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第238話 無茶なVAしやがって
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最近ネットでエゴサーチをしていると、マスクの品質につてい皆さん意見がおありなのを見かけます。
その中でも品質管理に一家言を持った方の勇ましい発言が心に刺さります。
メイドインジャパン凄いですね。
弊社多分日本じゃない。
それでは今回も、
「見に行きますよ、焼け野原を。品質第一主義のね」
俺は今オーリスの冒険者ギルドの厨房にいる。
この前のニンニクチャーハンニンニク抜きの対策が定着したのか確認をしているのだ。
味見は料理人が太るから、代わりにウエイトレスが行っている。
まあそれでもいいか。
決められたことをきちんと守っているようで、あのあと同じ不具合は発生していないというので、対策の効果はあったといえるだろう。
「それにしても……」
俺はちらりと食堂を見る。
なんだかとても混雑してるな。
「なあオーリス」
「なんでしょう?」
俺はオーリスに訊きたいことがあった。
「今日は食堂が凄く混んでいるようだが」
「そうですわね。たまたまでしょうけど」
オーリスはすました声で答える。
なんだか後ろめたい事でもあるのかな?
「俺が温度管理スキルで食堂を冷やしているのをみんなしっているんじゃないかな?」
そう、オーリスに頼まれて食堂を快適な温度にしているのだ。
夏の陽射しが降り注ぐ外の気温とは大違いである。
冒険者ではない行商人みたいのも何人かいるな。
冒険者ギルドに依頼でも出しに来たにしては、ずっと食堂に居座っている気もする。
食事も終わって、器も片付けられているというのに動く気配がない。
どうみても、この温度から離れたくないのだろう。
「これだけ涼しければ、人が集まってくるのも当然ですわ」
オーリスは当然だというが、それにしてはみんなずっと待っていた気がするんだよな。
俺が来る前からいるし。
それに、俺が馬車から降りる時に、何故かオーリスに目隠しをされたのだ。
何事かのサプライズがあるのかと期待したのだが、冒険者ギルドの中に入ると目隠しを取られ、普通に厨房に案内されたのだ。
何故目隠しを?
「目隠しするときに、チラッと看板が見えたのだが『本日食堂を涼しくする魔法使います』って書いてあったように見えたのだが」
「チッ」
俺の指摘に小さな舌打ちが聞こえた。
なんだろう、どこかに姿を消す魔法を使った暗殺者でも潜んでいるのかな?
「まったく、人のスキルを商売に使うなら一言言ってくれたらいいのに……」
やれやれと俺はため息をつき、出してもらっていたコーヒーを飲む。
「慣れちゃったの、無償で人を使う事にも、イベントで呼び込む事にも。それに看板さえ見せなければ」
彼女は言った。
「ねえ」
俺はコーヒーカップをテーブルに置くと首を横に振った。
「一生そんな風に生きていくつもり?」
「ごめんなさい」
そう言って彼女は外へと走る。
結局のところ、彼女は俺の話を聞くつもりはなかった。
いつから彼女はこうなってしまったのだろうか?
あれ?
どこかで見たな、こんなやつ。
逃げたオーリスを捕まえ、ニンニクチャーハンをおごってもらう事で赦した。
姑息な事をしないで、最初から言ってくれたらよかったのに。
俺も暑いのは苦手だから、スキルを使うのは吝かではないからね。
俺がオーリスとニンニクチャーハンを食べていると声をかけてきた男がいた。
「アルトじゃないか」
「何だカイエンか」
そう、永遠の初心者ことカイエンであった。
他にはナイトロとカンチルもいる。
「よかった、これから相談に行こうと思ったんだ。ちょっと話を聞いてくれるか」
カイエンは俺とオーリスの座るテーブルに一緒に座る。
オーリスが鬼のような表情をするが、カイエンはそれに気づかないで俺に話しかけてくる。
空気を読め。
KYミーティングで教育するぞ。
危険予知じゃなくて空気読めの方だ。
俺はまあまあとオーリスをなだめてからカイエンの話を聞く。
「実は護衛任務が入札になってな、一番安いパーティーに発注するってなったんだよ」
これは別に珍しい事ではない。
旅先で急遽護衛を雇いたくなる商人とかが、いちいち冒険者ギルドまで依頼を出すのでは間に合わないっていう状況はよくある。
なので、依頼者と冒険者がその場で合意すれば契約は成立して、任務に就くことが出来るのだ。
勿論、事後で冒険者ギルドを通すこともできる。
揉め事が起きないわけもなく、むしろ最初から冒険者ギルドを通してある依頼よりもトラブルは多い。
登録している冒険者のサポートが冒険者ギルドの仕事なので、そういった業務もあるのだ。
この世界ではと断っておくけどな。
で、今回はカイエン達はその冒険者ギルドを通さない依頼を受けたというわけだ。
「まあよくある話じゃないか。俺に相談するまでもないだろう」
そう、俺にそんなことを相談されてもどうしろというのだろうか。
「他のパーティーは5人編成だったから、俺達3人で受ければトータルの報酬は安くても、一人当たりの取り分は5人パーティーよりも高くなるなって思って入札したら受注できたんだよ。ところが、途中で盗賊に襲われたんだが、3人じゃあ少なすぎて戦いにならなかったんだ。金にするって武器を取り上げられちゃって」
仲間が少なかったから依頼が失敗したと。
でも、それを俺にどうしろというのだ。
「依頼を失敗して金がないから貸してくれないか?武器が無くなってしまったんだけど、金欠でどうにもならないんだ」
って、金を借りたいだけかよ!
相談係っていっても、金の相談にものるわけじゃないぞ。
というか、聞いていて頭が痛くなってきた。
前世でもVAと称して無理な値下げをした結果、不良品が大量にできてしまい、結局赤字になってしまった仕事があったな。
VAとはバリューアナリシスの略で、早い話がコストダウンだ。
製品の要求定義を満たしていれば、いらないところは削れるよねということである。
材質をステンレスから鉄に変更したり、スポット溶接の打点数を減らしてみたりするやつである。
営業と設計は前向きなのだが、品質管理としては今安定している工程に変化を作りたくない。
なので、あまり前向きではないので、わざと会議から外されたりするのだが、そういうものに限ってVA後に不具合が発生する。
営業は仕方ないとしても、設計はその甘い見通しなんとかならなかったのか?
甘すぎてイチゴに練乳かけちゃうレベル。
一期一会を教えてあげたい。
競争力を保つためにも、VAが必要なのはわかりますが、現場に負荷をかけるのは本末転倒。
今回でいえば、きちんとバランスのとれたパーティーを組むべきだったな。
護衛を出来るという条件を満たしてないのだから、それは失敗VAと一緒だな。
依頼主も安物買いの銭牛無いだ。
安いものを買って、銭と牛を失った故事から来た言葉なんだとか。
詳しくはネットで調べて!
「金は貸してもいいけど、金額は俺の質問に答えられた数で決めるからな」
今までカイエンに教えてきた事をどれだけ覚えているのかをクイズ形式で訊いてみた。
残念なことにカイエンは殆ど忘れていたので、貸したお金は二日分の生活費だけだ。
武器は買えないので、街のごみ拾いとか草むしりのような地味な依頼で金をためる事になった。
うん、君たちはもう少し修行を積むべきだね。
その後俺は機嫌の悪くなったオーリスをなだめるため、彼女と一緒に街中でショッピングをした。
服やアクセサリーをねだられ、購入することになったのだが、温度管理スキルを使わさせられて、機嫌を損ねたのはカイエンが原因なのに、どうして俺が金を払うのだろうか。
納得がいかない。
その中でも品質管理に一家言を持った方の勇ましい発言が心に刺さります。
メイドインジャパン凄いですね。
弊社多分日本じゃない。
それでは今回も、
「見に行きますよ、焼け野原を。品質第一主義のね」
俺は今オーリスの冒険者ギルドの厨房にいる。
この前のニンニクチャーハンニンニク抜きの対策が定着したのか確認をしているのだ。
味見は料理人が太るから、代わりにウエイトレスが行っている。
まあそれでもいいか。
決められたことをきちんと守っているようで、あのあと同じ不具合は発生していないというので、対策の効果はあったといえるだろう。
「それにしても……」
俺はちらりと食堂を見る。
なんだかとても混雑してるな。
「なあオーリス」
「なんでしょう?」
俺はオーリスに訊きたいことがあった。
「今日は食堂が凄く混んでいるようだが」
「そうですわね。たまたまでしょうけど」
オーリスはすました声で答える。
なんだか後ろめたい事でもあるのかな?
「俺が温度管理スキルで食堂を冷やしているのをみんなしっているんじゃないかな?」
そう、オーリスに頼まれて食堂を快適な温度にしているのだ。
夏の陽射しが降り注ぐ外の気温とは大違いである。
冒険者ではない行商人みたいのも何人かいるな。
冒険者ギルドに依頼でも出しに来たにしては、ずっと食堂に居座っている気もする。
食事も終わって、器も片付けられているというのに動く気配がない。
どうみても、この温度から離れたくないのだろう。
「これだけ涼しければ、人が集まってくるのも当然ですわ」
オーリスは当然だというが、それにしてはみんなずっと待っていた気がするんだよな。
俺が来る前からいるし。
それに、俺が馬車から降りる時に、何故かオーリスに目隠しをされたのだ。
何事かのサプライズがあるのかと期待したのだが、冒険者ギルドの中に入ると目隠しを取られ、普通に厨房に案内されたのだ。
何故目隠しを?
「目隠しするときに、チラッと看板が見えたのだが『本日食堂を涼しくする魔法使います』って書いてあったように見えたのだが」
「チッ」
俺の指摘に小さな舌打ちが聞こえた。
なんだろう、どこかに姿を消す魔法を使った暗殺者でも潜んでいるのかな?
「まったく、人のスキルを商売に使うなら一言言ってくれたらいいのに……」
やれやれと俺はため息をつき、出してもらっていたコーヒーを飲む。
「慣れちゃったの、無償で人を使う事にも、イベントで呼び込む事にも。それに看板さえ見せなければ」
彼女は言った。
「ねえ」
俺はコーヒーカップをテーブルに置くと首を横に振った。
「一生そんな風に生きていくつもり?」
「ごめんなさい」
そう言って彼女は外へと走る。
結局のところ、彼女は俺の話を聞くつもりはなかった。
いつから彼女はこうなってしまったのだろうか?
あれ?
どこかで見たな、こんなやつ。
逃げたオーリスを捕まえ、ニンニクチャーハンをおごってもらう事で赦した。
姑息な事をしないで、最初から言ってくれたらよかったのに。
俺も暑いのは苦手だから、スキルを使うのは吝かではないからね。
俺がオーリスとニンニクチャーハンを食べていると声をかけてきた男がいた。
「アルトじゃないか」
「何だカイエンか」
そう、永遠の初心者ことカイエンであった。
他にはナイトロとカンチルもいる。
「よかった、これから相談に行こうと思ったんだ。ちょっと話を聞いてくれるか」
カイエンは俺とオーリスの座るテーブルに一緒に座る。
オーリスが鬼のような表情をするが、カイエンはそれに気づかないで俺に話しかけてくる。
空気を読め。
KYミーティングで教育するぞ。
危険予知じゃなくて空気読めの方だ。
俺はまあまあとオーリスをなだめてからカイエンの話を聞く。
「実は護衛任務が入札になってな、一番安いパーティーに発注するってなったんだよ」
これは別に珍しい事ではない。
旅先で急遽護衛を雇いたくなる商人とかが、いちいち冒険者ギルドまで依頼を出すのでは間に合わないっていう状況はよくある。
なので、依頼者と冒険者がその場で合意すれば契約は成立して、任務に就くことが出来るのだ。
勿論、事後で冒険者ギルドを通すこともできる。
揉め事が起きないわけもなく、むしろ最初から冒険者ギルドを通してある依頼よりもトラブルは多い。
登録している冒険者のサポートが冒険者ギルドの仕事なので、そういった業務もあるのだ。
この世界ではと断っておくけどな。
で、今回はカイエン達はその冒険者ギルドを通さない依頼を受けたというわけだ。
「まあよくある話じゃないか。俺に相談するまでもないだろう」
そう、俺にそんなことを相談されてもどうしろというのだろうか。
「他のパーティーは5人編成だったから、俺達3人で受ければトータルの報酬は安くても、一人当たりの取り分は5人パーティーよりも高くなるなって思って入札したら受注できたんだよ。ところが、途中で盗賊に襲われたんだが、3人じゃあ少なすぎて戦いにならなかったんだ。金にするって武器を取り上げられちゃって」
仲間が少なかったから依頼が失敗したと。
でも、それを俺にどうしろというのだ。
「依頼を失敗して金がないから貸してくれないか?武器が無くなってしまったんだけど、金欠でどうにもならないんだ」
って、金を借りたいだけかよ!
相談係っていっても、金の相談にものるわけじゃないぞ。
というか、聞いていて頭が痛くなってきた。
前世でもVAと称して無理な値下げをした結果、不良品が大量にできてしまい、結局赤字になってしまった仕事があったな。
VAとはバリューアナリシスの略で、早い話がコストダウンだ。
製品の要求定義を満たしていれば、いらないところは削れるよねということである。
材質をステンレスから鉄に変更したり、スポット溶接の打点数を減らしてみたりするやつである。
営業と設計は前向きなのだが、品質管理としては今安定している工程に変化を作りたくない。
なので、あまり前向きではないので、わざと会議から外されたりするのだが、そういうものに限ってVA後に不具合が発生する。
営業は仕方ないとしても、設計はその甘い見通しなんとかならなかったのか?
甘すぎてイチゴに練乳かけちゃうレベル。
一期一会を教えてあげたい。
競争力を保つためにも、VAが必要なのはわかりますが、現場に負荷をかけるのは本末転倒。
今回でいえば、きちんとバランスのとれたパーティーを組むべきだったな。
護衛を出来るという条件を満たしてないのだから、それは失敗VAと一緒だな。
依頼主も安物買いの銭牛無いだ。
安いものを買って、銭と牛を失った故事から来た言葉なんだとか。
詳しくはネットで調べて!
「金は貸してもいいけど、金額は俺の質問に答えられた数で決めるからな」
今までカイエンに教えてきた事をどれだけ覚えているのかをクイズ形式で訊いてみた。
残念なことにカイエンは殆ど忘れていたので、貸したお金は二日分の生活費だけだ。
武器は買えないので、街のごみ拾いとか草むしりのような地味な依頼で金をためる事になった。
うん、君たちはもう少し修行を積むべきだね。
その後俺は機嫌の悪くなったオーリスをなだめるため、彼女と一緒に街中でショッピングをした。
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