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ブリギッタ殿下の告白
◆◆◆◆◆
俺はウルスラに一瞬目をやったが、彼は殿下を見つめたまま黙っている。
「公爵が実権を握っていた時期、俺は貴族の子女に無視され王子としては屈辱的な扱いを受けていました。同時期に、俺の婚約者が弟のダニエルに接近して誘惑したのです。俺はそれを知り、彼女との婚約を破棄しました」
「殿下、もうそれ以上は・・」
「いえ、すべてを話させて下さい」
「はい、ブリギッタ殿下」
「時が流れて兄上が実権を握り、公爵が宮廷での地位を失うと・・貴族の女性は俺に群がってきました。元婚約者にまで復縁を迫られ・・俺は女性を浅ましい生き物だと思った。同時に、俺は女性を恐れるようになってしまったのです。それ以来、女性とは関わりを絶っています。王子の立場として婚約者を持たね事は、問題であると承知しています。ですが、無理なのです」
ブリギッタ殿下のトラウマを掘り起こしてしまった。第二王子の女性不振は深刻だ。
しかし、若い殿下が女性を絶つなどできるかな?もしかして、男色家になったとか?
まて、思考が混乱して下品になっている。まずい・・どうしょう。とにかく、ブリギッタ殿下に謝ろう。
俺は椅子から立ち上がり、ブリギッタ殿下に向き直った。そして、頭を深く下げた。
「聖女様!」
「ブリギッタ殿下、気遣いの足らぬ行為をしました。申し訳ございません。気を悪くされた事でしょう・・心から謝罪します、殿下」
「聖女様、どうぞ顔を上げてください。俺は話せて良かったと思っております。王位継承権を持つものが、貴族の女性が怖くて子をなせぬかもしぬなど・・このような機会がなければ口に出来ぬ事です。話す機会を下さったセツ様に感謝します」
「殿下・・」
殿下に『セツ様』と名を呼ばれて、俺は顔をあげた。ブリギッタ殿下と視線が絡む。だけど、第二王子はすぐに視線をそらしてしまった。
ブリギッタ殿下が唇を噛み締めている。その唇が少し緩みポツリと呟いた。
「恥ずかしい限りです、聖女様」
「え・・」
「自分が情けないです」
「・・ブリギッタ殿下」
話したくなかったのだ。なのに、俺が無理やり事情を話させてしまった。このまま黙って、何事も無かったように接するのが正解だろうか?
でも、何も言わずに殿下との間にわだかまりが残ったらどうする?
それは嫌だ。
だったら、突っ込むところまで突っ込むしかない。今さら引いてどうする。
よし!
「ブリギッタ殿下、ご安心ください」
「え?」
「私も童貞です」
「はい?」
「私も殿下と同じく女性に縁がなく、童貞なのです!三十歳にして童貞!だから、安心してください。私と共に女性恐怖症を克服しましょう、殿下!」
俺は握り拳を作り、力強く宣言した。だが、ブリギッタ殿下の反応はイマイチだった。そして、ためらいの表情で第二王子が口を開いた。
「俺は童貞ではありません」
「え?」
「童貞ではありません、聖女様」
「え、でも・・女性が怖いって言ってましたよね?ブリギッタ殿下は、私の同志ですよね?童貞仲間でしょ?隠さなくても大丈夫ですよ、殿下?」
俺はウルスラに視線を向けた。すると、ウルスラが口を開いた。
「ブリギッタ殿下の言葉は真実ですよ、セツ様。殿下も男ですから性欲は溜まります。性欲を持て余し問題行動を起こす前に、俺が殿下に娼館に通うように進言しました」
「・・し、娼館」
「申し訳ない、聖女様」
あう。
同志童貞を失った。
◆◆◆◆◆
俺はウルスラに一瞬目をやったが、彼は殿下を見つめたまま黙っている。
「公爵が実権を握っていた時期、俺は貴族の子女に無視され王子としては屈辱的な扱いを受けていました。同時期に、俺の婚約者が弟のダニエルに接近して誘惑したのです。俺はそれを知り、彼女との婚約を破棄しました」
「殿下、もうそれ以上は・・」
「いえ、すべてを話させて下さい」
「はい、ブリギッタ殿下」
「時が流れて兄上が実権を握り、公爵が宮廷での地位を失うと・・貴族の女性は俺に群がってきました。元婚約者にまで復縁を迫られ・・俺は女性を浅ましい生き物だと思った。同時に、俺は女性を恐れるようになってしまったのです。それ以来、女性とは関わりを絶っています。王子の立場として婚約者を持たね事は、問題であると承知しています。ですが、無理なのです」
ブリギッタ殿下のトラウマを掘り起こしてしまった。第二王子の女性不振は深刻だ。
しかし、若い殿下が女性を絶つなどできるかな?もしかして、男色家になったとか?
まて、思考が混乱して下品になっている。まずい・・どうしょう。とにかく、ブリギッタ殿下に謝ろう。
俺は椅子から立ち上がり、ブリギッタ殿下に向き直った。そして、頭を深く下げた。
「聖女様!」
「ブリギッタ殿下、気遣いの足らぬ行為をしました。申し訳ございません。気を悪くされた事でしょう・・心から謝罪します、殿下」
「聖女様、どうぞ顔を上げてください。俺は話せて良かったと思っております。王位継承権を持つものが、貴族の女性が怖くて子をなせぬかもしぬなど・・このような機会がなければ口に出来ぬ事です。話す機会を下さったセツ様に感謝します」
「殿下・・」
殿下に『セツ様』と名を呼ばれて、俺は顔をあげた。ブリギッタ殿下と視線が絡む。だけど、第二王子はすぐに視線をそらしてしまった。
ブリギッタ殿下が唇を噛み締めている。その唇が少し緩みポツリと呟いた。
「恥ずかしい限りです、聖女様」
「え・・」
「自分が情けないです」
「・・ブリギッタ殿下」
話したくなかったのだ。なのに、俺が無理やり事情を話させてしまった。このまま黙って、何事も無かったように接するのが正解だろうか?
でも、何も言わずに殿下との間にわだかまりが残ったらどうする?
それは嫌だ。
だったら、突っ込むところまで突っ込むしかない。今さら引いてどうする。
よし!
「ブリギッタ殿下、ご安心ください」
「え?」
「私も童貞です」
「はい?」
「私も殿下と同じく女性に縁がなく、童貞なのです!三十歳にして童貞!だから、安心してください。私と共に女性恐怖症を克服しましょう、殿下!」
俺は握り拳を作り、力強く宣言した。だが、ブリギッタ殿下の反応はイマイチだった。そして、ためらいの表情で第二王子が口を開いた。
「俺は童貞ではありません」
「え?」
「童貞ではありません、聖女様」
「え、でも・・女性が怖いって言ってましたよね?ブリギッタ殿下は、私の同志ですよね?童貞仲間でしょ?隠さなくても大丈夫ですよ、殿下?」
俺はウルスラに視線を向けた。すると、ウルスラが口を開いた。
「ブリギッタ殿下の言葉は真実ですよ、セツ様。殿下も男ですから性欲は溜まります。性欲を持て余し問題行動を起こす前に、俺が殿下に娼館に通うように進言しました」
「・・し、娼館」
「申し訳ない、聖女様」
あう。
同志童貞を失った。
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