Don't be afraid

由奈(YUNA)

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ありさ

8

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「は?」


リツから出た言葉はただ一言

だけど、それすら本当は怖かった


「行こ?辰央時間あんまりないんだし」


辰央は無言で立ち上がって、私も3人の横を通りすぎた


「ウッッザ!!」

「何様なのアイツ!あぁいう態度本当にムカつく!」

「変わんないよね、顔しかイイトコない感じが!」



私がいなくなったら私の悪口大会で確定だなコレ





3人の横を通りすぎても心臓がバクバクしてて

辰央は察してくれたのか何も聞かないでゆっくり歩いてくれた


「聞かないんだ」

「聞いてほしいの?」

「あんまり……」

「じゃあ聞かない」


口数少なくそう言ってくれたのが助かった



それから辰央とは全然話さなくなったけど

無言でも辛くないこの感じが安心できる




高校時代

私はなぜか無敵で、クラスの中心は自分の居場所だと思ってた


彼氏が途切れる事はないし、派手な友達と毎日騒いで


地味な子を見下したりしてた


性格は、最悪だったと自覚してる





だから、高校時代に辰央と会っていたら


きっと私は見下して悪口ばかり言って軽くイジメたと思う


それが最低なことで辛いことなんだって


自分が体験しなきゃ分からないような


そんな、馬鹿な人間が私






そんな事を辰央には知られたくないなって思ったのと


人に嫌われるのが怖いって思ったのと


とにかく、色々思うことがありすぎて


あんまり、辰央との会話とかそれからのことを覚えてない



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