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席替え

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席替え。
嫌な席になってしまった。
窓際の四列目。

一気にクラスの女子の視線を感じでうつむく。この席は嫌な当番が回ってくる。朝の学活が終わった頃にメモが回ってきた。

『鉛筆で刺して』

メモにはそう書いてあった。嫌だけど、やるしかない。みんなが見てる。誤魔化しはきかない。

鉛筆を握りしめて、前の席の女の子の背中をちょんと刺す。女の子がビクッと震えて猫背になる。

見えない視線を感じながら、もう一度鉛筆の先で背中を刺す。今度はもっと強く。女の子は声を出さない。変な動きをすればもっとイジメられると知ってるから。

席替えをした。
最悪の席になってしまって、気分が沈む。このクラスの女子の秘密の約束事。

苛められっ子の後ろの席になった子は、授業中に彼女を虐める当番になる。この当番を無視すると、今度は自分がいじめのターゲットになってしまう。

眼の前の女の子は当番を無視して、イジメのターゲットになった。自業自得とは思わない。でも、私は同じ目には遭いたくない。

ぎゅっと鉛筆を握りしめた。



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