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チュートリアル(入学前)
Bパート
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臨兵闘者皆陣列在前
邪を払う討魔の真言。今の私達そのもの……邪なる魔物を討ち払い、魔の法を従え、前へ……只管前へ!
九字の呪文から放たれる魔法となりて、カオスゲートを破壊するべく進軍する私達の前にも、獣や人型の魔物が群となって列を成して来るが、陣の前に敵は無い。
大量の群れは、此方の陣の倍の数で覆い被さろうとするが
「炎の壁!」
ファイアスの魔法が壁となり
「風の刃!」
ウィードの魔法が刃となり
「今です、進軍!」
「「「応ーーーッ!!」」」
騎士団と自警団が一丸となり、前へ進む。
森に深く深く進んでいく内に、段々と開けた場所へと出て来てしまいました。
今までは木々に遮られ、魔物も数を活かせませんでしたが、一気に押し寄せて来る事が多くなってきました……だが、此方も今まで山火事の危険もあってファイアスが自重していた炎魔法。
生い茂る木々に阻まれるのを避ける為、小回りが効くが威力の低い『ダガー』を使っていたウィードが、『ブレイド』に切り替えて敵を迎え撃ちます。
オマケに
「炎の槍!」
リズの薙刀に宿った炎が、一撃必殺の突きとなって効率が上がったまであります……本当に強いですわね、リズ。戦うチビッコメイドの勇姿は後ろから見てても愛らしく頼もしいですわ。
「ジョナス、右翼に展開!」
「イエス、マイロード!」
状況を見て、取り逃がしの出そうな群れに逃げられないよう、ジョナスさんがリーダーとなった小隊におびき寄せて貰います。
標的も無く、彷徨う魔物達に餌を与えにいく形だ。そこに釣り針が仕込まれていても、魔物達に気付く知能は無い。
少数ならそのまま撃破、多数なら引きつけて撃破。多くを言わずとも私の意図を読み取ってくれるのは、扱いに慣れてくれた成果の賜物でしょうか?
前に進む、敵を倒す、前に進む……―――。
繰り返していれば練度が上がる。経験を積んでいき、効率が上がる。慣れていくのはジョナスさんだけの話では無い。ここに参加している全員が対魔物に慣れていき、ゲームで言うところのレベルアップを果たしている。
顕著なのはやはり、ファイアス、ウィードのメインキャラ達だ。
ファイアス ソードナイト HP:32 MP:6 A:28 D:28
ウィード ローグ HP:21 MP:9 A:24 D:18
周囲と同じ経験を積む中でも成長率が著しい。大体A:やD:が1づつ増えた中にあって、3から4で強くなっている。MPは戦闘中なので減っていますが、休息をすれば回復します。ゲーム登場時よりも強くなってますね。
リズも負けじと2から3程上がっているのは、最早彼女も隠しプレイヤーキャラとして、実は居たんじゃないかと言った感じです。
でも、残念ながら私にステータスの変化はありません。経験という意味では、私はもう画面の前で山ほど積んで来ましたからね……しかし、指揮能力と言うのでしょうか。指示を出すのがより効率的に、より迅速に思い通り動かせる様になっていきます。丸で、コントローラーで操作しているかの如く。
こうなったら私は自慢じゃないが神懸かってる。タイムアタックの記録だって上位レベルだ。後はゴールテープを見つけてカットするのみです。
やがて魔物の種類に変化が起きた。
今までのゴブリンや狼などの様な10代のステータス値では無い、20代を超える大型の魔物達。
2メートルを超える人型の巨人『ジャイアント』。同じく体長2メートルを超え、胴回りなんか人間の腰よりも太い大蛇『ヒドラ』。武装した、動く人骨の魔物『スケルトン』等々……
在った!それらに守られる様に、まばらに生えた木々を玉座に、囲まれたカオスゲートが!
遮るものは、魔物以外何もない。平原の合戦が始まった。
「見えました、サジタリアス(11時)の方向!これより巣穴破壊を開始します、これで終わらせます!」
誰もが頭に懸念しているだろう『本当にこれで終わるのか?』と……だが、それらを振り払うかの如く、怒号の様な雄叫びが返事となって返ってくる。
どちらにしろ、今日はこれで最後だ。最早、時間はジェミニ(5時)を超えて夕焼けが赤く染まっている。ここが限界だ。
夜の進軍と戦闘は困難を伴う。不意をつかれ同士討ちなんて危険を冒す訳にはいかない。
イーグルアイも、夜間が近づき段々と視界が狭まってきました。流石に、そこまで万能じゃないみたいですね……鳥ですし。
梟の目とかあるんでしょうか?……無いものねだりをしても仕方ありませんね。
ついでに皆が11時方向に進む中、ウィードは3時方向に進もうとして回れ右したのも、もう様式儀礼ですので、そのやりとりは割愛ですわ。
「なんてデカさだ!今までのよりも更に巨大になってやがる!」
「ここからでも見えるなんて……」
進み、近づくにつれ、肉眼で目標を確認出来る距離に達すると、口々に連戦を繰り返して来た者達が叫んだ。
巨人や大蛇に囲まれて尚、その巣穴『カオスゲート』は巨大です。その名の如く、黒く空間に佇む渦。
その先はどこに繋がっているのか……ゲームでもただの舞台装置。詳しい説明があるわけじゃない。『魔物を生み出す門』、それがカオスゲートだ。
「あの巣穴は俺が破壊する!すまない、後の事も全て丸投げしてしまうが、よろしく頼む……」
「分かっておりますわ。ファイアスが撃破後は迅速に破魔の聖水を、リズ」
「心得ています、マリーゼ様!」
もう私が看病して、なんて考えはありません。考えるのは全員が無事に帰る事のみ、それだけです。
義理堅いファイアスの事、今でも充分恩義を感じている様ですし、敵対しても命を奪うような冷血漢にはなれないでしょう……熱血漢が彼の持ち味ですからね。
最早、私は私の目的を果たすのみです。それが彼好みの女の子になれない私に出来る最大の努力でしょう。
「敵の能力が上がっています!しかしその分、量が減っていますわ!量より質を選んで来た様ですが、質なら我々の方が上である事を!魔物共に知らしめてあげなさい!」
「「「応ーーーッ!!」」」
今日一番の声が響く!
その声に地を這う蛇が、彷徨う骨の亡者が、小さな山脈の如き巨躯が動き出した。
移動力の順で襲って来る魔物達……
「ファイアス!」
「了解ッ!炎の壁!」
成人男性の腰の高さまである炎の壁が、前列の向こう1メートル先を塞いだ。敢えて低い高さの壁を張るのは、飛び越えてこられる様にだ。
「前例、防御陣形!後列、攻撃構え!」
地を這う大蛇も炎で塞がれては進路を限定される。迂回するか、飛び越えるかだ。蛇は真っ直ぐに鎌首をもたげて飛びかかる、後は迎撃だ。
……が、狼と違い、やはり質量の違いが攻撃力の違いとなる。2メートル超えの衝突から堪えきれない前列が何名か出た。それでも後列の者が協力し、支え押し返し、蛇を炎の中へと落としていく。
肉の焼ける音と臭いに、トドメの武器が振り下ろされる。大蛇の丸焼きが、千切れてカットされたりしているが、食欲は絶対に沸かないグロテスクさだ。
「次、スケルトン!恐れる事はありません。騎士団の敵は領地を脅かす犯罪者、それが骨になっただけです!普段の訓練の成果を見せてやりなさい!」
子鬼なんかと違って、スケルトンの人骨は一般的な成人の標本サイズです。治安を取り締まる騎士が最も想定して訓練する相手。
骨だけとは思えない速度と膂力を誇る様ですが、守備に徹する騎士団の防御を抜く事は出来ない。後列の援護が届けば、元通りの動かぬ骨へとなっていく。
こっちは余り脅威ではありませんね。
「前列散開!巨人の攻撃を受けてはなりません!後列は回り込み背後から攻撃!注意を引いた者は即撤退!決して前に立たぬ様に!」
この中で最大の脅威はジャイアントでしょう。その巨体通りHPとA:の数字は20代後半とファイアスに迫っている。
数が少ないのが、せめてもの救いですが、真面に受けていては危険だ。幸い、見た目に違わず動きは鈍重なので正面以外は比較的安全です。チクチクと削っては、離れるを繰り返す。
時間は掛かるが、これでいけます。稀に避けきれず巨人の一撃を受け、吹き飛ばされる人が出れば、浮遊魔法でキャッチして侍祭様と私で回復。ヒール2しか回復魔法の無い私と、私を的確に補助していく侍祭様の迅速な治療で、直ぐに戦線復帰可能な域まで回復させます。
なんせ、ヒール2しか出来ませんが無駄に過剰に撃てますからね私の魔法。余剰ついでに……
「範囲付与魔法:攻撃力2!」
駄目押しで範囲付与魔法で全体の攻撃力の底上げです。流石は『魔女マルアルイゼ』、攻撃魔法だったら大概の物は使えます。
これでジャイアントへの攻撃が更に通る様になりました。
次の群れが再びカオスゲートの中から這い出てくるが、これなら間に合って次に備えられます。それに……
「見て下さい、マリーゼ様!渦が小さくなりました!」
この中で一番小さなリズが、いち早く変化に気付いた。よく見えましたわね、私はイーグルアイで上から見て分かったのに……
リズの言うとおり、カオスゲートが敵を生み出す度に少しづつ小さくなっていきます。
「侍祭様、前回迄にこの様な事は?」
「分かりません、言われてみれば多少は小さくなっていた気がしますが……数に圧倒されて、壊すのに必死でしたので」
魔物が強力になった分、消費する力が多くなったとかですかね?
ゲーム画面では見た目に違いがあった訳ではないから分かりませんが、無限沸きするタイプでは無いという事でしょうか……カオスゲートを解析しても、吸い込まれるみたいに唯の地形と同じ扱いにしか見えません。
どうやら出来る事は近づいて、直に破壊するのみですか……
遠くから魔法で破壊したら……なんて事が出来ない、絶対に壊した者に呪いを発生させるマシーンになってますね。封印出来るヘレスティアがいるだけでどれだけ恵まれていたか……主人公ってばやっぱり偉大です。居ない人ねだりまでするのは、やはり実際に戦場に立ち肌で感じる緊張感故……でしょうか?
ゲームには無い、リアルな戦いに……不謹慎だが高揚しているのは確かだ。私の知っている対応が悉く的確なのは、今までやってきた事が無駄じゃなかった事への手応えになって返って来ている。
違うのは本当に命が掛かっている事だけ、自分じゃない他人の命が……それだけは忘れない。
「総員!巣穴の縮小化を確認、このまま撃破しつつ弱体化を謀ります!辛いでしょうが、ここが踏ん張りどころです!」
希望が見えた……その言葉が皆の闘志に最後の火を点けた。
敵が強くなり被害が増えた、それでも希望が見えた。後は吐き出させるだけ吐き出させて、弱った所を叩く。だが、それは新しい困難への道のりとなった……
邪を払う討魔の真言。今の私達そのもの……邪なる魔物を討ち払い、魔の法を従え、前へ……只管前へ!
九字の呪文から放たれる魔法となりて、カオスゲートを破壊するべく進軍する私達の前にも、獣や人型の魔物が群となって列を成して来るが、陣の前に敵は無い。
大量の群れは、此方の陣の倍の数で覆い被さろうとするが
「炎の壁!」
ファイアスの魔法が壁となり
「風の刃!」
ウィードの魔法が刃となり
「今です、進軍!」
「「「応ーーーッ!!」」」
騎士団と自警団が一丸となり、前へ進む。
森に深く深く進んでいく内に、段々と開けた場所へと出て来てしまいました。
今までは木々に遮られ、魔物も数を活かせませんでしたが、一気に押し寄せて来る事が多くなってきました……だが、此方も今まで山火事の危険もあってファイアスが自重していた炎魔法。
生い茂る木々に阻まれるのを避ける為、小回りが効くが威力の低い『ダガー』を使っていたウィードが、『ブレイド』に切り替えて敵を迎え撃ちます。
オマケに
「炎の槍!」
リズの薙刀に宿った炎が、一撃必殺の突きとなって効率が上がったまであります……本当に強いですわね、リズ。戦うチビッコメイドの勇姿は後ろから見てても愛らしく頼もしいですわ。
「ジョナス、右翼に展開!」
「イエス、マイロード!」
状況を見て、取り逃がしの出そうな群れに逃げられないよう、ジョナスさんがリーダーとなった小隊におびき寄せて貰います。
標的も無く、彷徨う魔物達に餌を与えにいく形だ。そこに釣り針が仕込まれていても、魔物達に気付く知能は無い。
少数ならそのまま撃破、多数なら引きつけて撃破。多くを言わずとも私の意図を読み取ってくれるのは、扱いに慣れてくれた成果の賜物でしょうか?
前に進む、敵を倒す、前に進む……―――。
繰り返していれば練度が上がる。経験を積んでいき、効率が上がる。慣れていくのはジョナスさんだけの話では無い。ここに参加している全員が対魔物に慣れていき、ゲームで言うところのレベルアップを果たしている。
顕著なのはやはり、ファイアス、ウィードのメインキャラ達だ。
ファイアス ソードナイト HP:32 MP:6 A:28 D:28
ウィード ローグ HP:21 MP:9 A:24 D:18
周囲と同じ経験を積む中でも成長率が著しい。大体A:やD:が1づつ増えた中にあって、3から4で強くなっている。MPは戦闘中なので減っていますが、休息をすれば回復します。ゲーム登場時よりも強くなってますね。
リズも負けじと2から3程上がっているのは、最早彼女も隠しプレイヤーキャラとして、実は居たんじゃないかと言った感じです。
でも、残念ながら私にステータスの変化はありません。経験という意味では、私はもう画面の前で山ほど積んで来ましたからね……しかし、指揮能力と言うのでしょうか。指示を出すのがより効率的に、より迅速に思い通り動かせる様になっていきます。丸で、コントローラーで操作しているかの如く。
こうなったら私は自慢じゃないが神懸かってる。タイムアタックの記録だって上位レベルだ。後はゴールテープを見つけてカットするのみです。
やがて魔物の種類に変化が起きた。
今までのゴブリンや狼などの様な10代のステータス値では無い、20代を超える大型の魔物達。
2メートルを超える人型の巨人『ジャイアント』。同じく体長2メートルを超え、胴回りなんか人間の腰よりも太い大蛇『ヒドラ』。武装した、動く人骨の魔物『スケルトン』等々……
在った!それらに守られる様に、まばらに生えた木々を玉座に、囲まれたカオスゲートが!
遮るものは、魔物以外何もない。平原の合戦が始まった。
「見えました、サジタリアス(11時)の方向!これより巣穴破壊を開始します、これで終わらせます!」
誰もが頭に懸念しているだろう『本当にこれで終わるのか?』と……だが、それらを振り払うかの如く、怒号の様な雄叫びが返事となって返ってくる。
どちらにしろ、今日はこれで最後だ。最早、時間はジェミニ(5時)を超えて夕焼けが赤く染まっている。ここが限界だ。
夜の進軍と戦闘は困難を伴う。不意をつかれ同士討ちなんて危険を冒す訳にはいかない。
イーグルアイも、夜間が近づき段々と視界が狭まってきました。流石に、そこまで万能じゃないみたいですね……鳥ですし。
梟の目とかあるんでしょうか?……無いものねだりをしても仕方ありませんね。
ついでに皆が11時方向に進む中、ウィードは3時方向に進もうとして回れ右したのも、もう様式儀礼ですので、そのやりとりは割愛ですわ。
「なんてデカさだ!今までのよりも更に巨大になってやがる!」
「ここからでも見えるなんて……」
進み、近づくにつれ、肉眼で目標を確認出来る距離に達すると、口々に連戦を繰り返して来た者達が叫んだ。
巨人や大蛇に囲まれて尚、その巣穴『カオスゲート』は巨大です。その名の如く、黒く空間に佇む渦。
その先はどこに繋がっているのか……ゲームでもただの舞台装置。詳しい説明があるわけじゃない。『魔物を生み出す門』、それがカオスゲートだ。
「あの巣穴は俺が破壊する!すまない、後の事も全て丸投げしてしまうが、よろしく頼む……」
「分かっておりますわ。ファイアスが撃破後は迅速に破魔の聖水を、リズ」
「心得ています、マリーゼ様!」
もう私が看病して、なんて考えはありません。考えるのは全員が無事に帰る事のみ、それだけです。
義理堅いファイアスの事、今でも充分恩義を感じている様ですし、敵対しても命を奪うような冷血漢にはなれないでしょう……熱血漢が彼の持ち味ですからね。
最早、私は私の目的を果たすのみです。それが彼好みの女の子になれない私に出来る最大の努力でしょう。
「敵の能力が上がっています!しかしその分、量が減っていますわ!量より質を選んで来た様ですが、質なら我々の方が上である事を!魔物共に知らしめてあげなさい!」
「「「応ーーーッ!!」」」
今日一番の声が響く!
その声に地を這う蛇が、彷徨う骨の亡者が、小さな山脈の如き巨躯が動き出した。
移動力の順で襲って来る魔物達……
「ファイアス!」
「了解ッ!炎の壁!」
成人男性の腰の高さまである炎の壁が、前列の向こう1メートル先を塞いだ。敢えて低い高さの壁を張るのは、飛び越えてこられる様にだ。
「前例、防御陣形!後列、攻撃構え!」
地を這う大蛇も炎で塞がれては進路を限定される。迂回するか、飛び越えるかだ。蛇は真っ直ぐに鎌首をもたげて飛びかかる、後は迎撃だ。
……が、狼と違い、やはり質量の違いが攻撃力の違いとなる。2メートル超えの衝突から堪えきれない前列が何名か出た。それでも後列の者が協力し、支え押し返し、蛇を炎の中へと落としていく。
肉の焼ける音と臭いに、トドメの武器が振り下ろされる。大蛇の丸焼きが、千切れてカットされたりしているが、食欲は絶対に沸かないグロテスクさだ。
「次、スケルトン!恐れる事はありません。騎士団の敵は領地を脅かす犯罪者、それが骨になっただけです!普段の訓練の成果を見せてやりなさい!」
子鬼なんかと違って、スケルトンの人骨は一般的な成人の標本サイズです。治安を取り締まる騎士が最も想定して訓練する相手。
骨だけとは思えない速度と膂力を誇る様ですが、守備に徹する騎士団の防御を抜く事は出来ない。後列の援護が届けば、元通りの動かぬ骨へとなっていく。
こっちは余り脅威ではありませんね。
「前列散開!巨人の攻撃を受けてはなりません!後列は回り込み背後から攻撃!注意を引いた者は即撤退!決して前に立たぬ様に!」
この中で最大の脅威はジャイアントでしょう。その巨体通りHPとA:の数字は20代後半とファイアスに迫っている。
数が少ないのが、せめてもの救いですが、真面に受けていては危険だ。幸い、見た目に違わず動きは鈍重なので正面以外は比較的安全です。チクチクと削っては、離れるを繰り返す。
時間は掛かるが、これでいけます。稀に避けきれず巨人の一撃を受け、吹き飛ばされる人が出れば、浮遊魔法でキャッチして侍祭様と私で回復。ヒール2しか回復魔法の無い私と、私を的確に補助していく侍祭様の迅速な治療で、直ぐに戦線復帰可能な域まで回復させます。
なんせ、ヒール2しか出来ませんが無駄に過剰に撃てますからね私の魔法。余剰ついでに……
「範囲付与魔法:攻撃力2!」
駄目押しで範囲付与魔法で全体の攻撃力の底上げです。流石は『魔女マルアルイゼ』、攻撃魔法だったら大概の物は使えます。
これでジャイアントへの攻撃が更に通る様になりました。
次の群れが再びカオスゲートの中から這い出てくるが、これなら間に合って次に備えられます。それに……
「見て下さい、マリーゼ様!渦が小さくなりました!」
この中で一番小さなリズが、いち早く変化に気付いた。よく見えましたわね、私はイーグルアイで上から見て分かったのに……
リズの言うとおり、カオスゲートが敵を生み出す度に少しづつ小さくなっていきます。
「侍祭様、前回迄にこの様な事は?」
「分かりません、言われてみれば多少は小さくなっていた気がしますが……数に圧倒されて、壊すのに必死でしたので」
魔物が強力になった分、消費する力が多くなったとかですかね?
ゲーム画面では見た目に違いがあった訳ではないから分かりませんが、無限沸きするタイプでは無いという事でしょうか……カオスゲートを解析しても、吸い込まれるみたいに唯の地形と同じ扱いにしか見えません。
どうやら出来る事は近づいて、直に破壊するのみですか……
遠くから魔法で破壊したら……なんて事が出来ない、絶対に壊した者に呪いを発生させるマシーンになってますね。封印出来るヘレスティアがいるだけでどれだけ恵まれていたか……主人公ってばやっぱり偉大です。居ない人ねだりまでするのは、やはり実際に戦場に立ち肌で感じる緊張感故……でしょうか?
ゲームには無い、リアルな戦いに……不謹慎だが高揚しているのは確かだ。私の知っている対応が悉く的確なのは、今までやってきた事が無駄じゃなかった事への手応えになって返って来ている。
違うのは本当に命が掛かっている事だけ、自分じゃない他人の命が……それだけは忘れない。
「総員!巣穴の縮小化を確認、このまま撃破しつつ弱体化を謀ります!辛いでしょうが、ここが踏ん張りどころです!」
希望が見えた……その言葉が皆の闘志に最後の火を点けた。
敵が強くなり被害が増えた、それでも希望が見えた。後は吐き出させるだけ吐き出させて、弱った所を叩く。だが、それは新しい困難への道のりとなった……
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