書籍化作家の殺人日記【妄想から生まれる殺人鬼とクソキャラの供養塔】

腰痛の放火犯

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腰を痛めて会社を辞めた。ブラック企業で給料も待遇も悪い。さっさと辞めて新しい会社に移るつもりだった。

「くそっ！」

なのに次の会社がキマる前に腰を痛めて、労災出そうとしたら脅されて辞表まで書かされた。自己都合の退社とか‥ふざけんなよ！

ふざけんなよと思ったけど、その時には言えなかった。職安で仕事を探してるけど、肉体労働の募集しかない。腰痛いのに重い荷物なんか持てるかよ。

俺はニートとかじゃない。ちゃんと仕事をしていた。その結果腰を痛めた犠牲者だろ。普通そういう人間には優先していい仕事を回せよ！ムカつく。

同じアパートにニートがいる。奴は働いていないのに生活してる。大家に聞いたら生活保護をもらってるらしい。住宅の手当も出るらしくて、家賃を滞納する事もないらしい。ムカつく事に大家は俺が時々家賃を滞納することをネチネチ責めた。

ふざけんなっての！

奴は生活保護で家賃を払ってるのに、俺よりあいつの方が偉いってのか？こっちが職安に真面目に通ってるのに、あいつは昼間から寝てる。

ムカつくから俺も生活保護を貰うことにした。なのに、窓口で若いからと断られた。職安では年を食ってるからと職を断られ、生活保護は若いからと断られる。世の中おかしいだろ。

役所の奴が腰の具合が相当悪いなら生活保護下りるかもって言うから病院に行った。そしたら、整形外科のヤブ医者はレントゲン写真を診て『特に問題ない』と言いやがった。

こんなに痛いのに問題なしってなんでだよ！薮医者が！患者は老人ばかりで、国の金食い虫としか思えない。

むしゃくしゃしてた。

アパートの階段上がったら、ちょうどニートが部屋から出てきた。ゴミ出しらしい。俺の隣を通り過ぎるとき臭い匂いがした。俺が舌打ちすると、そいつが俺を見て鼻で笑いやがった。

許せなかった。
全部が。

だからニートがゴミ出しから戻ってきたところをバッドで殴った。気絶した男を奴の部屋に引き込んで床に転がす。持ってきたオイルライターを色褪せた畳に巻いて、火の付いたライターを投げ捨てた。

◇◇◇

火のまわりが早くてびっくりした！
足を火傷するとは思わなかったけど、そのままアパートを飛び出す。行き先は決めてない。放火も思いつきでやったから、逃げるさきなんて決めてない。


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