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雑多な未分類掌編共(単発完結シリーズ)
お題「サボる」
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「ねぇ」
彼女に呼び止められて、僕は足を止めた。
「一緒にサボらない?」
彼女の脇を走り抜けざまに「走らないと遅刻するよ」と声をかけた次の瞬間の出来事だった。
彼女はクラスの中でも割と上位にいる女の子で、短めのボブカットの髪にナイロール眼鏡をした知的な美少女――いわゆる「委員長タイプ」だ。
自分は優等生ではないが、かといって学校をサボる事をためらう位の分別はある。
しかし、この時は、この娘がサボるというあり得ない言葉を発した事に興味があった。
「サボるのはいいけど、時間を潰すアテはある?」
「ええ。ちょっと駅にでてファミレスで時間潰しましょう」
ファミレスか。ああ、ドリンクバーもあるし、時間潰すのはいいかもな。
この間バイトの給料出たばかりだしなんとかなるな。
そんな事を思いながら、了承する。
こんなチャンスは滅多にないしな。
そんな訳で、僕は彼女とその日の学校をサボる事にした。
ファミレスの扉をくぐると、朝9時前だというのにまばらに客がいる。
スーツ姿の客もいれば、学生服の客もいたのは意外だった。
店員にお好きな所へといわれたので、ボックス席に腰掛け、ドリンクバーを注文して、飲み物を取りに行く。
こういう時決まって取りに行くのは珈琲だ。
家でも基本珈琲だし、そもそもティーバッグはティーバッグが邪魔なので余り使いたくはない。
それに全自動のエスプレッソマシンだから、自宅のインスタントになれた身としてはこれでも十分美味しく感じる。
「それ、美味しい?」
「ん?珈琲?まぁ僕は好きだけど」
「そうなんだ。私は飲んだことなくて」
彼女は基本家では紅茶か緑茶らしい。
ここでもティーバッグで紅茶を煎れていた。
「ちょっと試してみる」
そう言って、珈琲を注いで戻ってきた。
そして一口含んだ瞬間。
彼女の眉間に思いっきりしわが寄った。
「……何これ」
半分涙目になりながら、こちらを見てくる。
僕は何食わぬ顔で、珈琲を飲み干す。
「無理しないでそこに置いておいて」
「そうする」
そう言って脇によせたカップを引き寄せて、自分のカップの中に注ぎ入れる。
彼女が「え?」という顔をしながらこっちを見てくる。
「ん?ああ、勿体ないし、コップを移し替えれば気にならないでしょ?」
「そ、そうかもしれないけど」
やや顔を紅くしながら言う彼女を見ながら、珈琲を普通に飲み干していく。
「それ、普通に飲めるんだ」
「飲み慣れてるしね」
その後、暫く雑談をしていると、徐々に人が増えてきた。
よく見ると外のほうに結構人が並んでいる。
昼ともなれば当たり前か。
「なんか混んできたね」
「出よっか」
なんだかいたたまれなくなって引き上げる事にした。
結局、これが切っ掛けで僕と彼女は付き合う様になった。
大学に入ると、彼女は僕と会う度に毎回珈琲を飲む練習をしている。
「そんなに無理して飲まなくてもいいんじゃ?」
「知的美人になるためにはブラック珈琲が必要なのよ!」
「なんだよそれは」
「だって、先輩が格好良かったんだもん」
どうやら、憧れの先輩がブラック珈琲を飲んでいたのに影響されたらしい。
「ほら、それに飲みきれなくても貴方が飲んでくれるでしょ?」
「飲むけどさ」
「それにしても知的美人ねぇ」
ニヤリとしながら意地悪く言うと彼女は少し紅くなった。
僕が昔、知的美少女だと思っていた事は黙っておこう。
まさかこんな性格だったとは。
でもそこが可愛いんだけどね。
彼女に呼び止められて、僕は足を止めた。
「一緒にサボらない?」
彼女の脇を走り抜けざまに「走らないと遅刻するよ」と声をかけた次の瞬間の出来事だった。
彼女はクラスの中でも割と上位にいる女の子で、短めのボブカットの髪にナイロール眼鏡をした知的な美少女――いわゆる「委員長タイプ」だ。
自分は優等生ではないが、かといって学校をサボる事をためらう位の分別はある。
しかし、この時は、この娘がサボるというあり得ない言葉を発した事に興味があった。
「サボるのはいいけど、時間を潰すアテはある?」
「ええ。ちょっと駅にでてファミレスで時間潰しましょう」
ファミレスか。ああ、ドリンクバーもあるし、時間潰すのはいいかもな。
この間バイトの給料出たばかりだしなんとかなるな。
そんな事を思いながら、了承する。
こんなチャンスは滅多にないしな。
そんな訳で、僕は彼女とその日の学校をサボる事にした。
ファミレスの扉をくぐると、朝9時前だというのにまばらに客がいる。
スーツ姿の客もいれば、学生服の客もいたのは意外だった。
店員にお好きな所へといわれたので、ボックス席に腰掛け、ドリンクバーを注文して、飲み物を取りに行く。
こういう時決まって取りに行くのは珈琲だ。
家でも基本珈琲だし、そもそもティーバッグはティーバッグが邪魔なので余り使いたくはない。
それに全自動のエスプレッソマシンだから、自宅のインスタントになれた身としてはこれでも十分美味しく感じる。
「それ、美味しい?」
「ん?珈琲?まぁ僕は好きだけど」
「そうなんだ。私は飲んだことなくて」
彼女は基本家では紅茶か緑茶らしい。
ここでもティーバッグで紅茶を煎れていた。
「ちょっと試してみる」
そう言って、珈琲を注いで戻ってきた。
そして一口含んだ瞬間。
彼女の眉間に思いっきりしわが寄った。
「……何これ」
半分涙目になりながら、こちらを見てくる。
僕は何食わぬ顔で、珈琲を飲み干す。
「無理しないでそこに置いておいて」
「そうする」
そう言って脇によせたカップを引き寄せて、自分のカップの中に注ぎ入れる。
彼女が「え?」という顔をしながらこっちを見てくる。
「ん?ああ、勿体ないし、コップを移し替えれば気にならないでしょ?」
「そ、そうかもしれないけど」
やや顔を紅くしながら言う彼女を見ながら、珈琲を普通に飲み干していく。
「それ、普通に飲めるんだ」
「飲み慣れてるしね」
その後、暫く雑談をしていると、徐々に人が増えてきた。
よく見ると外のほうに結構人が並んでいる。
昼ともなれば当たり前か。
「なんか混んできたね」
「出よっか」
なんだかいたたまれなくなって引き上げる事にした。
結局、これが切っ掛けで僕と彼女は付き合う様になった。
大学に入ると、彼女は僕と会う度に毎回珈琲を飲む練習をしている。
「そんなに無理して飲まなくてもいいんじゃ?」
「知的美人になるためにはブラック珈琲が必要なのよ!」
「なんだよそれは」
「だって、先輩が格好良かったんだもん」
どうやら、憧れの先輩がブラック珈琲を飲んでいたのに影響されたらしい。
「ほら、それに飲みきれなくても貴方が飲んでくれるでしょ?」
「飲むけどさ」
「それにしても知的美人ねぇ」
ニヤリとしながら意地悪く言うと彼女は少し紅くなった。
僕が昔、知的美少女だと思っていた事は黙っておこう。
まさかこんな性格だったとは。
でもそこが可愛いんだけどね。
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