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第55話 凛子捜索任務開始
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まぶたの裏に残る光が、ゆっくりと消えていく。
――さっきまで、天禰さんと話していた。
その温もりも声も、夢だったのか現実だったのか分からないほど鮮明で、胸の奥に余韻が残っている。
深く息を吐き、天井を見上げた。
……もう朝か。
カーテンの隙間から射し込む光が、ぼんやりと部屋を照らしている。
そのとき――。
「おーい! 天音ちゃーん! 起きてるー!?」
ドンドンドンッ、と遠慮のないノック。
水輝さんだ。こんな朝から何の用――そう思った瞬間、ドアが勢いよく開いた。
「ど、どうしたんですか?!」
「凛子さん、来てない?!」
「いえ、来てませんけど……」
水輝さんは珍しく真剣な顔で、私のベッドの横まで詰め寄ってくる。
「凛子さんが……どこにもいないんだ!」
「……え?」
寝起きの頭が、一瞬で覚めた。
「訓練の約束があったのに来ないから、部屋まで行ったら、部屋も空っぽで荷物も置いたまま。本人がどこにも見当たらないんだ」
「まさか……任務じゃなくて?」
「違う。頭領も任務なんて出してないってさ」
胸の奥がざわめく。
凛子さんは、仲間の中でも一番穏やかで落ち着いている。勝手に姿を消すような人じゃない。
「頭領が全員招集してる。今から会議室に行くよ!!」
水輝さんはそう言うと、私の返事を待たずにくるりと背を向けた。
慌てて上着を羽織り、後を追う。
――凛子さんに何があったのか。
胸の中の不安が、足を速めさせる。
会議室の扉を開けると、すでにほとんどの仲間が集まっていた。
紫苑さんが正面に立ち、冷静な声で告げる。
「知っていると思うが、凛子が失踪した。理由も不明、時刻も不明。だが、どんな理由があろうと、探して連れ戻す。離脱は許さない」
紫苑さんの声はどこか震えていた。
気丈に振る舞っているが、不安な顔をしている。
他のみんなもどこか不安で、でも大丈夫と信じたい……そう感じ取れた。
皆の姿に、胸が締めつけられる。
「――これより、凛子捜索任務を開始する!」
紫苑さんの言葉に空気が一気に張り詰めた。
「了解!!」
皆が弾かれるように、会議室から出ていく。
私も、皆の背を追うように、凛子さんの捜索へ出発した。
――さっきまで、天禰さんと話していた。
その温もりも声も、夢だったのか現実だったのか分からないほど鮮明で、胸の奥に余韻が残っている。
深く息を吐き、天井を見上げた。
……もう朝か。
カーテンの隙間から射し込む光が、ぼんやりと部屋を照らしている。
そのとき――。
「おーい! 天音ちゃーん! 起きてるー!?」
ドンドンドンッ、と遠慮のないノック。
水輝さんだ。こんな朝から何の用――そう思った瞬間、ドアが勢いよく開いた。
「ど、どうしたんですか?!」
「凛子さん、来てない?!」
「いえ、来てませんけど……」
水輝さんは珍しく真剣な顔で、私のベッドの横まで詰め寄ってくる。
「凛子さんが……どこにもいないんだ!」
「……え?」
寝起きの頭が、一瞬で覚めた。
「訓練の約束があったのに来ないから、部屋まで行ったら、部屋も空っぽで荷物も置いたまま。本人がどこにも見当たらないんだ」
「まさか……任務じゃなくて?」
「違う。頭領も任務なんて出してないってさ」
胸の奥がざわめく。
凛子さんは、仲間の中でも一番穏やかで落ち着いている。勝手に姿を消すような人じゃない。
「頭領が全員招集してる。今から会議室に行くよ!!」
水輝さんはそう言うと、私の返事を待たずにくるりと背を向けた。
慌てて上着を羽織り、後を追う。
――凛子さんに何があったのか。
胸の中の不安が、足を速めさせる。
会議室の扉を開けると、すでにほとんどの仲間が集まっていた。
紫苑さんが正面に立ち、冷静な声で告げる。
「知っていると思うが、凛子が失踪した。理由も不明、時刻も不明。だが、どんな理由があろうと、探して連れ戻す。離脱は許さない」
紫苑さんの声はどこか震えていた。
気丈に振る舞っているが、不安な顔をしている。
他のみんなもどこか不安で、でも大丈夫と信じたい……そう感じ取れた。
皆の姿に、胸が締めつけられる。
「――これより、凛子捜索任務を開始する!」
紫苑さんの言葉に空気が一気に張り詰めた。
「了解!!」
皆が弾かれるように、会議室から出ていく。
私も、皆の背を追うように、凛子さんの捜索へ出発した。
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