立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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8.おかえりなさい

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季節は流れて暑い季節。

ついに夏休み



私はお盆はお母さんたちが帰国するけど、それ以外は普段と変わらず立花家にお世話になっている。




「あーちゃん!あおちゃん!ここちゃん!
夏休みだよ?遊びに行こうよー!」


「唯斗もたまには俺らの相手してもいいと思うー!」



明くんと大和くんが二人並んで仁王立ちして私たちを見ながら言い放った。



「いいねっ!何する?」

「んー、無難に花火?」

「俺パス」

「え?唯斗くんそれはダメですよ……」



予想通りに唯斗くんは嫌がったけど、予想通りに他のみんなが無視して話を進めはじめた。



いつも通りの立花家。


いつも通りの風景。




―――ピンポーン






「はーい!…はーい、お待ちくださーい」



「あおちゃん、誰?」



「宅急便だって!心ちゃん宛の」



「あ、私行きます!!」



「いいってー、私行ってくるよ!」


「いやっ!でも…!」



葵ちゃんは私の制止を聞かないでいなくなり、




すぐに激しい足音をたてながら戻ってきた。





「心ちゃんっっ!!なんでAKRの本社から荷物来るの!?」



AKR、それはお母さんの会社。


お母さんは化粧品会社をやっていて、葵ちゃんはAKRを愛用している。



それを知っていたから自分で行きたくて



葵ちゃんの雰囲気にみんなが不思議そうに私と荷物を見ていた。

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