23 / 27
学園でのお昼ご飯
しおりを挟む
「環ちゃん、お昼を食堂で一緒に食べない?」
環を誘いに、三年の教室から一年の教室に来た狐森先輩。周りの生徒がざわつく、弥白はスポーツ万能で勉強ができる優等生で学園の人気者。三年を始めとする学園の女子学生が、みんな弥白と一緒に過ごしたいと思っている。
――だから、目立って仕方がない。
「狐森先輩とお昼ですか? あの……下宿先でお弁当を作ってもらっていて……中庭で食べるので、ごめんなさい」
お弁当を理由に、環はお断りした。
「ええ、お弁当? そのお弁当、環ちゃんの手作りじゃないのか残念。購買でパン買って来るから先に行ってて」
「え、狐森先輩は狐塚先輩とお昼、食べないんですか?」
二人は婚約者だからという理由で環は聞いた。弥白はブンブン首を振る。
「いや、一緒に食べてないよ。行ってくるね」
「狐森先輩!」
弥白は環の話を聞かず、足早に購買に行ってしまう。
環は周りの女子達の視線を気にして、いつもの場所へと向かった。
向かったのは学園の中庭。
学生が休暇、食事がとれるように木製のベンチが置いてあり、木々が生え、花が咲く環のお気に入りの場所だ。
環がフウっとため息を吐き、ベンチに座ると隣に誰かが座った。弥白が購買から戻ってきたのかと思ったが、違った。
「シンヤ君?」
「俺も今日はここで弁当を食う」
いつもは友達と学園の屋上に行くのに、何故が今日は中庭の、それも環の隣で持ってきた弁当を開いた。
「食べようぜ、いただきます」
「うん、いただきます」
環も自分のお弁当を開く。
竹製の曲げわっぱに入った、甘辛く味付けされた野菜の肉巻き、甘めの卵焼きとひじきに煮物、ブロッコリー環の好物ばかりのお弁当だ。
「環、野菜の肉巻きと一口ハンバーグ交換して」
「いいよ」
中庭でベンチに並んでお昼をとっていた、そこに購買で買ったパンを持って弥白が来る。
弥白は環の隣にいる、シンヤを見つけて口を尖らした。
「なんでシンヤがここに居る?」
「たまたまっすよ。それより狐塚先輩が弥先輩が食堂にいないって、チャットを使って探してますよ」
「え?」
シンヤは制服のポケットから、スマホを取り出して弥白に見せた。
それはあやかし治療院の見習いだけが集まるチャットだ。環はまだスマホになれず、壊しそうで怖くて、学園のカバンに入れっぱなし。
(うわぁ……ミハルさんからのチャットだらけだ。大学に通う、アキラさんとマリさんも巻き込んでる)
そのチャットを見て弥白は肩を落とす。
「ハァ、今日は一緒に食べないって言ったのに……環ちゃんまたね」
手を振ると、サッサとミハルが待つ食堂に向かっていった。
環を誘いに、三年の教室から一年の教室に来た狐森先輩。周りの生徒がざわつく、弥白はスポーツ万能で勉強ができる優等生で学園の人気者。三年を始めとする学園の女子学生が、みんな弥白と一緒に過ごしたいと思っている。
――だから、目立って仕方がない。
「狐森先輩とお昼ですか? あの……下宿先でお弁当を作ってもらっていて……中庭で食べるので、ごめんなさい」
お弁当を理由に、環はお断りした。
「ええ、お弁当? そのお弁当、環ちゃんの手作りじゃないのか残念。購買でパン買って来るから先に行ってて」
「え、狐森先輩は狐塚先輩とお昼、食べないんですか?」
二人は婚約者だからという理由で環は聞いた。弥白はブンブン首を振る。
「いや、一緒に食べてないよ。行ってくるね」
「狐森先輩!」
弥白は環の話を聞かず、足早に購買に行ってしまう。
環は周りの女子達の視線を気にして、いつもの場所へと向かった。
向かったのは学園の中庭。
学生が休暇、食事がとれるように木製のベンチが置いてあり、木々が生え、花が咲く環のお気に入りの場所だ。
環がフウっとため息を吐き、ベンチに座ると隣に誰かが座った。弥白が購買から戻ってきたのかと思ったが、違った。
「シンヤ君?」
「俺も今日はここで弁当を食う」
いつもは友達と学園の屋上に行くのに、何故が今日は中庭の、それも環の隣で持ってきた弁当を開いた。
「食べようぜ、いただきます」
「うん、いただきます」
環も自分のお弁当を開く。
竹製の曲げわっぱに入った、甘辛く味付けされた野菜の肉巻き、甘めの卵焼きとひじきに煮物、ブロッコリー環の好物ばかりのお弁当だ。
「環、野菜の肉巻きと一口ハンバーグ交換して」
「いいよ」
中庭でベンチに並んでお昼をとっていた、そこに購買で買ったパンを持って弥白が来る。
弥白は環の隣にいる、シンヤを見つけて口を尖らした。
「なんでシンヤがここに居る?」
「たまたまっすよ。それより狐塚先輩が弥先輩が食堂にいないって、チャットを使って探してますよ」
「え?」
シンヤは制服のポケットから、スマホを取り出して弥白に見せた。
それはあやかし治療院の見習いだけが集まるチャットだ。環はまだスマホになれず、壊しそうで怖くて、学園のカバンに入れっぱなし。
(うわぁ……ミハルさんからのチャットだらけだ。大学に通う、アキラさんとマリさんも巻き込んでる)
そのチャットを見て弥白は肩を落とす。
「ハァ、今日は一緒に食べないって言ったのに……環ちゃんまたね」
手を振ると、サッサとミハルが待つ食堂に向かっていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる