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◆◆◆◆◆
「なるほど・・確かにそうやな。お前を引き取ったのは、警察に駆け込ませない為やな。いいか、涼?お前の親父は、俺の店で殺された。えらい迷惑は話や。で、警察には、この件を伏せている。つまり、秘密ってことやな。分かるな?お前の親父の死は、秘密にせんといかん」
「秘密に?」
「そう、秘密や。だから、お前が警察に駆け込むと非常に困る。もしも、警察に行くなら・・涼を殺す必要が出てくる。あるいは、もっと酷い場所に閉じ込めて、毎日、毎日、嫌なことをされて一生を過ごす。そんな人生は嫌やろ、涼?」
僕は頷いていた。
「俺の欲しいものは、お前がこの部屋で大人しくしていることや。将来の事は何とかしてやる。無戸籍らしいが、戸籍を手に入れることも考えてる。ただし、もっと成長してからやけどな。ガキの戸籍は、手に入りにくいからな。俺は、亡くなった息子と同じ名前の『涼』を不幸にはしたくない。だが、俺もやくざやから、殺さなあかん時は殺す。わかったか、涼?」
「わかった」
桐谷さんは俳優さんではなく、ヤクザだったみたい。ヤクザだったら、お父さんみたいに『パチンコの神様』が降りてくるまで、高級マンションで、ゴロゴロしてるのかな。
ふむ、困った。
おしっこしたくなってきた。
どうしよう。桐谷さんが大事な話をしているのに、おしっこしたい。金持ちマンションのトイレも見てみたい。うーん。
「うーん、うーん・・」
「どうした、涼?」
でもここでお漏らしをしたら、僕の評価は最悪になるはずだ。だって、うんち漏らしたこともバレてるはずだし。恥ずかしいけど、二度の失敗は許されない。
漏らしたら、拳銃でチンチンを撃たれる可能性もある。拳銃は見たいけど、撃たれたら見る暇なく、死にそう。
「桐谷さん、おしっこしたい」
「はぁ?だから、そういう排泄プレイはしなくても、俺はちゃんとお前の面倒を見るってゆうてるやろ?心配せんでええから」
「・・おしっこしたい」
僕はしょげながら、もう一度トイレに行きたいことを伝えた。桐谷さんは僕の事を、排泄プレイ好きの変態だと思っているのかな?悲しい。
「あっ、え!悪い!勘違いした。トイレにすぐに案内するから、ちょい我慢しいや!」
桐谷さんに、突然抱き抱えられた。びっくりして抱きつくと、桐谷さんは慌ただしく部屋を飛び出した。
廊下を走り、扉の前では急停止した。そして、扉を開く。そこからは、高級な香りがした。これは絶対にトイレの香りではない。何故だ!
「くーう、ふぅ、トイレの空気が高級~」
「やめろ、涼!トイレの臭いを嗅ぐな。恥ずかしいやろ!ほら、手伝ってやるから、早くおしっこしろ」
「自分でできます」
「・・それはそうだ」
洋式トイレも、和式トイレも、完全にマスターしている。僕は床に降りると、自信満々にトイレに向かった。
そしたら、洋式トイレの蓋が勝手に開いた。
ビビった。びくって体が飛び上がった。そして、おしっこを漏らした。
「漏らしました・・」
「そ、そうか。だが、涼には罪はない。罪は・・勝手に開いたトイレの蓋にある。俺も、センサー付きトイレにはいまだに慣れんからな。時々びびるし。まあ、漏らしはせんけど」
「ご免なさい、しっかり漏らしました」
「あー、とにかくタオル取ってくる。待ってろ。動くなよ。その位置のまま我慢や」
桐谷さんがタオルを取りに行こうとした時、何処からかガンガンと激しい音が聞こえてきた。それと一緒に、怒鳴り声も聞こえる。
『おいこら、開けろや!桐谷ぃっーー!』
「飯島瑛太か。あいつ、相変わらずの態度やな。玄関の扉をあんなに蹴って・・扉の修理が必要やな」
借金の取り立てだ!前に父さんが闇金に金を借りたとき、取立て屋が扉を蹴って大穴開けたもん!大変だ!ヤバイ!
「桐谷さん、借金の取り立てだよ!今すぐ逃げないと、ぼこぼこに殴られるよ!」
「あ?いや、俺は借金してないから。金は借りるもんやない。貸すもんや。そして、貸し倒れはあかん。ちゃんと貸す相手は見分けんとな」
「じゃあ、高級マンションの大家さんが、家賃を取りに来たの?」
「全く違う。あれは、俺の甥や。全く、兄貴は甘やかしすぎやな。組員の躾はできてるのに、何で息子の躾はできんのか・・ほんま困る。とにかく、涼が着替えるまでは、外で暴れさせとこ」
桐谷さんは優しすぎる。やっぱり、悪い人かもしれない。疑わしい。
◆◆◆◆◆
「なるほど・・確かにそうやな。お前を引き取ったのは、警察に駆け込ませない為やな。いいか、涼?お前の親父は、俺の店で殺された。えらい迷惑は話や。で、警察には、この件を伏せている。つまり、秘密ってことやな。分かるな?お前の親父の死は、秘密にせんといかん」
「秘密に?」
「そう、秘密や。だから、お前が警察に駆け込むと非常に困る。もしも、警察に行くなら・・涼を殺す必要が出てくる。あるいは、もっと酷い場所に閉じ込めて、毎日、毎日、嫌なことをされて一生を過ごす。そんな人生は嫌やろ、涼?」
僕は頷いていた。
「俺の欲しいものは、お前がこの部屋で大人しくしていることや。将来の事は何とかしてやる。無戸籍らしいが、戸籍を手に入れることも考えてる。ただし、もっと成長してからやけどな。ガキの戸籍は、手に入りにくいからな。俺は、亡くなった息子と同じ名前の『涼』を不幸にはしたくない。だが、俺もやくざやから、殺さなあかん時は殺す。わかったか、涼?」
「わかった」
桐谷さんは俳優さんではなく、ヤクザだったみたい。ヤクザだったら、お父さんみたいに『パチンコの神様』が降りてくるまで、高級マンションで、ゴロゴロしてるのかな。
ふむ、困った。
おしっこしたくなってきた。
どうしよう。桐谷さんが大事な話をしているのに、おしっこしたい。金持ちマンションのトイレも見てみたい。うーん。
「うーん、うーん・・」
「どうした、涼?」
でもここでお漏らしをしたら、僕の評価は最悪になるはずだ。だって、うんち漏らしたこともバレてるはずだし。恥ずかしいけど、二度の失敗は許されない。
漏らしたら、拳銃でチンチンを撃たれる可能性もある。拳銃は見たいけど、撃たれたら見る暇なく、死にそう。
「桐谷さん、おしっこしたい」
「はぁ?だから、そういう排泄プレイはしなくても、俺はちゃんとお前の面倒を見るってゆうてるやろ?心配せんでええから」
「・・おしっこしたい」
僕はしょげながら、もう一度トイレに行きたいことを伝えた。桐谷さんは僕の事を、排泄プレイ好きの変態だと思っているのかな?悲しい。
「あっ、え!悪い!勘違いした。トイレにすぐに案内するから、ちょい我慢しいや!」
桐谷さんに、突然抱き抱えられた。びっくりして抱きつくと、桐谷さんは慌ただしく部屋を飛び出した。
廊下を走り、扉の前では急停止した。そして、扉を開く。そこからは、高級な香りがした。これは絶対にトイレの香りではない。何故だ!
「くーう、ふぅ、トイレの空気が高級~」
「やめろ、涼!トイレの臭いを嗅ぐな。恥ずかしいやろ!ほら、手伝ってやるから、早くおしっこしろ」
「自分でできます」
「・・それはそうだ」
洋式トイレも、和式トイレも、完全にマスターしている。僕は床に降りると、自信満々にトイレに向かった。
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ビビった。びくって体が飛び上がった。そして、おしっこを漏らした。
「漏らしました・・」
「そ、そうか。だが、涼には罪はない。罪は・・勝手に開いたトイレの蓋にある。俺も、センサー付きトイレにはいまだに慣れんからな。時々びびるし。まあ、漏らしはせんけど」
「ご免なさい、しっかり漏らしました」
「あー、とにかくタオル取ってくる。待ってろ。動くなよ。その位置のまま我慢や」
桐谷さんがタオルを取りに行こうとした時、何処からかガンガンと激しい音が聞こえてきた。それと一緒に、怒鳴り声も聞こえる。
『おいこら、開けろや!桐谷ぃっーー!』
「飯島瑛太か。あいつ、相変わらずの態度やな。玄関の扉をあんなに蹴って・・扉の修理が必要やな」
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「桐谷さん、借金の取り立てだよ!今すぐ逃げないと、ぼこぼこに殴られるよ!」
「あ?いや、俺は借金してないから。金は借りるもんやない。貸すもんや。そして、貸し倒れはあかん。ちゃんと貸す相手は見分けんとな」
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