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第353話 部品検査法に誤記があり大変ご迷惑をお掛けいたしました
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製造にはミスをするなとか言ってますが、品管や設計の検査規格書や図面はポカヨケを設置するわけにもいかず、未だにダブルチェックしか流出対策が出来ていません。
そんなお話。
それでは本編いってみましょう。
「アルト、これどう思う?」
エッセとホーマーが俺のところにやってきた。
そして一枚の図面を見せてくる。
エッセの説明では王都の有名なデザイナーが、エッセとホーマーの噂を聞き、自分のデザインした盾と鎧の製作を依頼してきたのだという。
デザイナーは王都を離れる訳にもいかず、図面を送ってきてそれを二人が形にするといった仕事なんだとか。
そこまでは問題ではない。
が、見せてもらった図面では製作は不可能であった。
各所の寸法線に記載された数値は整合性が無く、全長よりも中間の寸法の方が大きかったり、穴ピッチよりも大きな穴径が記載されているのだ。
何とも既視感溢れる図面になっているな。
ちょっと頭痛が痛い。
図面は手書きからCADに変わっても、相変わらず間違いは減っていない。
いくらかはソフトウェアで防止できるようになってはいるが、noteの誤記や部品構成の間違いなんてのは無くならないし、線が絡み合うような図面では、3DCADの寸法を指示するポイントを間違えて、使えない製品を作ってしまうなんてこともあるのだ。
公差が広い製品だと、立ち上げ時には気が付かないが、量産途中で寸法公差ギリギリの製品が組み付かないという事から、図面の間違いが発覚した事例もある。
公差を限界まで使えないから、下限値に振れた時に初めて発覚したわけだ。
図面には作図と確認と承認のサインをする欄があって、ダブルチェック以上の確認をすることになってはいるが、多くの図面は既にサインが枠と一緒に書かれている。
という噂を聞きました。
設計なんて部外者立ち入り禁止なので、噂以上の事は知りません。
まあ、ダブルチェックやっていても誤記が見つからないんじゃ仕方ありませんね。
…………
設計の事を悪くも言えないのは、品管や品証もどうしても書類作成は人による作業になるため、誤記の類を無くすことは出来ていません。
製造には普段からミスを無くせと言ってはいますが、自分の部署はどうなんだと言われるとぐうの音も出なかったり。
ばれてないといいな。
酷いのになると、対策書の不良品の品番を間違ったなんてのもありましたね。
つい最近も部品検査法に誤記がありましたが、これは同業の勘として、わざと誤記したんじゃないかって疑っています。
誤記と気が付かれなかったら、それがそのまま使用されていたので、弊社にかなり有利になっておりました。
こざかしいテクニックですね。
ばれても誤記でしたって謝ればいいと割り切った計画的な犯行。
今度自分も使おう。
あれ?
転生した設定でしたね。
申し訳ございません。
「一目見ても誤記だとわかるな。じゃあ正しい数値がなんだとはこちらでは判断できないが」
俺の回答に二人は頷く。
それにしても、単に間違っているだけなら俺の所に来なくても、相手に問い合わせればいいのではないだろうか。
俺も今までそうしてきたし。
そんな疑問を抱いた。
「これだけ間違いが多いと、多分訂正したものにも間違いが残っていると思うんだ。王都との手紙のやり取りって時間がかかるから、いつまで経っても仕事が完了しないよ」
エッセが困った表情で俺に泣きついてきた。
確かにメールや電話がないから、意思の疎通に時間がかかってしまうな。
相手がこちらに来るわけにもいかないのであれば、こちらから出向くというのもありだが、費用がどうなのかってのはあるな。
「ダブルチェックしてもらうしかないか」
「え?」
俺がダブルチェックと言ったら、2人して驚いた顔をした。
「何か?」
「いや、アルトはいつもダブルチェックなんか意味ないって言っていたじゃないか」
エッセが言うように、俺はダブルチェックなんて意味ないといつも言ってきた。
実際にそうだと思うのだが、図面に関してはダブルチェック以外にやりようがない。
ただし、単にダブルチェックをしただけでは見逃しが発生するだろうな。
「やりようだな。例えばだけどダブルチェックの要因を月に金貨5枚の給金で雇ってみるのもいいだろう」
「金貨5枚は高いよ。それにそれだけのお金を払ったとしても、全部間違いを見つけられるとも思えない」
ホーマーが俺ににじり寄って力説する。
ドワーフなので背が低いからいいが、人間だったら顔と顔が触れ合うくらいの距離だ。
「そうだね。だから誤記を見逃したら給金から金貨1枚を減らすんだ。人っていうのは貰えるかわからない報酬は諦めるが、貰った報酬は返したくない生き物なんだよ。誤記を見つけたら金貨1枚っていうのだと、誤記を見つけなくてももらえる給金で満足した奴は誤記を見つけようとしないだろ。だけど、先に報酬をもらってしまうとそれを返したくないが為に、必死になって誤記を見逃すまいとするものなんだよ。まあ給金金貨5枚、ペナルティが金貨1枚っていうのは例えばの話だけどね。王都の給金の相場とかあるだろうから、それに合わせて少し高めに設定すればいいさ」
俺の説明に2人は納得した。
やはり2人も一度もらったものを返したくはないようで、この案を理解してくれたのだ。
そして、図面の誤記が発覚した個所を指摘する手紙に、ダブルチェック作業者の雇用形態についてもアドバイスを書いて送った。
暫くして、訂正されれた図面が送られてきたが、今度はこちらが気が付くような誤記は無かったそうだ。
きっとこちらの提案したやり方を採用したのだろうと、エッセから報告をもらった。
※作者の独り言
品管の発行する文章にも、かなり間違いがあるのですが、どうかみんな気が付いてもスルーしてね。
そんなお話。
それでは本編いってみましょう。
「アルト、これどう思う?」
エッセとホーマーが俺のところにやってきた。
そして一枚の図面を見せてくる。
エッセの説明では王都の有名なデザイナーが、エッセとホーマーの噂を聞き、自分のデザインした盾と鎧の製作を依頼してきたのだという。
デザイナーは王都を離れる訳にもいかず、図面を送ってきてそれを二人が形にするといった仕事なんだとか。
そこまでは問題ではない。
が、見せてもらった図面では製作は不可能であった。
各所の寸法線に記載された数値は整合性が無く、全長よりも中間の寸法の方が大きかったり、穴ピッチよりも大きな穴径が記載されているのだ。
何とも既視感溢れる図面になっているな。
ちょっと頭痛が痛い。
図面は手書きからCADに変わっても、相変わらず間違いは減っていない。
いくらかはソフトウェアで防止できるようになってはいるが、noteの誤記や部品構成の間違いなんてのは無くならないし、線が絡み合うような図面では、3DCADの寸法を指示するポイントを間違えて、使えない製品を作ってしまうなんてこともあるのだ。
公差が広い製品だと、立ち上げ時には気が付かないが、量産途中で寸法公差ギリギリの製品が組み付かないという事から、図面の間違いが発覚した事例もある。
公差を限界まで使えないから、下限値に振れた時に初めて発覚したわけだ。
図面には作図と確認と承認のサインをする欄があって、ダブルチェック以上の確認をすることになってはいるが、多くの図面は既にサインが枠と一緒に書かれている。
という噂を聞きました。
設計なんて部外者立ち入り禁止なので、噂以上の事は知りません。
まあ、ダブルチェックやっていても誤記が見つからないんじゃ仕方ありませんね。
…………
設計の事を悪くも言えないのは、品管や品証もどうしても書類作成は人による作業になるため、誤記の類を無くすことは出来ていません。
製造には普段からミスを無くせと言ってはいますが、自分の部署はどうなんだと言われるとぐうの音も出なかったり。
ばれてないといいな。
酷いのになると、対策書の不良品の品番を間違ったなんてのもありましたね。
つい最近も部品検査法に誤記がありましたが、これは同業の勘として、わざと誤記したんじゃないかって疑っています。
誤記と気が付かれなかったら、それがそのまま使用されていたので、弊社にかなり有利になっておりました。
こざかしいテクニックですね。
ばれても誤記でしたって謝ればいいと割り切った計画的な犯行。
今度自分も使おう。
あれ?
転生した設定でしたね。
申し訳ございません。
「一目見ても誤記だとわかるな。じゃあ正しい数値がなんだとはこちらでは判断できないが」
俺の回答に二人は頷く。
それにしても、単に間違っているだけなら俺の所に来なくても、相手に問い合わせればいいのではないだろうか。
俺も今までそうしてきたし。
そんな疑問を抱いた。
「これだけ間違いが多いと、多分訂正したものにも間違いが残っていると思うんだ。王都との手紙のやり取りって時間がかかるから、いつまで経っても仕事が完了しないよ」
エッセが困った表情で俺に泣きついてきた。
確かにメールや電話がないから、意思の疎通に時間がかかってしまうな。
相手がこちらに来るわけにもいかないのであれば、こちらから出向くというのもありだが、費用がどうなのかってのはあるな。
「ダブルチェックしてもらうしかないか」
「え?」
俺がダブルチェックと言ったら、2人して驚いた顔をした。
「何か?」
「いや、アルトはいつもダブルチェックなんか意味ないって言っていたじゃないか」
エッセが言うように、俺はダブルチェックなんて意味ないといつも言ってきた。
実際にそうだと思うのだが、図面に関してはダブルチェック以外にやりようがない。
ただし、単にダブルチェックをしただけでは見逃しが発生するだろうな。
「やりようだな。例えばだけどダブルチェックの要因を月に金貨5枚の給金で雇ってみるのもいいだろう」
「金貨5枚は高いよ。それにそれだけのお金を払ったとしても、全部間違いを見つけられるとも思えない」
ホーマーが俺ににじり寄って力説する。
ドワーフなので背が低いからいいが、人間だったら顔と顔が触れ合うくらいの距離だ。
「そうだね。だから誤記を見逃したら給金から金貨1枚を減らすんだ。人っていうのは貰えるかわからない報酬は諦めるが、貰った報酬は返したくない生き物なんだよ。誤記を見つけたら金貨1枚っていうのだと、誤記を見つけなくてももらえる給金で満足した奴は誤記を見つけようとしないだろ。だけど、先に報酬をもらってしまうとそれを返したくないが為に、必死になって誤記を見逃すまいとするものなんだよ。まあ給金金貨5枚、ペナルティが金貨1枚っていうのは例えばの話だけどね。王都の給金の相場とかあるだろうから、それに合わせて少し高めに設定すればいいさ」
俺の説明に2人は納得した。
やはり2人も一度もらったものを返したくはないようで、この案を理解してくれたのだ。
そして、図面の誤記が発覚した個所を指摘する手紙に、ダブルチェック作業者の雇用形態についてもアドバイスを書いて送った。
暫くして、訂正されれた図面が送られてきたが、今度はこちらが気が付くような誤記は無かったそうだ。
きっとこちらの提案したやり方を採用したのだろうと、エッセから報告をもらった。
※作者の独り言
品管の発行する文章にも、かなり間違いがあるのですが、どうかみんな気が付いてもスルーしてね。
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