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CASE2 同調-シンクロ-

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「1ヶ月経ってもソラは進歩しないなぁ!」


「ね……ホントに、もう……私も言い返す言葉もありませんよ……」



ここに来て1ヶ月。

シンクロを覚える以外は何もしないのは住まわせてもらうのに悪いから、掃除だったり食事の手伝いだったり、できる事はなんでもやった。

そうしたら、ルーラ以外の人とも仲良くなれてみんなからシンクロを教えてもらってるんだけど……。

先程から仲良くなったお兄さん、シドさんに言われてるように、私だけ進歩がない。

武器も出せないし、魔法も使えない。

桃華は弓を出したし、辛島くんは雷の魔法が使えたのに、私は全くダメ。

もうやだ、やめたい。って思っちゃうから余計ダメ。



「シンクロは…できてるように見えるけどなぁ」

シドさんも首を捻る私の出来の悪さ。


「いいもんっ!きっとすっごいヤツできるようになるもん!!」


「おー、頑張れ~!って事で俺は出掛けてくるわ」


食料だったり洋服だったり。

必要な物を買うために少人数で地上に出る。


今日は、シドさんとリアさんが行くんだって。


「シドさーん!私甘い物食べたぁい!」

「モモカ、食べてばっかりは太るぞ~?」


シドさんに指摘されて慌ててお腹を触った桃華。

その行動に、私たちの様子を見ていたみんなが笑っていた。


「さて……ルーラ、ダメなところ教えて?」

「うん。ソラは全体的にダメ。焦りすぎ。落ち着かなきゃシンクロはうまくいかないよ」


ルーラのダメ出しが厳しくてちょっと落ち込む。

なんとなく、自分の中にある力って意味は分かったんだけどなぁ。

運動神経はいいはずなのに……。

勉強がイマイチなせいなのか……?


「よし!集中する!!静かにしててね!」


そう宣言して、目を瞑って意識を集中させた。






「シンクロ……できてるっぽいんだよなぁ……何でだろう?」


ルーラが私を見てボソッと言ったのは、もう私には聞こえていなかった。








集中して、集中して……集中。





なにか、見えそう……?




なにか、掴めそう……だけど……?



なんだろう、あれは、なに?









私がいけるかもって思ったと同時だった。



ドンッ!というような何かが爆発する音、それも耳を塞ぎたくなるほどの音がした。




「ば、爆発!?」


桃華が慌てて私の傍に来て、二人で音のした方を向いた。


「襲撃だ!!!蟲がっ!!大量の蟲が出た!!!」



誰かの叫び声。


ここには誰にもバレないように最小限の人の出入りしかしてないはずじゃ…?



「出た方がいい。ここにいて地下空間が潰されたら私たち圧死する」


ルーラがそう言って走り出した。

この地下にはいくつかの出口がある。


ルーラは住人だからもちろん知ってて、出口のひとつから外に出て絶句した。




大量の蟲が、取り囲むようにしてそこにいたから……。


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