90 / 439
第89話 手直しからの二次被害
しおりを挟む
「ティーノに紹介して欲しい?」
俺の所に相談者が来ていた。
相談者の男を連れてきたのはスターレットだ。
相談者の名前はコロラド。
料理人になりたいという若者だ。
まさかスターレットの恋人か?
「そんなわけないじゃないですか」
思ったことがつい口に出てしまった。
そして速攻で否定された。
「俺にユーコンの経営する料亭を紹介して欲しいっていうのか?」
「いや、そっちじゃなくて、息子の方です」
肉屋の息子があそこに入りたくて生肉勝負をする話になるかと思ったが違ったか。
「どうしてティーノの店なんだ?他にも料理を出す店ならいくらでもあるだろう」
「私はステラの街にある色々なレストランを食べ歩きました。その中であそこが一番新しい料理にチャレンジしていて、ぜひ修行をしてみたいと思ったのです。おでんやホイコーローなんて普通考えつきませんよ。それに、聞けば冒険者ギルドの名物どら焼きだって奥さんのメガーヌが考えたんだとか。お二人の元でぜひ学びたいんです」
「二人の結婚にもアルトが関わっているんでしょ」
「あ、ああ。そうか……」
ごめん、発案者俺だわ。
料理ができないから、俺の手柄だと大声で言えないけどな。
聞けばコロラドのジョブは料理人ということで、単なる憧れだけというわけでもない。
「まあ、聞くだけ聞いてみようか」
そういうことで、三人そろってティーノの店に行く事になった。
時刻は14時。
昼の客を捌き終わって、夜の準備の前に一休みという時間だ。
この時間なら邪魔にはならないだろう。
「こんにちは」
「すません、昼はもう終わりましたよって、アルトか」
店に入ると、片づけをしているティーノがいた。
「食事をしに来たわけじゃないんだ。実はこのコロラドがこの店で修業をしたいというんだけど」
「コロラドです。宜しくお願い致します」
俺に横に並んで挨拶をするコロラド。
「修行かー」
ティーノは困った顔をする。
「あら、いいじゃないの」
奥から出てきたメガーヌは承諾してくれる。
「教えたことなんて無いから、ちゃんと教育できるか不安なんだよ」
「そんなもん、やり方を見せとけばいいのよ」
「そうか」
と夫婦の間で会話があり、早速明日から修行となった。
俺とスターレットはこれ以上いてもすることが無いので、コロラドを店に置いて先に帰る。
まあ、あとは本人の頑張り次第だな。
数日後、俺が相談窓口でコーヒーを飲んでいると、スターレットが暗い表情のコロラドを連れてやってきた。
「相談、いいかしら」
「スターレットか、相談ってコロラドの事?」
「ええ。さあ、コロラド話して」
「はい……」
そうしてコロラドの口から語られたのはリンゴの飾り切りの失敗だった。
「つまり、リンゴの飾り切りの出来が良く無くて、修正を指示されたんだけど、修正した個所は良くなったが、別の場所に違う傷をつけてしまったわけだね。そしてそれに気が付かづにお客様に提供してしまったと」
「はい」
よくある製品の手直しをしたら二次被害が出たという奴だな。
手直しした場所のみを確認して、全体を確認しなかったことで、手直し時につけた傷に気が付かずに、手直しとは別の不良を流出させてしまうのだ。
「じゃあ、聞き取りを今から始めるから、正直に答えて欲しい。その傷は手直し時についたのかい?」
「はい。最初に飾り切りをしたときに確認をしていますから間違いありません」
「手直し時についた傷は、見ればわかったのかい?」
「はい。誰が見ても売り物にはならない傷でしたので」
「なんで手直しした場所以外を見なかったの?」
「指摘されて修正したところだけ見れば十分だと思っていました。まさか、包丁の刃が別の場所に当たっているとは思ってもいなかったので」
「成程ね」
やはり、手直しした後に全体を確認していれば防げただろう。
工場であれば、一度ラインアウトして手直しした製品は、検査工程に再投入する。
手直しした作業者は、自分の作業に対して判断が甘くなるし、今回のように修正箇所以外を見ない事があるからだ。
検査工程であれば、通常どおりの検査が行われるので、今回のような修正箇所以外の傷も見つけることができる。
少人数の職場だと、検査工程に戻すのは難しいが、その時でも全体の確認はしなくてはならない。
ティーノの店でも検査工程にという訳にはいかないが、コロラドが自分の作業後に確認するようにすれば、同様の不具合は防げるだろう。
とコロラドには対策を教えた。
「それでね、コロラドったらティーノがお客さんに頭を下げるのを見て逃げ出しちゃったのよ」
「自分のミスで師匠に頭を下げさせたのですから、もうあそこで修業させてもらえなくなったと思いまして」
うーん、意外と神経が細いようだな。
ミスするたびに逃げ出していたら何も出来ないぞ。
今回も、ティーノが追い出すなら仕方ないが、自分から出てきてしまったのでは、今後が心配だ。
ミスしないならそもそも修行の必要もないだろうしね。
どうしたものかと考えていたら、冒険者ギルドのドアが開いた。
そちらを見ると
「ティーノ」
「師匠……」
息を切らしたティーノが入ってきた。
「なんだ、ここにいたのか。探しても見つからないから、冒険者ギルドに捜索依頼をしようと思ったんだけど」
ティーノがそういう。
「ティーノに頭を下げさせてしまったから、もうあの店にはいられないってここに来たんだよ」
「なんだ、そんなことか。俺は指導者として監督責任があるのに、確認もしないでお客様に提供してしまったのは俺が悪い。さあ店に戻って飾り切りを指導するから来い」
そういって強引にコロラドの腕を引っ張る。
「馘じゃないんですか?」
慌ててコロラドがティーノに訊く。
「一回のミスで馘にしていたら、人なんか雇えないだろ。ましてや修行中の身だ。失敗しなくなってから店から追い出すよ」
そう言ってコロラドを連れて行ってしまった。
「一件落着ね」
残されたスターレットが俺に言う。
「今回俺いらなかったよね」
「コロラドの弟にバットで襲われなかっただけよかったじゃない」
そんな話ありましたね。
生肉勝負だったら危なかったな。
わざと馬刺しを出すところでしたよ。
俺の所に相談者が来ていた。
相談者の男を連れてきたのはスターレットだ。
相談者の名前はコロラド。
料理人になりたいという若者だ。
まさかスターレットの恋人か?
「そんなわけないじゃないですか」
思ったことがつい口に出てしまった。
そして速攻で否定された。
「俺にユーコンの経営する料亭を紹介して欲しいっていうのか?」
「いや、そっちじゃなくて、息子の方です」
肉屋の息子があそこに入りたくて生肉勝負をする話になるかと思ったが違ったか。
「どうしてティーノの店なんだ?他にも料理を出す店ならいくらでもあるだろう」
「私はステラの街にある色々なレストランを食べ歩きました。その中であそこが一番新しい料理にチャレンジしていて、ぜひ修行をしてみたいと思ったのです。おでんやホイコーローなんて普通考えつきませんよ。それに、聞けば冒険者ギルドの名物どら焼きだって奥さんのメガーヌが考えたんだとか。お二人の元でぜひ学びたいんです」
「二人の結婚にもアルトが関わっているんでしょ」
「あ、ああ。そうか……」
ごめん、発案者俺だわ。
料理ができないから、俺の手柄だと大声で言えないけどな。
聞けばコロラドのジョブは料理人ということで、単なる憧れだけというわけでもない。
「まあ、聞くだけ聞いてみようか」
そういうことで、三人そろってティーノの店に行く事になった。
時刻は14時。
昼の客を捌き終わって、夜の準備の前に一休みという時間だ。
この時間なら邪魔にはならないだろう。
「こんにちは」
「すません、昼はもう終わりましたよって、アルトか」
店に入ると、片づけをしているティーノがいた。
「食事をしに来たわけじゃないんだ。実はこのコロラドがこの店で修業をしたいというんだけど」
「コロラドです。宜しくお願い致します」
俺に横に並んで挨拶をするコロラド。
「修行かー」
ティーノは困った顔をする。
「あら、いいじゃないの」
奥から出てきたメガーヌは承諾してくれる。
「教えたことなんて無いから、ちゃんと教育できるか不安なんだよ」
「そんなもん、やり方を見せとけばいいのよ」
「そうか」
と夫婦の間で会話があり、早速明日から修行となった。
俺とスターレットはこれ以上いてもすることが無いので、コロラドを店に置いて先に帰る。
まあ、あとは本人の頑張り次第だな。
数日後、俺が相談窓口でコーヒーを飲んでいると、スターレットが暗い表情のコロラドを連れてやってきた。
「相談、いいかしら」
「スターレットか、相談ってコロラドの事?」
「ええ。さあ、コロラド話して」
「はい……」
そうしてコロラドの口から語られたのはリンゴの飾り切りの失敗だった。
「つまり、リンゴの飾り切りの出来が良く無くて、修正を指示されたんだけど、修正した個所は良くなったが、別の場所に違う傷をつけてしまったわけだね。そしてそれに気が付かづにお客様に提供してしまったと」
「はい」
よくある製品の手直しをしたら二次被害が出たという奴だな。
手直しした場所のみを確認して、全体を確認しなかったことで、手直し時につけた傷に気が付かずに、手直しとは別の不良を流出させてしまうのだ。
「じゃあ、聞き取りを今から始めるから、正直に答えて欲しい。その傷は手直し時についたのかい?」
「はい。最初に飾り切りをしたときに確認をしていますから間違いありません」
「手直し時についた傷は、見ればわかったのかい?」
「はい。誰が見ても売り物にはならない傷でしたので」
「なんで手直しした場所以外を見なかったの?」
「指摘されて修正したところだけ見れば十分だと思っていました。まさか、包丁の刃が別の場所に当たっているとは思ってもいなかったので」
「成程ね」
やはり、手直しした後に全体を確認していれば防げただろう。
工場であれば、一度ラインアウトして手直しした製品は、検査工程に再投入する。
手直しした作業者は、自分の作業に対して判断が甘くなるし、今回のように修正箇所以外を見ない事があるからだ。
検査工程であれば、通常どおりの検査が行われるので、今回のような修正箇所以外の傷も見つけることができる。
少人数の職場だと、検査工程に戻すのは難しいが、その時でも全体の確認はしなくてはならない。
ティーノの店でも検査工程にという訳にはいかないが、コロラドが自分の作業後に確認するようにすれば、同様の不具合は防げるだろう。
とコロラドには対策を教えた。
「それでね、コロラドったらティーノがお客さんに頭を下げるのを見て逃げ出しちゃったのよ」
「自分のミスで師匠に頭を下げさせたのですから、もうあそこで修業させてもらえなくなったと思いまして」
うーん、意外と神経が細いようだな。
ミスするたびに逃げ出していたら何も出来ないぞ。
今回も、ティーノが追い出すなら仕方ないが、自分から出てきてしまったのでは、今後が心配だ。
ミスしないならそもそも修行の必要もないだろうしね。
どうしたものかと考えていたら、冒険者ギルドのドアが開いた。
そちらを見ると
「ティーノ」
「師匠……」
息を切らしたティーノが入ってきた。
「なんだ、ここにいたのか。探しても見つからないから、冒険者ギルドに捜索依頼をしようと思ったんだけど」
ティーノがそういう。
「ティーノに頭を下げさせてしまったから、もうあの店にはいられないってここに来たんだよ」
「なんだ、そんなことか。俺は指導者として監督責任があるのに、確認もしないでお客様に提供してしまったのは俺が悪い。さあ店に戻って飾り切りを指導するから来い」
そういって強引にコロラドの腕を引っ張る。
「馘じゃないんですか?」
慌ててコロラドがティーノに訊く。
「一回のミスで馘にしていたら、人なんか雇えないだろ。ましてや修行中の身だ。失敗しなくなってから店から追い出すよ」
そう言ってコロラドを連れて行ってしまった。
「一件落着ね」
残されたスターレットが俺に言う。
「今回俺いらなかったよね」
「コロラドの弟にバットで襲われなかっただけよかったじゃない」
そんな話ありましたね。
生肉勝負だったら危なかったな。
わざと馬刺しを出すところでしたよ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
ファンタジー
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる