ラグビー部の男子生徒に告白された男性教師はビビる!

月歌(ツキウタ)

文字の大きさ
1 / 1

「先生、好きです」「え?」

◆◆◆◆◆


「先生、好きです」
「え?」

教師の立花は生徒の赤坂に相談があると呼び出された。呼び出し先は校舎裏の人気のない場所。その事を不審に思いながらも、生徒の相談事を無下にできず立花は赤坂と会った。

その生徒の第一声が『先生、好きです』だった。立花は無意識に『え?』と聞き返す。

「俺が卒業したら‥付き合ってもらえますか、立花先生?」

「赤坂‥」

立花は生徒の思いがけない発言に二の句が継げなかった。

◇◇◇◇

なにこれ?どうなってるのこれ?男子生徒に告白されたんだが。え、俺は男ですけど。教師なんですけど。ラグビー部の主将だよな、コイツ。めっちゃデカくて怖いんですけど。

「待ってくれないか、赤坂。その、私は君を惑わず様な態度を取った記憶はないのだが‥それについては同意してくれるかな?」

まずは俺の教師としての立場を守らねば。こんな時の為にペン型録音装置を用意しているのだ。よし、録音開始!

「どうした、赤坂?黙っていてはわからないぞ?」

女子生徒に対抗する為に録音装置を持ち歩いていたが、何故か女子から告白は一度もない。それなのに、男子生徒に使うことになるとは‥。

「立花先生は‥その‥」
「‥‥うん?」
「立花先生は全てがセクシーです!」
「っ!?」

いや、何いってんのコイツ?俺の全てがセクシーってどういうことだよ。くそ、ギラギラした視線を向けないでくれ。は、恥ずかしいじゃないか!!

「男にセクシーはおかしいよな?少し落ち着こうか、赤坂」
「おかしくありません!立花先生の白い肌を想像するだけでイケます!」

イケるってなに?抜けるってこと?やめてくれ。俺はノンケなんだ。そんな目で見られたらキモい。いや、今の言葉は教師としてアウトだ。そういえば赤坂はホモ‥同性愛者なのだろうか?

「その‥‥赤坂は男が好きなのか?」

「違います。女は等しく好きです。でも、男で好きなのは先生だけです。つまり、本物ということです!」

「‥‥‥‥」

本物って何が?本物の恋ってことか。大体、女は等しく好きとは何事だ!まさか、コイツ‥非童貞なのか?俺はまだ童貞なのに。クソが!!

「くっ!」
「立花先生?」
「‥何でもない」

とにかく、傷つけないように断らなくては。しかし、どう断る?男は趣味じゃないとか?いや、これは差別につながる。第一、女でも教師と生徒の段階で付き合うのは無理だ。俺は波乱万丈の人生など送りたくない!!

「悪いが、生徒と教師では付き合えない。君の気持ちには応じられない」

「卒業してからなら、生徒と教師ではなくなりますよね?俺は高三だし、もうすぐ卒業です。そうすれば‥先生を抱けますよね?」

あかん!こいつは駄目な奴だ。相手の気持ちを思いやれない時点で、恋人としてはアウト過ぎる。大体、先生に向かって抱きたいとは何だ、クソが!あれか?俺が童貞と思って舐めてんのか?俺だってお前ぐらい抱けるわ!

「‥‥‥‥‥っ」

抱かない、抱かない!ふー、危ない。思考が変になってきた。もう、あれだ。きっぱり振ろう。面倒くさくなってきた。

「悪いが君とは付き合えない。この話はこれで終わりだ、赤坂」
「立花先生!」
「っ、なっ、ちょっと待て!」

校舎裏。
男子生徒に抱き込まれた。

ヒィィ、なにこれ?どういう状況?やばい、こんなところを人に見られたら!ぐおお、締めつけがすごい。さすがはラグビー部主将!

「立花先生、逃げないで。俺は本気なんです。本気で好きで」

ズギュー~ん。いや、ズキューンじゃねえ。可愛くないから。うお、股を擦り付けるな!しかもゴリゴリしてる。盛るな!怖いだろ、盛るんじゃねえ。

「赤坂、はなせ!」
「はなしません!」

「おふざけでは済ませられなくなる。早くはなせ、赤坂!」

「ふざけてない!俺は先生が好きだ」

ヤバい。ぐりぐりされて‥俺のアレが勃ちそうだ!風俗行けてなかったのが敗因。うおおー、気づかれたくない。

「はーい、そこまで!」

バチン!!

「いてっ!」
「っ!」

不意に赤坂が俺からはなれる。彼の背後には山崎先生がいた。体育教師で苦手なタイプの山崎。うおっ、最悪なのに見られた。

「思春期だからって見境なく人に抱きつくな、赤坂。それから、不祥事を起こせばラグビーでの大学推薦は取り消されるぞ?そうはなりたくないだろ?」

「俺を脅すつもりですか、先生?」
「お前が立花先生を脅してたんだろーが。いい加減にしろ、赤坂」

うぉ、山崎先生が獰猛な声出した。お、ちょっと赤坂の奴ビビったな。よし、そのまま引いてくれ。

「分かりました。でも、卒業したら俺の自由にしていいですよね、山崎先生?卒業すれば、俺と先生は対等な関係ですよね?」

赤坂負けてないー。いや、もう負けてくれ。大学の推薦も掛かってるのに、一時の気の迷いで人生を棒に振るな。ほら、早くひけ。

「卒業できたら立場は同等だな。だが、今は違う。今日は試験前で部活はないはずだろ?さっさと帰宅して勉強しな。学生の本分を忘れるな、赤坂‥‥」

赤坂が不意に頭を下げた。だが、その目はギラギラしていた。

「分かりました‥帰宅します」
「そうしろ」
「立花先生!」
「っ!」
「俺は本気ですから!!」

赤坂は俺にも一礼して立ち去った。

その場に崩れそになる俺を、山崎先生が支える。俺の顔を覗きながら、山崎は意地悪な表情で笑う。

「災難だったな、立花先生?」
「‥‥助かりました、山崎先生」
「赤坂の奴、本気っぽいですね」
「一時の気の迷いですよ。思春期ですし」

山崎が俺の肩を抱いたまま歩き出す。何で肩を抱く。もうふらついてないのだが。


「いや~、あれは本気でしょう。」
「そんなはずは‥‥」
「卒業までに彼氏を作った方がいいですよ、立花先生?」
「そこは彼氏じゃなく彼女でしょ」

「どうでしょうね。自分の彼氏が赤坂に狙いを定められてたら、通常の女なら逃げると思いますよ?」

俺は反論しようとしてやめた。女性と付き合ったことはないが、俺が女なら厄介事には巻き込まれないようにする。波乱万丈の人生なんて、いらん!

「どうすればいいですかね‥」
「俺と付き合いますか?」
「は?」
「どうです?」

山崎がニヤつきながら俺の顔を覗き込む。整った顔立ちの山崎の言葉に、すこしどきりとした。その気持ちを振り払うために、山崎の腕を剥がして先を歩く。

「冗談はやめて下さい」
「そうですね。でも、立花先生」
「はい?」
「本当に困った時には相談して下さい。」

俺は思わず山崎の顔を見つめる。真剣な眼差しに思わず視線をそらす。

「その時は‥‥相談します」
「そうして下さい」

すこし距離を置きながら職員室に向かう。何故だか、背中が熱い。頬が赤らむ。こんな気持ちは初めてだ。



◆◆◆◆◆
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

田中家の男たち…

B
BL
田中家… ごく普通のどこにでもいる5人家族… そんな田中家の男たち… 父親-田中駿-Shunー in one's 40s businessman 長男-田中慎二-Sinjiー in one's 10s 男子高校生 次男-田中守-Mamoruー in one's 10s男子中学生 祖父-田中昂-Noboruー in one's 60s free-lance

元カレに追い出された専門学生がネカフェでP活相手のパパちんぽに理解らせられてトロトロのメロメロになっちゃう話

ルシーアンナ
BL
既婚子持ちバイ×専門学生 Pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27436158 ムーンライトノベルズ https://novel18.syosetu.com/n1512ls/ fujossy https://fujossy.jp/books/31185

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。