(完結〉恐怖のギロチン回避! 皇太子との婚約は妹に譲ります〜 え? 私のことはお気になさらずに

にのまえ

文字の大きさ
60 / 75

59話

しおりを挟む
 予定通り、カサンドラたちの馬車はデュオン国の王都に到着した。王妃教育の為に毎日のように通った王都から、数ヶ月離れていたか、王都の門がカサンドラは懐かしく感じた。

「進まないな。やけに……馬車が多い」
「そうですね」

 カサンドラ達は馬車の渋滞に巻き込まれて、門の前で数十分待たされていた。アオ達は不思議に思い、カーテンを開けて窓の外を覗き呟く。

 それもそう。
 
「アオ君、シュシュこの渋滞は――今夜、王城で開催される舞踏会に訪れた、貴族たちの馬車の列ですわ。しばらく待たないと入都できないと思います、ゆっくり待ちましょう」

「舞踏会に訪れた貴族か……凄い数だな」
「そうですね」

 2人にとって貴族の数、この馬車の数は初めてだろう。
 多くの舞踏会、お茶会に参加してきた、カサンドラは慣れたもの。
 
「あら、怖気付いたの? 今夜の舞踏会で私達は目立つわよ。なにせ、アサルト皇太子殿下に婚約破棄された、姉が参加するのですもの。本来ならお断りするはずですが――妹から送られた、あの変わったドレスと招待状は王家から贈られていたので、お断りできないようにされましたわ」

 貴族は――王家からの招待を理由もなく断ることはできない。癇に障り、アサルト皇太子殿下に、不敬罪とされるかもしれない。

(シャリィは上手く、アサルト皇太子殿下の名を使い……私を今夜の舞踏会へと呼び出したわね。今頃……贈られたドレスを着て、私が舞踏会に参加すると思っているかも)

 あの子の、にやけた顔が思い浮かぶ。

 だけど、あなたの思惑通りにはならない。
 シュシュが仕立て直した素敵なドレスと、アサルト皇太子殿下よりも素敵な、騎士アオを見て驚きなさい。

 
 
 約1時間後、カサンドラ達は王都へ入都した。宿屋を決めて5日分の前払いをして。御者にはチップを渡して、自由に王都観光をしてもらい。カサンドラ達は部屋で、舞踏会の時間まで休むことにした。

 昼食は食堂でとるか、頼めば部屋に持ってきてくれるが。カサンドラはドレスを着るので、食事は抜きである。

「お腹が空きましたわ。舞踏会前の食事抜きはキツイですが。シュシュは食堂に行くか、部屋でしっかり食べてね」

 カサンドラが食事を取らないからといって、シュシュまで我慢しなくていい。夜から始まる舞踏会で食事をとることは出来ないと思うから、シュシュにはしっかり食べてほしい。

「はい、さっきほど、カウンターでサンドイッチを頼みました」

 しっかり者のシュシュに、余計な心配は要らなかったと、カサンドラは笑ってしまった。

「届いたら、遠慮せず食べない。私は2時間くらい眠るわ」

「はい、ごゆっくりお休みくださいませ」

 ベッドに横になって、カサンドラは目を瞑った。

 
 
 2時間後。

 目を覚ました、カサンドラはクリーン魔法の後。匂い付けに薔薇を浮かべてお風呂を済ませて、髪を乾かし、シュシュが仕立て直したドレスに着替えはじめた。

「クッ、シュシュ、久しぶりのコルセット……キツイのだけど」
 
「ドラお嬢様、しばらくの辛抱です。紐を縛りますので、息を吐いてください!」

「ヒェッ、ここまでの道中で……食べ過ぎましたわ」
「ええ、美味しい食事をたくさん食べました。ですが、ドラお嬢様、我慢です」

「⁉︎」

 カサンドラは、シュシュ遠慮なくコルセットを締め上げられた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。 ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。 理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。 ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。 マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。 自室にて、過去の母の言葉を思い出す。 マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を… しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。 そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。 ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。 マリアは父親に願い出る。 家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが……… この話はフィクションです。 名前等は実際のものとなんら関係はありません。

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。 ※後日談を更新中です。

【完結】『運命』を『気のせい』と答えたら、婚姻となりまして

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 ヴォレッカ・サミレットは、領地の危機をどうにかするために、三年ぶりに社交界へと婚姻相手を探しにやってきた。  第一にお金、次に人柄、後妻ではなく、できれば清潔感のある人と出会いたい。 そう思っていたのだが──。 「これは、運命だろうか……」 誰もが振り返るほどの美丈夫に、囁かれるという事態に。 「気のせいですね」 自身が平凡だと自覚があり、からかって遊ばれていると思って、そう答えたヴォレッカ。  だが、これがすべての始まりであった。 超絶平凡令嬢と、女性が苦手な美丈夫の織りなす、どこかかみ合わない婚姻ラブストーリー。 全43話+番外編です。

【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない

春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。 願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。 そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。 ※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

白百合の君を瞼に浮かべて

蒼あかり
恋愛
騎士隊副隊長のレイモンドは、第二王子アーサーの婚約者アリシアの事を密かに想っていた。 『白百合の君』と呼ばれるほどに美しいアリシアが、自分の起こした行動により婚約破棄を告げられてしまう。酔った勢いで婚約破棄を告げ後悔するアーサーだが、大きな力で婚約の存続は途絶えてしまった。それでもアリシアを手放せないアーサーが、執拗にアリシアを追い詰めてくる。そんなアリシアを守るために求め続けるも、二人はすれ違い続けついには行方知れずに。 年月を重ね、二人は再び出会うことができるだろうか? 他サイトでも掲載しております。

(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!

みん
恋愛
双子の姉として生まれたエヴィ。双子の妹のリンディは稀な光の魔力を持って生まれた為、体が病弱だった。両親からは愛されているとは思うものの、両親の関心はいつも妹に向いていた。 妹は、病弱だから─と思う日々が、5歳のとある日から日常が変わっていく事になる。 今迄関わる事のなかった異母姉。 「私が、お姉様を幸せにするわ!」 その思いで、エヴィが斜め上?な我儘令嬢として奮闘しているうちに、思惑とは違う流れに─そんなお話です。 最初の方はシリアスで、恋愛は後程になります。 ❋主人公以外の他視点の話もあります。 ❋独自の設定や、相変わらずのゆるふわ設定なので、ゆるーく読んでいただけると嬉しいです。ゆるーく読んで下さい(笑)。

【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。

るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」  色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。  ……ほんとに屑だわ。 結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。 彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。 彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

【完結】異世界から来た聖女ではありません!

五色ひわ
恋愛
 ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。  どうすれば良いのかしら?  ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。  このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。 ・本編141話 ・おまけの短編 ①9話②1話③5話

処理中です...