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好みのアルファ、マッチング用紙
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◆◆◆◆◆
「では暁月さま。こちらのマッチング用紙に好みのアルファ男性の特徴と、婚姻に際しての条件をお書きいただけますか?備考欄には避けたいアルファ男性の特徴を記入して下さい。できるだけ詳しく書いてくださいね」
三日月アドバイザーから、マッチング用紙と鉛筆を渡された。書き方の見本も渡されたので、それを眺めつつ取りかかる。
「飲み物をまだ出していませんでしたね。失礼しました、暁月さま。飲み物を用意してきます。コーヒーでよろしいですか?」
「あ、コーヒーでお願いします」
「では、少し席を外しますので、ゆっくりとご記入下さい」
三日月が立ち上がり部屋を出ていった。もしかすると、俺が本心を気兼ねなく書けるように、席を外したのかもしれない。
「よし、書こう!」
まずは、アルファ男性の年齢。
「俺が25歳だから‥‥相手は25~30歳くらいまでがいいかな。あまり年齢が離れると会話に困りそうだしな」
年齢欄に25歳~30歳と記入した。
「次は年収か。婚姻したら専業主夫かなぁ。抑制剤が効く体質だから今のリモート仕事を続けるとして‥‥正直金銭的には小遣い程度だからな。」
俺はペン先で用紙を突きながら、考えモードに突入する。成婚し番になれば子を得られるかもしれない。オメガ男子の体調を考慮して妊娠出産は一回が推奨されているが、できれば二人欲しい。そうなると、教育費もかかるよな‥‥。
「アルファ男子の年収は手取りで1000万以上で。優良企業に努めていると好ましい。こんな感じかな?まあ、アルファは優秀だしこれくらい稼いでいるよな!さて、次!」
好みのアルファ男性について詳しく書く欄だ。これは重要だな。
「健康的な筋肉質で雄っぱいが弾けるアルファ男性。雄の色気で周囲をメロメロにさせる。性格は優しく俺だけを愛してくれる。浮気は絶対に駄目!アルファ男性のオメガ経験値は問わない。性癖は普通の人。健康体で長生きしそうな人」
ちょっと書きすぎたかな。空欄からはみ出てしまった。まあいい、次だ。備考欄は生理的に駄目なアルファ男子だな
「禿げていてタバコを吸うひと。パチンコやギャンブルにハマる人。ただし、競馬は可。オメガ男子を差別する人間は論外。性奴隷やヤれる家政婦扱いするやつは駄目。オメガ男子とのお泊り会を禁止する人とは付き合えない。太っているのも好ましくない。節約家すぎるのも困る」
うーん。備考欄からまたはみ出してしまった。そんな事を考えていると、三日月アドバイザーが帰ってきた。ベータ男子はにこやかにコーヒーを俺に渡すと、マッチング用紙を覗き込んできた。そして、一言。
「婚活をなめすぎです!」
「え?」
三日月アドバイザーは俺が書いたマッチング用紙を手に取ると、縦に割いた。そしてぐぐっと丸めると、ゴミ箱に捨てた。
「あ~」
「もう一度マッチング用紙をご用意いたしますね、暁月さま」
アドバイザーが闇を含んだ顔で笑う。
超怖い!婚活、もうやめたい~!
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「では暁月さま。こちらのマッチング用紙に好みのアルファ男性の特徴と、婚姻に際しての条件をお書きいただけますか?備考欄には避けたいアルファ男性の特徴を記入して下さい。できるだけ詳しく書いてくださいね」
三日月アドバイザーから、マッチング用紙と鉛筆を渡された。書き方の見本も渡されたので、それを眺めつつ取りかかる。
「飲み物をまだ出していませんでしたね。失礼しました、暁月さま。飲み物を用意してきます。コーヒーでよろしいですか?」
「あ、コーヒーでお願いします」
「では、少し席を外しますので、ゆっくりとご記入下さい」
三日月が立ち上がり部屋を出ていった。もしかすると、俺が本心を気兼ねなく書けるように、席を外したのかもしれない。
「よし、書こう!」
まずは、アルファ男性の年齢。
「俺が25歳だから‥‥相手は25~30歳くらいまでがいいかな。あまり年齢が離れると会話に困りそうだしな」
年齢欄に25歳~30歳と記入した。
「次は年収か。婚姻したら専業主夫かなぁ。抑制剤が効く体質だから今のリモート仕事を続けるとして‥‥正直金銭的には小遣い程度だからな。」
俺はペン先で用紙を突きながら、考えモードに突入する。成婚し番になれば子を得られるかもしれない。オメガ男子の体調を考慮して妊娠出産は一回が推奨されているが、できれば二人欲しい。そうなると、教育費もかかるよな‥‥。
「アルファ男子の年収は手取りで1000万以上で。優良企業に努めていると好ましい。こんな感じかな?まあ、アルファは優秀だしこれくらい稼いでいるよな!さて、次!」
好みのアルファ男性について詳しく書く欄だ。これは重要だな。
「健康的な筋肉質で雄っぱいが弾けるアルファ男性。雄の色気で周囲をメロメロにさせる。性格は優しく俺だけを愛してくれる。浮気は絶対に駄目!アルファ男性のオメガ経験値は問わない。性癖は普通の人。健康体で長生きしそうな人」
ちょっと書きすぎたかな。空欄からはみ出てしまった。まあいい、次だ。備考欄は生理的に駄目なアルファ男子だな
「禿げていてタバコを吸うひと。パチンコやギャンブルにハマる人。ただし、競馬は可。オメガ男子を差別する人間は論外。性奴隷やヤれる家政婦扱いするやつは駄目。オメガ男子とのお泊り会を禁止する人とは付き合えない。太っているのも好ましくない。節約家すぎるのも困る」
うーん。備考欄からまたはみ出してしまった。そんな事を考えていると、三日月アドバイザーが帰ってきた。ベータ男子はにこやかにコーヒーを俺に渡すと、マッチング用紙を覗き込んできた。そして、一言。
「婚活をなめすぎです!」
「え?」
三日月アドバイザーは俺が書いたマッチング用紙を手に取ると、縦に割いた。そしてぐぐっと丸めると、ゴミ箱に捨てた。
「あ~」
「もう一度マッチング用紙をご用意いたしますね、暁月さま」
アドバイザーが闇を含んだ顔で笑う。
超怖い!婚活、もうやめたい~!
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