イケおじ転生した引きこもり専業主婦は総愛されを目指す

月歌(ツキウタ)

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イケおじアバター

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◆◆◆◆◆

「うーむ。間違いない。この体って、『オクトパス』で使ってたアバターだ。うう、懐かしい。チート行為がばれて、バンされて以来の再会だよ」

私は己の顔を触りながら感慨に耽っていた。目尻のシワも、眉間のシワも、イケおじには欠かせないポイント。顎の髭は無造作に伸ばしているが、格好いい。長髪を後ろで束ねているが、勿論禿げてはいない。

「イケおじとして、完全なる造形!」

「何がイケおじだ、グレン!また薬をヤったのか!このバカが!今のお前には、魔物討伐は無理だ。とっとと、抜けろ!ただし、自警団にオクトパスを見つけたと報告してから抜けてくれ」

とつぜん、イケメンに叱られた。確かにこのアバターの名はグレンだが、名を呼ぶイケメンに面識はない。

森の中で目の前には怪しい沼。こんな場所でイケメンに叱られるのは、ちょっとドキドキする。変態か!

「その、君は誰だ?」
「・・アランだ」
「・・知らない名だ」

アランががっくりと肩を落とした。

「完全にヤってるな。もうヤクはやらねえって言ってたのに。とにかく、夜営地に一度戻るぞ、グレン。自警団にオクトパスを見つけたと報告に、うぉーーーー??」

私に偉そうに話しかけていた男が、地面に突然ぶっ倒れた。右足首にはヌメヌメのオクトパスの足が絡み付いている。そのままずるずると沼の方向に引き摺られていった。沼には巨大なオクトパスがいた。ゲームの題名にもなっているオクトパス。つまり、タコだ。

「ぐおーー、やべーーー!!」

イケメンが沼に引き込まれる事を防ぐために、地面に剣を突き刺した。次の瞬間、剣の刺さった地面に魔方陣が広がる。地の魔方陣だ。

「地よ、我が命に従え!土の槍!」

アランの命に従い、地面から土の槍が幾本も顕れる。飛び出した土の槍は、オクトパスの体に一気に突き刺さる。怯んだオクトパスが沼に沈もうとするが、槍の先には鎖があり魔方陣まで伸びている。

鎖つきの槍を作り出したアランは、地面に突っ伏したまま魔方陣を維持している。だが、彼の足はオクトパスのそれで締め上げられていた。

「グレン、自警団の奴に助けを求めに行ってくれ!」

「えーと、アランだっけ?ちょっと、イケおじの私には、状況把握が出来ないのだが?このまま放置すると、アランはオクトパスにエロ18禁にされるけどいいのか?」

「まじ、駄目だ。死んだ。ドラッグ野郎のせいで死んだ」

「いやいや、私の責任にしないでよ。それに、君を救うつもりなのに、それはないだろ?」

私は剣を鞘から抜いた。しかし、剣がうまく扱えずに地面に落としてしまった。


◆◆◆◆◆
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