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第396話 工程保証度評価シートをつくろう
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スターレットの相談にのる形で、冒険者の工程保証度評価をすることになった。
そして評価をするにあたって、工程保証度評価シートを作成して、誰でも同じように評価を出来る仕組みを作ることにした。
工程保証度評価シートはおおむねどこの会社でも発生と流出の対策を評価して、それをマトリックスで更に評価するという仕組みになっている。
とても良い説明事例があるのだが、社外秘の資料の為お見せできないのが残念です。
勿論、俺が今工程保証度評価について説明しているギルド長に対しても、社外秘の資料を見せる訳にもいかないし、そもそも異世界に持ち込んでいないので、いつものように身近なもので例えて説明になりますけどね。
場面説明が遅れましたが、今はギルド長の執務室にシルビアと一緒に来ています。
「ギルド長、工程保証度評価というのは例えるなら湯浴みの準備だと思ってください。入浴するためのお湯を立てる行為と、それが適切な温度であることを確認する行為が発生します。この時にお湯が適温にしかならない魔法があれば、温度の確認は必要ありません。しかし、薪を燃やしてお湯を立てるのであれば、どこかで温度を確認しなければどこまで薪をくべるのかわかりませんよね。そして、温度の確認も数値で表示される魔道具もあれば、手をお湯に入れて確認する方法もあります。どちらがより正確に温度を確認できると思いますか?」
俺の問いにギルド長が答える。
「魔道具だね」
「そうです。なので一番お湯の温度が適温になるのは、適温になる魔法でお湯を沸かして魔道具で温度を確認する事です。逆に薪を燃やして手で温度を確認する事は適温にするのは難しくなります。これは冒険者にも言える事ではないでしょうか」
工程保証度評価ではこれらの事をマトリックス評価すると言いましたが、下のようなマトリックスになる。
a b c d
a A A A B
b A B B C
c A B C D
d B C D D
縦と横の小文字のアルファベットが発生と流出それぞれの評価で、大文字のアルファベットがそれらの組み合わせ評価になっている。
縦を発生、横を流出の評価とするとどちらもa評価なら総合評価もAランクになり、どちらかがa評価ならば反対側が多少評価出来ていなくても総合評価は高いものとなる。
今回のお湯を例にするなら、発生で適温にしかならないのであれば、魔道具で確認しても手で確認しても総合評価は変わらない。
d評価は確認行為をしない場合であることなので若干評価は低くなる。
今回単独でお湯の温度管理を例にしたがこれが浴場であるのならば、浴槽の清掃度合いやら備品の状態なんかも工程としてそれぞれ評価することになる。
これを冒険者に当てはめるならば、迷宮で遭遇するであろう敵や罠の種類全てに対しての備えがどうであるのかを評価することになるな。
発生と流出という考え方が合致するかは微妙だけど。
スターレットに説明したように、近距離遠距離攻撃が出来るかどうかや、属性ごとの魔法使いはいるかどうかなどはやはり確認すべきだろうな。
聖属性の魔法しか通用しないアンデッドモンスターが出現した時に、誰も聖属性攻撃が出来ないのでは全滅の可能性が高くなる。
発生をモンスターとのエンカウントとするならば、流出は知識判定になるんですかね?
アンデッドモンスターとエンカウントして、聖職者がいるにもかかわらずアンデッドモンスターと判定できなければ有効な攻撃が出来ない。
知識判定がスキルならば保証度は高評価になるけど、経験のみだと若干劣る感じにしようかな。
罠でも同じだな。
罠の解除スキルがあっても、発見するスキルが無ければ保証度は低くなる。
ほら、こうすればかつお節削りが錆びていたとしても、タンブラーグラスで削ることでやりにくさは上がっても、仕上がり具合の確認がきちんと出来るなら出汁をとる前の工程としては十分保証されているとなるじゃないですか。
女将が呼び出し喰らわなくても済むよ。
おっと、ついつい脱線しちゃうけど、重要なのはそれぞれの項目がどのランクだったら合格かっていう事。
自動車で言えば、ブレーキの性能を保証する項目は全てAランクであることが要求されるが、ボディプレス品のバリなんていうものはBやCランクでも問題ない。
チャーハンに例えるなら、米が無いのは大問題だけどグリーンピースは無くても成立するから、グリーンピースの工程は手を抜いてもいいよって感覚かな。
これを冒険者のパーティーに置き換えれば、完璧に保証すべきメンバーの能力とあったらいいな程度の能力を分けて考える事が出来る。
それで、最適な人数を割り出せるんじゃなかろうか。
ただ、実際の工場での工程保証度評価でも、A判定をしておきながら量産開始直後の初期流動管理期間中に、部品欠品みたいなレベルの低い不良を流出させてしまったりして、その評価はなんだったのかってなる事もしばしばなので、これで完璧ではないんだけどね。
というか、そんな事ばかりなので工程保証度評価に割く時間が無駄じゃないのかと思ってみたり。
予期せぬ異常が工程内で起こるんですよ。
冒険者だってパーティー構成完璧にしてもファンブルで後衛が死んでしまい、その後後衛職と相性のいい敵が出たら敗北するみたいな展開あると思います。
絶対ある。
まあ、作業教育も完璧に終えた作業者がオーバーステイでパクられて、未経験の新人を急遽投入なんて毎回ある事じゃないけどね。
割とある?
「アルト」
「何?」
突然シルビアに話しかけられて、彼女の方へと振り向く。
「セリフが殆どなくて説明ばっかりね。どこかの会社のQMSの説明みたいになっているわよ」
「それが元ネタなので……」
一先ずステラの冒険者ギルドで試験的に冒険者工程保証度評価を導入してみて、使えそうであれば他の冒険者ギルドにも水平展開しようという話になった。
まあ、水平展開するときにはまた俺が説明をすることになるのだろうけど。
※作者の独り言
これだけやっても不良が出るのは何故なのか。
生産開始するために書類だけ作るからですね。
「君のところ書類だけは完璧だね」って嫌味を言われることも。
そして評価をするにあたって、工程保証度評価シートを作成して、誰でも同じように評価を出来る仕組みを作ることにした。
工程保証度評価シートはおおむねどこの会社でも発生と流出の対策を評価して、それをマトリックスで更に評価するという仕組みになっている。
とても良い説明事例があるのだが、社外秘の資料の為お見せできないのが残念です。
勿論、俺が今工程保証度評価について説明しているギルド長に対しても、社外秘の資料を見せる訳にもいかないし、そもそも異世界に持ち込んでいないので、いつものように身近なもので例えて説明になりますけどね。
場面説明が遅れましたが、今はギルド長の執務室にシルビアと一緒に来ています。
「ギルド長、工程保証度評価というのは例えるなら湯浴みの準備だと思ってください。入浴するためのお湯を立てる行為と、それが適切な温度であることを確認する行為が発生します。この時にお湯が適温にしかならない魔法があれば、温度の確認は必要ありません。しかし、薪を燃やしてお湯を立てるのであれば、どこかで温度を確認しなければどこまで薪をくべるのかわかりませんよね。そして、温度の確認も数値で表示される魔道具もあれば、手をお湯に入れて確認する方法もあります。どちらがより正確に温度を確認できると思いますか?」
俺の問いにギルド長が答える。
「魔道具だね」
「そうです。なので一番お湯の温度が適温になるのは、適温になる魔法でお湯を沸かして魔道具で温度を確認する事です。逆に薪を燃やして手で温度を確認する事は適温にするのは難しくなります。これは冒険者にも言える事ではないでしょうか」
工程保証度評価ではこれらの事をマトリックス評価すると言いましたが、下のようなマトリックスになる。
a b c d
a A A A B
b A B B C
c A B C D
d B C D D
縦と横の小文字のアルファベットが発生と流出それぞれの評価で、大文字のアルファベットがそれらの組み合わせ評価になっている。
縦を発生、横を流出の評価とするとどちらもa評価なら総合評価もAランクになり、どちらかがa評価ならば反対側が多少評価出来ていなくても総合評価は高いものとなる。
今回のお湯を例にするなら、発生で適温にしかならないのであれば、魔道具で確認しても手で確認しても総合評価は変わらない。
d評価は確認行為をしない場合であることなので若干評価は低くなる。
今回単独でお湯の温度管理を例にしたがこれが浴場であるのならば、浴槽の清掃度合いやら備品の状態なんかも工程としてそれぞれ評価することになる。
これを冒険者に当てはめるならば、迷宮で遭遇するであろう敵や罠の種類全てに対しての備えがどうであるのかを評価することになるな。
発生と流出という考え方が合致するかは微妙だけど。
スターレットに説明したように、近距離遠距離攻撃が出来るかどうかや、属性ごとの魔法使いはいるかどうかなどはやはり確認すべきだろうな。
聖属性の魔法しか通用しないアンデッドモンスターが出現した時に、誰も聖属性攻撃が出来ないのでは全滅の可能性が高くなる。
発生をモンスターとのエンカウントとするならば、流出は知識判定になるんですかね?
アンデッドモンスターとエンカウントして、聖職者がいるにもかかわらずアンデッドモンスターと判定できなければ有効な攻撃が出来ない。
知識判定がスキルならば保証度は高評価になるけど、経験のみだと若干劣る感じにしようかな。
罠でも同じだな。
罠の解除スキルがあっても、発見するスキルが無ければ保証度は低くなる。
ほら、こうすればかつお節削りが錆びていたとしても、タンブラーグラスで削ることでやりにくさは上がっても、仕上がり具合の確認がきちんと出来るなら出汁をとる前の工程としては十分保証されているとなるじゃないですか。
女将が呼び出し喰らわなくても済むよ。
おっと、ついつい脱線しちゃうけど、重要なのはそれぞれの項目がどのランクだったら合格かっていう事。
自動車で言えば、ブレーキの性能を保証する項目は全てAランクであることが要求されるが、ボディプレス品のバリなんていうものはBやCランクでも問題ない。
チャーハンに例えるなら、米が無いのは大問題だけどグリーンピースは無くても成立するから、グリーンピースの工程は手を抜いてもいいよって感覚かな。
これを冒険者のパーティーに置き換えれば、完璧に保証すべきメンバーの能力とあったらいいな程度の能力を分けて考える事が出来る。
それで、最適な人数を割り出せるんじゃなかろうか。
ただ、実際の工場での工程保証度評価でも、A判定をしておきながら量産開始直後の初期流動管理期間中に、部品欠品みたいなレベルの低い不良を流出させてしまったりして、その評価はなんだったのかってなる事もしばしばなので、これで完璧ではないんだけどね。
というか、そんな事ばかりなので工程保証度評価に割く時間が無駄じゃないのかと思ってみたり。
予期せぬ異常が工程内で起こるんですよ。
冒険者だってパーティー構成完璧にしてもファンブルで後衛が死んでしまい、その後後衛職と相性のいい敵が出たら敗北するみたいな展開あると思います。
絶対ある。
まあ、作業教育も完璧に終えた作業者がオーバーステイでパクられて、未経験の新人を急遽投入なんて毎回ある事じゃないけどね。
割とある?
「アルト」
「何?」
突然シルビアに話しかけられて、彼女の方へと振り向く。
「セリフが殆どなくて説明ばっかりね。どこかの会社のQMSの説明みたいになっているわよ」
「それが元ネタなので……」
一先ずステラの冒険者ギルドで試験的に冒険者工程保証度評価を導入してみて、使えそうであれば他の冒険者ギルドにも水平展開しようという話になった。
まあ、水平展開するときにはまた俺が説明をすることになるのだろうけど。
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