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骸骨を殴る
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◆◆◆◆◆
13歳の時に私は『聖』属性だと診断された。『聖』はすごく貴重で学園でも注目の的になった。
有頂天になっていたけど、魔法の練習は頑張ったのよ。そう、頑張ったけど‥‥全然結果に繋がらないの。本当に泣けるわ。
『聖』属性の魔法が全く使えない事実は、魔法少女に憧れていた私をどん底につき落としたの。
聖魔法はもちろん光属性の白魔法も回復魔法もまったく使えなかった。聖属性なら光属性もひょいひょいって使えるはずなのに。
悲しい。
非常に悲しすぎて、性格が陰気になってしまった。聖属性のインキちゃんとは私のことよ。
学園時代はとにかくさみしい毎日で、彼氏どころか友達もできなかった。魔法学校で魔法使えない陰キャは終わってた。
まず、班活動ができない。
一緒に野外活動に行っても、役立たずだからハブられる。仕方がないので、いつも先生のグループに入れてもらっていた。
こんな恥ずかしい状況を兄上に伝えることもできずに、お手紙には友達との嘘の楽しいイベントを書き綴って送ったわ。兄上は病床の父に代わって次期当主として領地運営をしているの。
そんな兄上に負担は掛けたくない。
王都の魔法学校の寄宿舎は陰キャの私には苦痛だけど、その内にコミュ力も付いて友達の一人ぐらい‥‥多分できると思うの。
と、思っていたのだけど。
一年が過ぎても友達はできなかった。どんなけ陰キャなの、私は!
でも、事実は受け止めねばならないもの。友達はできぬままに進級試験が来てしまった。進級試験には親族が来るのが恒例となっている。
つまり、麗しの兄上が領地よりお出でになるってこと。それなのに、もしも私が進級できなかったらどうなるの。
もうすぐ私は14歳。
14歳の聖属性が13歳の子供に混じって一年生をやり直すなんて辛すぎる。だめよ、絶対に!
進級試験ではモンスターを一匹倒せば進級完了。学園内の闘技場に召喚魔法でモンスターを呼び出して、それをグループで攻略する。
まあ、私はついに友達ができずに担任の先生とパートナーを組むわけどね。
進級試験当日。
兄上が来てくださった。私を抱き上げてくれてよしよししてくれたから、ぎゅ~って抱きしめ返した。
兄上大好き~。
そんな兄上を喜ばせるために、私は進級試験を絶対に!絶対に!合格しなければならないの。
召喚魔法の先生は聖属性と相性の良いアンデッドモンスターを召喚してくれた。
さて‥‥。
私は魔法が使えない。
なので、殴るしかないのです!
担任の先生にバーサーカーの魔法を掛けてもらって、突撃する。
白い骸骨目掛けて猪突猛進。問題ない。地面を駆けてアンデッドモンスターの様子を見る。
「遅い」
アンデッドの背後を取ると一気に地面を蹴っ飛ばして飛び上がり骸骨を殴った。
「聖属性の杖は超絶にかたいのだ」
地面に降りたら素早く背後に飛ぶ。うむ?アンデッドに攻撃を加えたのに動かないぞ。
逝ったか?逝ったのか?
「油断するな!」
担任の先生の声でハッとした。しまった!殺ったと思って兄上に手を振っていた。その隙を付いて骸骨だけが飛んできた。
そして、左手を噛まれた~~~~!
「ヒィいー~~~!」
ブシューっと手から血がでてますが、大丈夫ですかね、これ?いや、大丈夫じゃない。うお、バーサーカー状態だから痛みを感じないのがこれ幸い!
「この野郎が!」
左手に齧りついた間抜けな骸骨の脳天に、右手に握った聖の杖を突き刺す。何度も突き刺す。
なんだ、めちゃ固い!
「おい、これは学生にはレベルが高すぎる!召喚魔法で引っ込めてくれ!」
担任の先生が召喚魔法の先生にそう伝えたが、なんだか様子がおかしい。骸骨と戦いながら召喚魔法の先生を見ていたら、悪魔の尻尾がニョキニョキ生えてきた。
「うぉ、学園に悪魔侵入です!」
私が目一杯の声で注意喚起すると、学園の先生方が先生に化けた悪魔に対峙する。
だが、その前に悪魔は消滅していた。兄上が競技場に飛び込み、聖魔法で心臓を射抜いたからだ。兄上の手のひらには悪魔の心臓がドクドクと脈打っている。それ以外は灰となって飛び去った。
流石です、兄上!
「ライラ、その骸骨をどうする?」
「兄上!もちろん私が始末します。手出しはなさらないで下さい!」
兄上は悪魔の心臓を先生に手渡すと、真っ白なハンカチで手を拭った。紅く染まるハンカチが色っぽい。お兄様、最高!
いや、その前にこいつに一撃を加えてやる。私が編み出した必殺技!
「ひーひーふー!」
『ふー』で体内の聖を一気に吐き出して杖に宿す。そして、骸骨を即死させた。粉々に砕けた骸骨を足で踏みつけてもう一度!
「ひーひーふー!」
足元に聖を噴出して地面に散らばった骸骨の欠片を一気に浄化する。勘違いされると困るので解説すると、噴出したのはオナラではない。
これは子を生む際に母親が使う呼吸法でラマーズ法という!出産は聖と深い関わりがあることからこのラマーズ法を取り入れたところ、聖を噴出することに成功したのだ。
至近距離の噴出しかできないが、これがなかなかに使える。骸骨に噛みつかれて今にも左手がもげそうだが大丈夫。
「ひーひーふーーーーー!」
『ふー』で一気に聖を放出する。ブチッと音を立てて左手が落ちた。うむ、失敗した。落ちた左手を潰して浄化する。そして、もう一度精神を集中する。
大丈夫。
子供を生み出すように、新しい左手を生み出すだけ。
「ひーひーふー」
今回はうまく左手が作られていく。解剖の逆回転で腕が作られていく。解剖学が苦手な私にどうしてこんな事ができるのか。
素晴らしいわ、私!
と、思っていたら‥‥左手の薬指がすごく太くなってしまった。これでは婚約指輪をハメられない。
「兄上~~~~~!」
私は兄上に向かって走り出して抱きついた。そして、左手の薬指を指さして喚く。
「婚約できません!婚約できないです!お兄様、どうしましょう!」
「婚約も婚姻もする必要はないが‥‥これでは可愛そうだね。」
兄上が太った薬指にキスをしてくれた。するとぽわりと暖かくなって見る間に指がほっそりとした。
やはり、兄上の聖魔法はすごい!
「兄上、ありがとうございます!」
「どういたしまして」
こうして、私の進級試験は終わりました。結果はどうだったかって?もちろん合格しました。
無事に2年生になった私は、女の子の友達を作ります!!
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13歳の時に私は『聖』属性だと診断された。『聖』はすごく貴重で学園でも注目の的になった。
有頂天になっていたけど、魔法の練習は頑張ったのよ。そう、頑張ったけど‥‥全然結果に繋がらないの。本当に泣けるわ。
『聖』属性の魔法が全く使えない事実は、魔法少女に憧れていた私をどん底につき落としたの。
聖魔法はもちろん光属性の白魔法も回復魔法もまったく使えなかった。聖属性なら光属性もひょいひょいって使えるはずなのに。
悲しい。
非常に悲しすぎて、性格が陰気になってしまった。聖属性のインキちゃんとは私のことよ。
学園時代はとにかくさみしい毎日で、彼氏どころか友達もできなかった。魔法学校で魔法使えない陰キャは終わってた。
まず、班活動ができない。
一緒に野外活動に行っても、役立たずだからハブられる。仕方がないので、いつも先生のグループに入れてもらっていた。
こんな恥ずかしい状況を兄上に伝えることもできずに、お手紙には友達との嘘の楽しいイベントを書き綴って送ったわ。兄上は病床の父に代わって次期当主として領地運営をしているの。
そんな兄上に負担は掛けたくない。
王都の魔法学校の寄宿舎は陰キャの私には苦痛だけど、その内にコミュ力も付いて友達の一人ぐらい‥‥多分できると思うの。
と、思っていたのだけど。
一年が過ぎても友達はできなかった。どんなけ陰キャなの、私は!
でも、事実は受け止めねばならないもの。友達はできぬままに進級試験が来てしまった。進級試験には親族が来るのが恒例となっている。
つまり、麗しの兄上が領地よりお出でになるってこと。それなのに、もしも私が進級できなかったらどうなるの。
もうすぐ私は14歳。
14歳の聖属性が13歳の子供に混じって一年生をやり直すなんて辛すぎる。だめよ、絶対に!
進級試験ではモンスターを一匹倒せば進級完了。学園内の闘技場に召喚魔法でモンスターを呼び出して、それをグループで攻略する。
まあ、私はついに友達ができずに担任の先生とパートナーを組むわけどね。
進級試験当日。
兄上が来てくださった。私を抱き上げてくれてよしよししてくれたから、ぎゅ~って抱きしめ返した。
兄上大好き~。
そんな兄上を喜ばせるために、私は進級試験を絶対に!絶対に!合格しなければならないの。
召喚魔法の先生は聖属性と相性の良いアンデッドモンスターを召喚してくれた。
さて‥‥。
私は魔法が使えない。
なので、殴るしかないのです!
担任の先生にバーサーカーの魔法を掛けてもらって、突撃する。
白い骸骨目掛けて猪突猛進。問題ない。地面を駆けてアンデッドモンスターの様子を見る。
「遅い」
アンデッドの背後を取ると一気に地面を蹴っ飛ばして飛び上がり骸骨を殴った。
「聖属性の杖は超絶にかたいのだ」
地面に降りたら素早く背後に飛ぶ。うむ?アンデッドに攻撃を加えたのに動かないぞ。
逝ったか?逝ったのか?
「油断するな!」
担任の先生の声でハッとした。しまった!殺ったと思って兄上に手を振っていた。その隙を付いて骸骨だけが飛んできた。
そして、左手を噛まれた~~~~!
「ヒィいー~~~!」
ブシューっと手から血がでてますが、大丈夫ですかね、これ?いや、大丈夫じゃない。うお、バーサーカー状態だから痛みを感じないのがこれ幸い!
「この野郎が!」
左手に齧りついた間抜けな骸骨の脳天に、右手に握った聖の杖を突き刺す。何度も突き刺す。
なんだ、めちゃ固い!
「おい、これは学生にはレベルが高すぎる!召喚魔法で引っ込めてくれ!」
担任の先生が召喚魔法の先生にそう伝えたが、なんだか様子がおかしい。骸骨と戦いながら召喚魔法の先生を見ていたら、悪魔の尻尾がニョキニョキ生えてきた。
「うぉ、学園に悪魔侵入です!」
私が目一杯の声で注意喚起すると、学園の先生方が先生に化けた悪魔に対峙する。
だが、その前に悪魔は消滅していた。兄上が競技場に飛び込み、聖魔法で心臓を射抜いたからだ。兄上の手のひらには悪魔の心臓がドクドクと脈打っている。それ以外は灰となって飛び去った。
流石です、兄上!
「ライラ、その骸骨をどうする?」
「兄上!もちろん私が始末します。手出しはなさらないで下さい!」
兄上は悪魔の心臓を先生に手渡すと、真っ白なハンカチで手を拭った。紅く染まるハンカチが色っぽい。お兄様、最高!
いや、その前にこいつに一撃を加えてやる。私が編み出した必殺技!
「ひーひーふー!」
『ふー』で体内の聖を一気に吐き出して杖に宿す。そして、骸骨を即死させた。粉々に砕けた骸骨を足で踏みつけてもう一度!
「ひーひーふー!」
足元に聖を噴出して地面に散らばった骸骨の欠片を一気に浄化する。勘違いされると困るので解説すると、噴出したのはオナラではない。
これは子を生む際に母親が使う呼吸法でラマーズ法という!出産は聖と深い関わりがあることからこのラマーズ法を取り入れたところ、聖を噴出することに成功したのだ。
至近距離の噴出しかできないが、これがなかなかに使える。骸骨に噛みつかれて今にも左手がもげそうだが大丈夫。
「ひーひーふーーーーー!」
『ふー』で一気に聖を放出する。ブチッと音を立てて左手が落ちた。うむ、失敗した。落ちた左手を潰して浄化する。そして、もう一度精神を集中する。
大丈夫。
子供を生み出すように、新しい左手を生み出すだけ。
「ひーひーふー」
今回はうまく左手が作られていく。解剖の逆回転で腕が作られていく。解剖学が苦手な私にどうしてこんな事ができるのか。
素晴らしいわ、私!
と、思っていたら‥‥左手の薬指がすごく太くなってしまった。これでは婚約指輪をハメられない。
「兄上~~~~~!」
私は兄上に向かって走り出して抱きついた。そして、左手の薬指を指さして喚く。
「婚約できません!婚約できないです!お兄様、どうしましょう!」
「婚約も婚姻もする必要はないが‥‥これでは可愛そうだね。」
兄上が太った薬指にキスをしてくれた。するとぽわりと暖かくなって見る間に指がほっそりとした。
やはり、兄上の聖魔法はすごい!
「兄上、ありがとうございます!」
「どういたしまして」
こうして、私の進級試験は終わりました。結果はどうだったかって?もちろん合格しました。
無事に2年生になった私は、女の子の友達を作ります!!
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