寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ

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七十三

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 ナサはわたしを抱きしめて、目を細めて笑った。

「シッシシ、リーヤを愛している……大切にする。どんなことからも守ると約束する、幸せにするよ」

「嬉しい、わたしもナサが大好き……これからもよろしくね、ナサ」

(カートラお兄様とランドル様、アサトさん、ロカさん、ミリアさんに見守られて頬が熱いけど……)

 今度こそは幸せなお嫁さんになりたい、ナサならわたしを守ってくれて、ずっと愛してくれると信じている。

「ナサ、リイーヤをよろしくな」
「はい、カートラお兄さん」

 カートラお兄さん?

「ナサ!」

「おお、いいなぁ。よろしくな義弟……そうか、リーヤと結婚したら俺とナサと兄弟になるのか。まわりを気にせず手合わせできるな!」

 カートラお兄様は嬉しそう笑いナサの肩を叩き。外でランドルは各所に手紙を飛ばしていた。二人は『舞踏会で会おう』と、馬を走らせリルガルド国へと戻っていった。



 カートラお兄様たちを見送ったあと『じゃ、オレも手紙を出すかな』とランドルから貰っていた紙に、ナサはお母様に送る手紙を書き始めた。

「ナサ、わたしも書いた方がいい?」

「んー、リーヤの事はたまに手紙に書いていたから……お袋も知ってる」

「え、そうなの?」

 どんな内容が気になるけど、人様の手紙だもの聞けない。それが顔に出ていたのか、ナサは。

「オレに気になる子ができた……すごくいい子で、真面目で、可愛くて、無茶ばかりするんだ。オレと同じ獣人、亜人じゃないんだってな……お袋はオレに"気になる人"ができて喜んでいたよ」

 シッシシと笑うナサと、それを見てニシシとアサトは笑い。

「ナサはさ、亜人の国にいてもガレーン国に来てからも、ぜんぜん女っ気なかっだもんな。そんなナサがリーヤを初めて見たとき、一目惚しちまって、どうしたらいいんだって聞いてきたとき俺は嬉しかったよ」

「はい、私も驚きました。幸せになってくださいね……リーヤを取られるのはやるせないですが」
  
 オイオイと泣きまねをするロカ。

「ロカ!」

「よかったね、リーヤ、ナサ。困ったらここには頼れる者がたくさんいるんだ。一人、一人で抱え込まずに遠慮なく私達を頼るんだよ」

「はい。遠慮せず、どしどし頼らせていただきます。ありがとうございます、ミリアさん」

 同じ国出身で冒険者のアサトとロカ、ミリアさんに祝福されて照れるナサとわたし。

「リーヤ、ここにいると益々からかわれるぞ。まだ警備まで時間があるから、手紙をだすついでに散歩しよう」

 ナサに出された手を取り。わたし達は散歩に出かけたのだった。
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