召喚聖女が十歳だったので、古株の男聖女はまだ陛下の閨に呼ばれるようです

月歌(ツキウタ)

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第二王子は女嫌い

◆◆◆◆◆


「ウルスラ!今、聖女様が俺のことを大切なお方だと仰った。どういう意味だ?そのままの意味か?いや、別の意味かもしれない」

「セツ様は神殿に行くために、適当な発言をしているだけだ。女の言葉は簡単に信じない女嫌いの癖に、男の言葉に簡単に騙されるとは。バカなのか、ブリギッタ!」

「バカとはなんだ!バカとは!」
「乳母兄弟の愛の鞭だ。受け取れ」
「不要だ。返却する」

ふむ、仲のよい乳母兄弟だ。

それにしても、失念するところだった。ブリギッタ殿下には是非とも装飾品を身につけて貰わないと。

首フェチ魔術師にまた呪いを掛けられると厄介だからな。殿下だって、男聖女に首をハムハムされるのは苦痛だろうし。

ん、待てよ。

「ブリギッタ殿下」
「はい、聖女様!」

ウルスラと言い合いをしていた殿下が、俺の言葉に即座に反応してくれた。愛犬のような可愛さ。

いやいや、第二王子を犬に例えるなど不敬だ。

「失礼しました、殿下」
「どうされましたか、聖女様?」

「実は、ブリギッタ殿下の婚約者の存在を、すっかり忘れておりました。男聖女とはいえ、勝手に殿下に装飾品を選ぶのは失礼に当たりますよね?婚約者の方とご一緒に装飾品を選ばれますか、殿下?」

「安心してください!」
「はい?」

「俺には婚約者はいません!恋人も愛人もいません。ですから、セツ様の望むままに装飾品を選んでください!」

うーむ。ブリギッタ殿下はウルスラの言うとおり女嫌いなのか?しかし、この年齢で婚約者がいないのはまずいだろ。

パウル陛下に子はいない。ブリギッタ殿下も、この様子では隠し子もいなさそうだ。第三王子の情報はまだ仕入れていないが、ダニエル殿下にも子がないと・・王家は誰が継ぐのだろうか?

戦争してる場合ではないだろ。

「ブリギッタ殿下はとても知的な美男子ですから、女性が放ってはおかないのでは?それに、年齢的に結婚していても不思議ではありません。婚約者がいらっしゃらないのはどうしてですか、ブリギッタ殿下?」

俺は思いきって突っ込んで聞いてみた。だが、反応を示したのは殿下ではなくウルスラだった。

「セツ様・・情報収集は節度を持って行って頂きたい。人の心に土足で踏み入る事は、情報収集ではありません。これ以上の発言は、俺が許しません」

ウルスラに怒られた。彼が怖い顔をして俺を見つめる。俺はその視線から逃れた。でも、怒られて当然だ。ブリギッタ殿下に謝らないと。どうしよう。なんて謝ろう。

「聖女様!」
「はい!」

俺は考え事を止めてブリギッタ殿下に視線を向けた。いつの間にか、俺は俯いていたいたようだ。

「その様な泣きそうな顔をなさらないで下さい、セツ様。俺が女性不振に陥った原因は・・とてもつまらない事が切っ掛けなのです」

「ブリギッタ殿下・・」


◆◆◆◆◆

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