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第66話 久しぶり生産時の再教育
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「アルト、相談に乗って欲しいの」
相談窓口に来たのはスターレットだ。
さて、今回はどんな相談なのだろうか。
「冒険者を引退した人がもう一度冒険者としてお金を稼ぎたいっていうの。かなりブランクがあるから心配で」
「久しぶりに冒険に出るというなら、昔の勘が鈍っている可能性もあるね」
久しぶり生産ってやつだな。
一度訓練をしてラインに投入した作業者が、何らかの理由でそのラインを長期間離れていた場合、ラインに戻しても昔のように作業ができないことがあるから、作業教育や観察をもう一度やりましょうという決まりがある。
会社によってその期間はバラバラだが、3ヶ月も離れていれば、再教育の必要があると思う。
新人についで不良を流出させるのは、こうした久しぶり生産作業者だったな。
「その話を詳しく教えてくれないか」
「ええ」
スターレットの話によると、冒険者の名前はフィリー。
青銅等級の冒険者で、結婚を機に引退。
旦那は冒険者を続けていたが、迷宮内で冒険中に死亡。
その時子供が一人いて、成人まで育て上げた後、その子が冒険者として活動。
結婚して女の子をもうけるが、夫婦揃って迷宮で死亡。
現在は孫の女の子と一緒に暮らし、今までの蓄えと用心棒や日雇いの仕事で生活していた。
今回お金が必要になったのは、孫娘が結婚するので、嫁入り道具を持たせてやりたいからという事らしい。
まあ、日雇いの仕事ではそうそうお金も貯まらなかったのだろうな。
「それにしても、良く今回相談してくれたね」
「だって、アルトがいつも変化点には注意しろって言っているじゃない。久しぶりに冒険者に戻るのも変化だと思ったのよ」
全くもってそのとおりだ。
俺はスターレットの言葉に感動した。
スターレットもわかってくれたか。
こうやって品質意識が徐々に浸透していけば、世の中からミスが少なくなっていく。
いい傾向だ。
「さて、どうやって昔の勘を取り戻させたらいいのかな」
久しぶり生産の作業者については、新人と同じ様に教育をして、ダブルチェックを行い問題がないのを確認すればよい。
冒険者にそれを適用するのであれば、シルビアに再教育をしてもらって、なおかつ一緒に迷宮に潜って冒険することで、ダブルチェックの代わりに出来るかな。
シルビアに再教育をお願いしてみることにした。
「元青銅等級の戦士って事ね。年齢的にはちょっと厳しいかも知れないけど、全く駄目ってわけでもないから、やれるだけやってみるわ」
シルビアはそう言って承諾してくれた。
これなら300キロのイカを購入して、新聞社で売り捌いた方がいいかもしれない。
イカも新聞社もここには無いけど。
孫娘の結婚式まで時間がないこともあり、スターレットがフィリーを説得して、すぐにシルビアによるかわいがり、いや再教育が始まった。
長年冒険者から離れていたこともあって、俺が見てもフィリーの動きはよくない。
だが、1時間、2時間と動くうちに、みるみる動きが良くなってきた。
シルビアの教え方がよいのか、フィリーの能力が良いのか判らないが、これなら明日には迷宮に潜っても問題ないだろう。
いきなりパーティーを組んでくれる冒険者もいないので、再教育の結果を確認するために、俺とシルビアが同行することになった。
後は、この話を持ってきたスターレットと運搬を担当するコンパーノだ。
コンパーノは無理やりだったが、それは今回人助けのためということで、シルビアの行った話し合いについては目をつぶろう。
辞書に載っている話し合いという意味とはかなり違うが。
「手っ取り早くマンドラゴラを毎日採取するわよ」
「はい」
シルビアの指示にフィリーが従う。
金銭効率を考えたらそれがいいな。
というか、ここでフィリーが馬車に轢かれるイベントは発生しないのかな?
中松警部の出番がないだろ。
「迷宮ウサギはすばしっこいから、重たい一撃よりも素早い攻撃で動きを止める」
「はい」
迷宮内でもシルビアの教育は続く。
マンドラゴラの群生地までの移動でも、厳しい教育が続いた。
元々は経験したことであるので、フィリーも同じことを二度言われる事はなく、やはり新人とは違うなと思ったものだ。
「ここがマンドラゴラの群生地よ。昔と違って、土が付いたままマンドラゴラを持ち帰る。そうすれば抜いた時に絶叫で死ぬこともないわ」
「わかりました」
そうそう、俺が発見した採取方法が最近広まってきたが、既に引退していたフィリーは知らないんだよな。
久しぶり生産でも、いなかった間に起きた過去トラの教育や、当時と変わった点を教育しないと、昔のルールで生産しちゃうんだよね。
結束バンドの締結向きとかさ。
そして一週間後。
「これで目標額が貯まりました」
冒険者ギルドの買い取りカウンターで、マンドラゴラの査定が終わり、報酬を受け取ったフィリーがそう言った。
予定よりもかなり早いが、それは俺とシルビアが気合いを入れて、他の素材も集めたからだな。
勿論、パーティーメンバーとして、報酬は均等割りしている。
そこまで甘くすると、他の冒険者から苦情が出るからね。
それから1ヶ月後、俺達はフィリーの孫娘の結婚式に呼ばれていた。
「――綺麗」
スターレットは感想を漏らす。
「あたしもいつかは花嫁衣装を着てみたいわね」
シルビアも花嫁衣装に見とれている。
「そんなP◯エンジェルの『同級●3』の発売日みたいなこと言っていると、結局はそんな機会は訪れなくなっちゃうぞ」
「アルト、言葉の意味はわからないけど、あなたを殴らなきゃいけないって事は理解できたわ」
その日、シルビアは機嫌が良かったのか、3発で許してもらえました。
品質管理レベル24
スキル
作業標準書
作業標準書(改)
硬度測定
三次元測定
重量測定
ノギス測定
輪郭測定
マクロ試験
塩水噴霧試験
振動試験
引張試験
電子顕微鏡
温度管理
レントゲン検査
蛍光X線分析
シックネスゲージ作成
ネジゲージ作成
ピンゲージ作成
ブロックゲージ作成
リングゲージ作成 new!
ゲージR&R
品質偽装
リコール
※作者の独り言
同級生3の発売を待ちわびていたのが20年前だなんて……
相談窓口に来たのはスターレットだ。
さて、今回はどんな相談なのだろうか。
「冒険者を引退した人がもう一度冒険者としてお金を稼ぎたいっていうの。かなりブランクがあるから心配で」
「久しぶりに冒険に出るというなら、昔の勘が鈍っている可能性もあるね」
久しぶり生産ってやつだな。
一度訓練をしてラインに投入した作業者が、何らかの理由でそのラインを長期間離れていた場合、ラインに戻しても昔のように作業ができないことがあるから、作業教育や観察をもう一度やりましょうという決まりがある。
会社によってその期間はバラバラだが、3ヶ月も離れていれば、再教育の必要があると思う。
新人についで不良を流出させるのは、こうした久しぶり生産作業者だったな。
「その話を詳しく教えてくれないか」
「ええ」
スターレットの話によると、冒険者の名前はフィリー。
青銅等級の冒険者で、結婚を機に引退。
旦那は冒険者を続けていたが、迷宮内で冒険中に死亡。
その時子供が一人いて、成人まで育て上げた後、その子が冒険者として活動。
結婚して女の子をもうけるが、夫婦揃って迷宮で死亡。
現在は孫の女の子と一緒に暮らし、今までの蓄えと用心棒や日雇いの仕事で生活していた。
今回お金が必要になったのは、孫娘が結婚するので、嫁入り道具を持たせてやりたいからという事らしい。
まあ、日雇いの仕事ではそうそうお金も貯まらなかったのだろうな。
「それにしても、良く今回相談してくれたね」
「だって、アルトがいつも変化点には注意しろって言っているじゃない。久しぶりに冒険者に戻るのも変化だと思ったのよ」
全くもってそのとおりだ。
俺はスターレットの言葉に感動した。
スターレットもわかってくれたか。
こうやって品質意識が徐々に浸透していけば、世の中からミスが少なくなっていく。
いい傾向だ。
「さて、どうやって昔の勘を取り戻させたらいいのかな」
久しぶり生産の作業者については、新人と同じ様に教育をして、ダブルチェックを行い問題がないのを確認すればよい。
冒険者にそれを適用するのであれば、シルビアに再教育をしてもらって、なおかつ一緒に迷宮に潜って冒険することで、ダブルチェックの代わりに出来るかな。
シルビアに再教育をお願いしてみることにした。
「元青銅等級の戦士って事ね。年齢的にはちょっと厳しいかも知れないけど、全く駄目ってわけでもないから、やれるだけやってみるわ」
シルビアはそう言って承諾してくれた。
これなら300キロのイカを購入して、新聞社で売り捌いた方がいいかもしれない。
イカも新聞社もここには無いけど。
孫娘の結婚式まで時間がないこともあり、スターレットがフィリーを説得して、すぐにシルビアによるかわいがり、いや再教育が始まった。
長年冒険者から離れていたこともあって、俺が見てもフィリーの動きはよくない。
だが、1時間、2時間と動くうちに、みるみる動きが良くなってきた。
シルビアの教え方がよいのか、フィリーの能力が良いのか判らないが、これなら明日には迷宮に潜っても問題ないだろう。
いきなりパーティーを組んでくれる冒険者もいないので、再教育の結果を確認するために、俺とシルビアが同行することになった。
後は、この話を持ってきたスターレットと運搬を担当するコンパーノだ。
コンパーノは無理やりだったが、それは今回人助けのためということで、シルビアの行った話し合いについては目をつぶろう。
辞書に載っている話し合いという意味とはかなり違うが。
「手っ取り早くマンドラゴラを毎日採取するわよ」
「はい」
シルビアの指示にフィリーが従う。
金銭効率を考えたらそれがいいな。
というか、ここでフィリーが馬車に轢かれるイベントは発生しないのかな?
中松警部の出番がないだろ。
「迷宮ウサギはすばしっこいから、重たい一撃よりも素早い攻撃で動きを止める」
「はい」
迷宮内でもシルビアの教育は続く。
マンドラゴラの群生地までの移動でも、厳しい教育が続いた。
元々は経験したことであるので、フィリーも同じことを二度言われる事はなく、やはり新人とは違うなと思ったものだ。
「ここがマンドラゴラの群生地よ。昔と違って、土が付いたままマンドラゴラを持ち帰る。そうすれば抜いた時に絶叫で死ぬこともないわ」
「わかりました」
そうそう、俺が発見した採取方法が最近広まってきたが、既に引退していたフィリーは知らないんだよな。
久しぶり生産でも、いなかった間に起きた過去トラの教育や、当時と変わった点を教育しないと、昔のルールで生産しちゃうんだよね。
結束バンドの締結向きとかさ。
そして一週間後。
「これで目標額が貯まりました」
冒険者ギルドの買い取りカウンターで、マンドラゴラの査定が終わり、報酬を受け取ったフィリーがそう言った。
予定よりもかなり早いが、それは俺とシルビアが気合いを入れて、他の素材も集めたからだな。
勿論、パーティーメンバーとして、報酬は均等割りしている。
そこまで甘くすると、他の冒険者から苦情が出るからね。
それから1ヶ月後、俺達はフィリーの孫娘の結婚式に呼ばれていた。
「――綺麗」
スターレットは感想を漏らす。
「あたしもいつかは花嫁衣装を着てみたいわね」
シルビアも花嫁衣装に見とれている。
「そんなP◯エンジェルの『同級●3』の発売日みたいなこと言っていると、結局はそんな機会は訪れなくなっちゃうぞ」
「アルト、言葉の意味はわからないけど、あなたを殴らなきゃいけないって事は理解できたわ」
その日、シルビアは機嫌が良かったのか、3発で許してもらえました。
品質管理レベル24
スキル
作業標準書
作業標準書(改)
硬度測定
三次元測定
重量測定
ノギス測定
輪郭測定
マクロ試験
塩水噴霧試験
振動試験
引張試験
電子顕微鏡
温度管理
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蛍光X線分析
シックネスゲージ作成
ネジゲージ作成
ピンゲージ作成
ブロックゲージ作成
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同級生3の発売を待ちわびていたのが20年前だなんて……
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