(完結〉恐怖のギロチン回避! 皇太子との婚約は妹に譲ります〜 え? 私のことはお気になさらずに

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アオの話

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 スルールの低木から声が聞こえた夜からアオは、カサンドラが気になっていた。しかし、自分には両親がおらず、森に捨てられていたところを、犬族のおじじとおばばに拾われた。

 おじじとおばばは、拾い子のアオを実の息子のように育てたくれた。アオが1人でも生きていけるように、食べられる植物と薬草を教え、狩の仕方も教えたくれた。

 だが、アオが13歳になった頃の冬に風邪をこじらせて、2人とも相次いで亡くした。

 アオは冒険者になり必死にクエストを受けて、生きていた。16歳のときパーティに誘われた、アオは喜び、参加したが3年後裏切られた。

 ショックで、ケガを負いながらもアオは泣きながら、タヌキになり逃げた。逃げて、逃げて、どこまで来たのか分からず、見つけた屋敷で休憩していた。

 そのアオの近くにする人の足音を聞いた。

「誰かくる」

 獣化の姿で人に捕まったらアオは食べられちまうと、おじじとおばばに言われていた。しかし、今聞こえた声は女性、驚かせば逃げていくとアオは思って茂みからでた。

 その女性は驚くも、アオを見て可愛いモフモフと微笑んだ。そしてアオに「犬かしら、それとも猫?」どう見てもタヌキだろうと、アオは声を出していた。

(しまった……)

 その女性はのほほんと自分をカサンドラと名乗り、アオにバタークッキー食べます? とか聞いてくる。腹も減っていたから思わず食うと言い、ケガの事も言ってしまった。

(バカか俺、人間に捕まるぞ!)

「まあ大変、手当てをしなくてわ」
「待て、オレに触れると……綺麗な服が汚れる」

 服が汚れることも気にせずアオを連れていくと、もう1人メイド服を着た丸メガネの女性がいた。

 こいつもタヌキのアオを犬? 猫という始末。

(なんだ、この世間知らずのコイツらは⁉︎)

 だが、おじじとおばばが話していた人間と違う。こいつら、獣人を怖がらねぇ……面白い奴らだ。

(しかし、カサンドラはほんと金に糸目をつけねぇで、ポンポンと俺とシュシュに高いものを買ってくる。シュシュは喜んでそれを喜んで受け取り、大切にしている)

 シュシュがカサンドラの事が大好きだってわかるし、カサンドラもシュシュを大切にしている。それにアオも加えてくれた。仲間のスズのカミさんを助けてくれた。

 そのカサンドラが怖い夢に怯えている。

 カサンドラがアオの部屋に、あの日の夜の姿で現れたとき。アオは焦った、助けを求められたのは嬉しいが、あの夜の日から甘い花のような香りが、カサンドラからする。

 シュシュからはしない、アオが好む甘い香りがカサンドラからする。だから、一緒は無理だと言った。

 しかし、カサンドラの叫び声を聞いてアオは悩んだ。
 獣化した姿に触れられるのは苦手だが、カサンドラが苦しんでいる――助けたい。

 
 タヌキの姿なアオの隣で眠るカサンドラ。

(クク、俺の気も知らないで呑気に寝ているなぁ……シュシュお前もだ、お前は遠慮なさすぎ!)

 ソッとカサンドラ頬を突くと眉を顰めたあとに、微笑んだように見えた。
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