26 / 30
第二王子は女嫌い
◆◆◆◆◆
「ウルスラ!今、聖女様が俺のことを大切なお方だと仰った。どういう意味だ?そのままの意味か?いや、別の意味かもしれない」
「セツ様は神殿に行くために、適当な発言をしているだけだ。女の言葉は簡単に信じない女嫌いの癖に、男の言葉に簡単に騙されるとは。バカなのか、ブリギッタ!」
「バカとはなんだ!バカとは!」
「乳母兄弟の愛の鞭だ。受け取れ」
「不要だ。返却する」
ふむ、仲のよい乳母兄弟だ。
それにしても、失念するところだった。ブリギッタ殿下には是非とも装飾品を身につけて貰わないと。
首フェチ魔術師にまた呪いを掛けられると厄介だからな。殿下だって、男聖女に首をハムハムされるのは苦痛だろうし。
ん、待てよ。
「ブリギッタ殿下」
「はい、聖女様!」
ウルスラと言い合いをしていた殿下が、俺の言葉に即座に反応してくれた。愛犬のような可愛さ。
いやいや、第二王子を犬に例えるなど不敬だ。
「失礼しました、殿下」
「どうされましたか、聖女様?」
「実は、ブリギッタ殿下の婚約者の存在を、すっかり忘れておりました。男聖女とはいえ、勝手に殿下に装飾品を選ぶのは失礼に当たりますよね?婚約者の方とご一緒に装飾品を選ばれますか、殿下?」
「安心してください!」
「はい?」
「俺には婚約者はいません!恋人も愛人もいません。ですから、セツ様の望むままに装飾品を選んでください!」
うーむ。ブリギッタ殿下はウルスラの言うとおり女嫌いなのか?しかし、この年齢で婚約者がいないのはまずいだろ。
パウル陛下に子はいない。ブリギッタ殿下も、この様子では隠し子もいなさそうだ。第三王子の情報はまだ仕入れていないが、ダニエル殿下にも子がないと・・王家は誰が継ぐのだろうか?
戦争してる場合ではないだろ。
「ブリギッタ殿下はとても知的な美男子ですから、女性が放ってはおかないのでは?それに、年齢的に結婚していても不思議ではありません。婚約者がいらっしゃらないのはどうしてですか、ブリギッタ殿下?」
俺は思いきって突っ込んで聞いてみた。だが、反応を示したのは殿下ではなくウルスラだった。
「セツ様・・情報収集は節度を持って行って頂きたい。人の心に土足で踏み入る事は、情報収集ではありません。これ以上の発言は、俺が許しません」
ウルスラに怒られた。彼が怖い顔をして俺を見つめる。俺はその視線から逃れた。でも、怒られて当然だ。ブリギッタ殿下に謝らないと。どうしよう。なんて謝ろう。
「聖女様!」
「はい!」
俺は考え事を止めてブリギッタ殿下に視線を向けた。いつの間にか、俺は俯いていたいたようだ。
「その様な泣きそうな顔をなさらないで下さい、セツ様。俺が女性不振に陥った原因は・・とてもつまらない事が切っ掛けなのです」
「ブリギッタ殿下・・」
◆◆◆◆◆
「ウルスラ!今、聖女様が俺のことを大切なお方だと仰った。どういう意味だ?そのままの意味か?いや、別の意味かもしれない」
「セツ様は神殿に行くために、適当な発言をしているだけだ。女の言葉は簡単に信じない女嫌いの癖に、男の言葉に簡単に騙されるとは。バカなのか、ブリギッタ!」
「バカとはなんだ!バカとは!」
「乳母兄弟の愛の鞭だ。受け取れ」
「不要だ。返却する」
ふむ、仲のよい乳母兄弟だ。
それにしても、失念するところだった。ブリギッタ殿下には是非とも装飾品を身につけて貰わないと。
首フェチ魔術師にまた呪いを掛けられると厄介だからな。殿下だって、男聖女に首をハムハムされるのは苦痛だろうし。
ん、待てよ。
「ブリギッタ殿下」
「はい、聖女様!」
ウルスラと言い合いをしていた殿下が、俺の言葉に即座に反応してくれた。愛犬のような可愛さ。
いやいや、第二王子を犬に例えるなど不敬だ。
「失礼しました、殿下」
「どうされましたか、聖女様?」
「実は、ブリギッタ殿下の婚約者の存在を、すっかり忘れておりました。男聖女とはいえ、勝手に殿下に装飾品を選ぶのは失礼に当たりますよね?婚約者の方とご一緒に装飾品を選ばれますか、殿下?」
「安心してください!」
「はい?」
「俺には婚約者はいません!恋人も愛人もいません。ですから、セツ様の望むままに装飾品を選んでください!」
うーむ。ブリギッタ殿下はウルスラの言うとおり女嫌いなのか?しかし、この年齢で婚約者がいないのはまずいだろ。
パウル陛下に子はいない。ブリギッタ殿下も、この様子では隠し子もいなさそうだ。第三王子の情報はまだ仕入れていないが、ダニエル殿下にも子がないと・・王家は誰が継ぐのだろうか?
戦争してる場合ではないだろ。
「ブリギッタ殿下はとても知的な美男子ですから、女性が放ってはおかないのでは?それに、年齢的に結婚していても不思議ではありません。婚約者がいらっしゃらないのはどうしてですか、ブリギッタ殿下?」
俺は思いきって突っ込んで聞いてみた。だが、反応を示したのは殿下ではなくウルスラだった。
「セツ様・・情報収集は節度を持って行って頂きたい。人の心に土足で踏み入る事は、情報収集ではありません。これ以上の発言は、俺が許しません」
ウルスラに怒られた。彼が怖い顔をして俺を見つめる。俺はその視線から逃れた。でも、怒られて当然だ。ブリギッタ殿下に謝らないと。どうしよう。なんて謝ろう。
「聖女様!」
「はい!」
俺は考え事を止めてブリギッタ殿下に視線を向けた。いつの間にか、俺は俯いていたいたようだ。
「その様な泣きそうな顔をなさらないで下さい、セツ様。俺が女性不振に陥った原因は・・とてもつまらない事が切っ掛けなのです」
「ブリギッタ殿下・・」
◆◆◆◆◆
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~
槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。
公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。
そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。
アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。
その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。
そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。
義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。
そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。
完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。