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王の書庫5
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◆◆◆◆◆
確かに、僕も気になっていた。『王の書庫』内の机の上に、読めとばかりに『レスキリアン創世記』の原本が置かれているのに、読んじゃ駄目だと言う。では、ここに連れてきた目的は何?
「『レスキリアン創世記』の原本は、王以外が読むことは禁じられている。だが、その必要に迫られた時には内容を話すことは許されている。それを話すために、ルチアを・・いや、ライを呼んだ」
「僕をですか?」
「そうだ。『レスキリアン創世記』には、初代王アーサー=レスキリアンの活躍が描かれていることは知っているね?」
「もちろんです。アーサー王と仲間の騎士たちが苦労の末に大陸を制覇して、レスキリアン王国を建国するんですよね!すごくわくわくして読みました」
「レスキリアン王国の建国を語るには、アーサー王と騎士たちの存在は欠かせない。だが、もう一人欠かせぬ人物がいる。彼はアーサー王の側近として建国に大いに貢献した人物で、黒髪に青紫色の瞳を持つ青年だった」
「え?」
僕は思わず父上の青紫色の瞳を見つめてしまった。レスキリアン王国で青紫色の瞳を持つのは、ガーディナー家系譜の者だけだ。アーサー王の側近が青紫色の瞳を持つ人物なら、ガーディナー家の先祖に当たる事になる。
でも、『レスキリアン創世記』は何度も読んだが、アーサー王の側近にそのような人物は存在しなかったはずだけど・・?
「『レスキリアン創世記』は幾度も読みましたが、青紫色の瞳を持つ人物は登場しなかったように思います、陛下」
「私も記憶にないな。つまり、『レスキリアン創世記』の原本には描かれていて、その後の書物には描かれなかった人物ということか、クリストフェル?」
陛下はゆっくりと頷いた。
「そうだ、ケルスティン。原本にのみ描かれたその人物は、アーサー王の側近としてレスキリアン王国の建国に貢献した。だが、王家や教会にとり不都合な存在となった彼は、その軌跡ごと歴史から抹消された」
「そんな、ひどい!」
「・・王家にとり不都合な存在?」
「もう分かっているだろ、ケルスティン?」
父上は陛下を睨みながら口を開いた。
「歴史から消された人物とは、ライと同じ異世界人だったのか?」
「ああ、そうだ」
僕は驚き目を見開いていた。異世界人が、僕以外にも存在したの?思い上がりで恥ずかしいけれど、こんな奇妙な体験をしたのは自分だけだと思い込んでいた。
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確かに、僕も気になっていた。『王の書庫』内の机の上に、読めとばかりに『レスキリアン創世記』の原本が置かれているのに、読んじゃ駄目だと言う。では、ここに連れてきた目的は何?
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「僕をですか?」
「そうだ。『レスキリアン創世記』には、初代王アーサー=レスキリアンの活躍が描かれていることは知っているね?」
「もちろんです。アーサー王と仲間の騎士たちが苦労の末に大陸を制覇して、レスキリアン王国を建国するんですよね!すごくわくわくして読みました」
「レスキリアン王国の建国を語るには、アーサー王と騎士たちの存在は欠かせない。だが、もう一人欠かせぬ人物がいる。彼はアーサー王の側近として建国に大いに貢献した人物で、黒髪に青紫色の瞳を持つ青年だった」
「え?」
僕は思わず父上の青紫色の瞳を見つめてしまった。レスキリアン王国で青紫色の瞳を持つのは、ガーディナー家系譜の者だけだ。アーサー王の側近が青紫色の瞳を持つ人物なら、ガーディナー家の先祖に当たる事になる。
でも、『レスキリアン創世記』は何度も読んだが、アーサー王の側近にそのような人物は存在しなかったはずだけど・・?
「『レスキリアン創世記』は幾度も読みましたが、青紫色の瞳を持つ人物は登場しなかったように思います、陛下」
「私も記憶にないな。つまり、『レスキリアン創世記』の原本には描かれていて、その後の書物には描かれなかった人物ということか、クリストフェル?」
陛下はゆっくりと頷いた。
「そうだ、ケルスティン。原本にのみ描かれたその人物は、アーサー王の側近としてレスキリアン王国の建国に貢献した。だが、王家や教会にとり不都合な存在となった彼は、その軌跡ごと歴史から抹消された」
「そんな、ひどい!」
「・・王家にとり不都合な存在?」
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