろうか、彼女の事が理解できない。
実はかまってちゃんなのかな?
僕が戸惑っていると、彼女も戸惑いの色を見せた。
「どうしたの?早く言いなさいよ」
と急かすアンネリーゼ。
そんな彼女に僕は疑問をぶつけた。
「何故愛してもいないのに?」
それを聞いた彼女は驚きに目を見開く。
「まさか、抵抗したというの?今まで誰も抵抗なんて出来なかったのに」
それを聞いて確信した。
やはり彼女は魅了の魔法を使っていたのだ。
しかし、光の巫女と呼ばれ、光属性の魔法を使っていた彼女が、何故闇属性の魅了の魔法を使えるのだろうか?
ブリュンヒルデの調査でも光属性だったはずだ。
調査員が間違った可能性は低い。
「抵抗したつもりは無いよ」
そう言うと、アンネリーゼは少し考え込んだ。
「まさか、マクシミリアンというのは偽名?」
「いや、本名だけど」
「おかしいわね。魂に名前で呼びかけて魔法が完成するのに」
と種明かしをしてくれた。
魅了がかからなかったのは、僕の魂は前世からのもので、マクシミリアンの魂をこの体から押し出したからなのかもしれないな。
そうなると、マクシミリアンの子供の頃の記憶は、果たして誰のものなのだろうか?
謎が深まる。
が、今はそれを考えるよりも、アンネリーゼとの会談だ。
「それって、僕に話してもいいことだったの?」
本当かどうかわからないが、自分の魔法を種明かししても良い事などない。
だが、アンネリーゼは不敵に笑う。
「いいのよ。貴方を取り込めなければ私の負けよ。王子様一人じゃ何もできないわ。派閥も誰かさんのおかげで力を失ったし。それにしても、貴方を私のものにしたかったわ。器と魂の名前が違うなんてはじめてよ。小細工は無し。私の体を自由にして構わないから、ブリュンヒルデから乗り換えるつもりはない?」
「とんでもない。僕には素敵な婚約者が三人もいるからね。もう一人増えたら体がもたないし、じゃあ婚約者を捨ててとなると、三人と貴女が釣り合うとも思えない」
アンネリーゼはそれを聞いて、お茶に口をつける。
ティーカップを静かに置くと、ニコリとした。
「アルノルトとは違うのね。彼は私にゾッコンだったのよ」
「兄のことは痛いほどわかります。あそこまで愚かではないと思ってましたが、魅了の魔法でしたか」
アンネリーゼはティーカップの縁を人差し指でなぞりながら、フフっと笑った。
「私ね、二つの属性を持つ特異体質だったの。だから、光の属性を全面に出して魔法学園に入学したわ。そこで将来有力者になりそうな男を魅了しても、誰も魔法を疑わないって思ってたの。実際にバレてないしね。でも、魅了するだけで、その後の放火とかは彼らが元々心の中に持っていたものよ。信じてくれるかどうかわからないけど」
アンネリーゼは茶目っ気たっぷりにウインクしてみせた。
「まったく、貴方のせいで計画が台無しよ。せめてものお返しに、貴方を相場で凹ませてあげるわ」
「僕は相場で負けるのが悔しいから、勝つまでやるからね」
「それは楽しみね。歯ぎしりする貴方を見ることができないのは残念だけど」
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