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第204話 生産数が減ると不具合も減るけどPPM管理だと悪化するよね
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客先に不具合品が流出してしまいましたが、客先の設計の不備を見つけて、ごねてみたら不具合納入のカウントをしないことになりました。
最初からこちらが悪いと決めてかかっていた相手は、振り上げた拳の落とし処を失ってしまい、こちらの主張をただただ受け入れるだけ。
ところが、翌日に同じ製品で別の不具合を流出させてしまいました。
こちらは言い訳のしようもない、完璧な弊社の落ち度。
昨日の仇とばかりに、きつい対応になってしまいました。
何事もやりすぎはよくないですね。
対策書の提出日程に土日を加算するのは微妙な嫌がらせですよね。
それでは本編いってみましょう。
最近は冒険者ギルドの中がすいている。
閑古鳥がなくとまでは行かないのは、商人の護衛任務がいまだに多くあるためである。
だが、それらは一日では終わらないため、ステラをホームとしている冒険者達の姿は、迷宮の探索がメインだった頃と比較すると、段違いなのは一目瞭然だ。
「最近全然活気がないわね」
食後のコーヒーを自分の席で飲んでいると、そこにやって来たのはスターレットだ。
俺はカップを傾けるのをやめ、机の上に優しく置くと、スターレットの顔を見た。
「最近は素材集め以外に護衛の仕事でも、冒険者を雇うのに人がいなくて大変みたいだね。何かあったの?」
俺はなんとなく嫌な予感がしたが、それを飲み込んで、理由を訊ねた。
スターレットは呆れたような表情を見せるが、やがて、俺が本当に理由を知らないのだとわかり、横丁のご隠居が熊さんに教えて聞かせるような口ぶりで理由を教えてくれた。
「アルトが作ったサッカーが、他の都市でも流行り始めたのよ」
「そうか。あれは人を魅了する要素がつまっているからな。でも、それと冒険者が少ないのになんの関係があるんだ?」
「冒険者を選手として雇う貴族が増えてきたのよ。ステラはサッカー発祥の地で、最初に試合を行ったチームのメンバーが、他の冒険者にサッカーを教えていたでしょ。発祥の地のプレイヤーなら技術力が高いって思われているのよね。だから、高額で雇ってもらえるのよ。危険な冒険をするよりも、サッカーのプレイヤーとして稼ぐ方が安全で確実なのよ」
スターレットは最後に、自分もサッカーの選手として雇ってもらいたいと付け加えた。
冒険者が少ないのはそんな理由だったのか。
目から鱗が落ちる思いがした。
落ちた鱗は再利用禁止で、赤箱行きですよ、もちろん。
更に話を聞くと、プリオラはお金をとってサッカースクールを開いているとか。
サッカー選手を目指す冒険者や子供達を指導しているので、冒険者は冒険する暇がないというのだ。
冒険者が安定志向になってどうすると言いたいが、サッカー選手が安定かといわれるとそうでもないか。
「冒険者がいないから、相談もないでしょ?」
スターレットが上目遣いで聞いてくる。
こういうときは何かしらのお願いがあるのだが。
「そうだね。ここ最近はなにもない。買取部門の連中が、一緒に迷宮に潜ろうかって誘いに来る程度には暇だよ」
「それなら手伝ってもらいたいことがあるんだけど」
ほらきた。
さて、どんなお願いだろうか。
「リフティングをするから、回数をカウントしてもらいたいの」
スターレットのお願いは、サッカーの練習の付き合いだった。
リフティングの回数が多くできると、選手として雇ってもらえる確率が高くなるんだとか。
顔面ブロックやスカイラブハリケーンじゃなくてよかったです。
しごきの今野と呼ばれた実力を遺憾なく発揮してもよかったのだが、昭和のスポ根はコンプライアンス的に問題があるので自重した。
※作者の独り言
新型コロナウイルスの影響で、生産数が減少しており、品質管理の仕事も減ってきました。
それでもゼロにはならないのですが。
PPM管理だとむしろ悪化して、評価が下がる結果に。
定時割れしてるのなら、ダブルチェックでもすればいいのに。
まあ、現在の一番の懸念事項は、品質問題ではなく、買い占めによってトイレットペーパーが入手できず、会社で便意を催したらどうしようかというのもですね。
ウエスでおしりを拭いたらいいんじゃないかって意見が一番人気です。
シャワー付きトイレが完備ではないので、困った困った。
会社を休みにしちゃえばいいのに。
決算期でそうもいかないか。
最初からこちらが悪いと決めてかかっていた相手は、振り上げた拳の落とし処を失ってしまい、こちらの主張をただただ受け入れるだけ。
ところが、翌日に同じ製品で別の不具合を流出させてしまいました。
こちらは言い訳のしようもない、完璧な弊社の落ち度。
昨日の仇とばかりに、きつい対応になってしまいました。
何事もやりすぎはよくないですね。
対策書の提出日程に土日を加算するのは微妙な嫌がらせですよね。
それでは本編いってみましょう。
最近は冒険者ギルドの中がすいている。
閑古鳥がなくとまでは行かないのは、商人の護衛任務がいまだに多くあるためである。
だが、それらは一日では終わらないため、ステラをホームとしている冒険者達の姿は、迷宮の探索がメインだった頃と比較すると、段違いなのは一目瞭然だ。
「最近全然活気がないわね」
食後のコーヒーを自分の席で飲んでいると、そこにやって来たのはスターレットだ。
俺はカップを傾けるのをやめ、机の上に優しく置くと、スターレットの顔を見た。
「最近は素材集め以外に護衛の仕事でも、冒険者を雇うのに人がいなくて大変みたいだね。何かあったの?」
俺はなんとなく嫌な予感がしたが、それを飲み込んで、理由を訊ねた。
スターレットは呆れたような表情を見せるが、やがて、俺が本当に理由を知らないのだとわかり、横丁のご隠居が熊さんに教えて聞かせるような口ぶりで理由を教えてくれた。
「アルトが作ったサッカーが、他の都市でも流行り始めたのよ」
「そうか。あれは人を魅了する要素がつまっているからな。でも、それと冒険者が少ないのになんの関係があるんだ?」
「冒険者を選手として雇う貴族が増えてきたのよ。ステラはサッカー発祥の地で、最初に試合を行ったチームのメンバーが、他の冒険者にサッカーを教えていたでしょ。発祥の地のプレイヤーなら技術力が高いって思われているのよね。だから、高額で雇ってもらえるのよ。危険な冒険をするよりも、サッカーのプレイヤーとして稼ぐ方が安全で確実なのよ」
スターレットは最後に、自分もサッカーの選手として雇ってもらいたいと付け加えた。
冒険者が少ないのはそんな理由だったのか。
目から鱗が落ちる思いがした。
落ちた鱗は再利用禁止で、赤箱行きですよ、もちろん。
更に話を聞くと、プリオラはお金をとってサッカースクールを開いているとか。
サッカー選手を目指す冒険者や子供達を指導しているので、冒険者は冒険する暇がないというのだ。
冒険者が安定志向になってどうすると言いたいが、サッカー選手が安定かといわれるとそうでもないか。
「冒険者がいないから、相談もないでしょ?」
スターレットが上目遣いで聞いてくる。
こういうときは何かしらのお願いがあるのだが。
「そうだね。ここ最近はなにもない。買取部門の連中が、一緒に迷宮に潜ろうかって誘いに来る程度には暇だよ」
「それなら手伝ってもらいたいことがあるんだけど」
ほらきた。
さて、どんなお願いだろうか。
「リフティングをするから、回数をカウントしてもらいたいの」
スターレットのお願いは、サッカーの練習の付き合いだった。
リフティングの回数が多くできると、選手として雇ってもらえる確率が高くなるんだとか。
顔面ブロックやスカイラブハリケーンじゃなくてよかったです。
しごきの今野と呼ばれた実力を遺憾なく発揮してもよかったのだが、昭和のスポ根はコンプライアンス的に問題があるので自重した。
※作者の独り言
新型コロナウイルスの影響で、生産数が減少しており、品質管理の仕事も減ってきました。
それでもゼロにはならないのですが。
PPM管理だとむしろ悪化して、評価が下がる結果に。
定時割れしてるのなら、ダブルチェックでもすればいいのに。
まあ、現在の一番の懸念事項は、品質問題ではなく、買い占めによってトイレットペーパーが入手できず、会社で便意を催したらどうしようかというのもですね。
ウエスでおしりを拭いたらいいんじゃないかって意見が一番人気です。
シャワー付きトイレが完備ではないので、困った困った。
会社を休みにしちゃえばいいのに。
決算期でそうもいかないか。
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