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CASE2 同調-シンクロ-
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私の言葉に、ルーラが、ニャンさんが、桃華が、辛島くんが、アゲハを見た。
「え?……井黒くん!?」
「井黒……だよな?」
二人が確信を持てないのも分かる。
目が、目つきが全く違って生気を感じない。
体型も、前より少しだけどしっかりした健康的な体型で。
何よりも、アゲハはあんなに動けるはずがない。
走ることができなかったし、歩くのもゆっくりじゃないとダメだったような人だもん。
虫も殺せないような優しい人だったアゲハが、シドさんを殺したりなんて、、、できるはずがない!
「アゲハだよ!私分かるもん!!」
「ソラが探してた人間?コイツが?」
ルーラが信じられないって顔をしてるけど間違いない。
「アゲハ!空だよ!!どうしたの!?」
アゲハに近づいた瞬間、アゲハが持っていた大鎌を振り上げたのが見えた。
私、を、殺そうとしてる…の?
思わず立ち止まって、大鎌をただ見上げた。
「バッカ!!あぶねぇ!!!」
咄嗟に、辛島くんが私に飛びかかって二人で横になだれ込んだ。
上体を起こしてさっき私がいた場所を見たら、そこには大鎌が刺さっていた。
避けなかったら……私は縦に真っ二つだった……。
「あら?アゲハの知り合い?……異界人?」
花将軍が私と辛島くんをジロジロ見て、視線を桃華に移してからニッコリと笑った。
ゾッとするほどの、笑顔で。
花将軍がフワリとした動きでアゲハの横に行くと、アゲハは大鎌を消した。
やっぱり、シンクロで出した武器。
花将軍はアゲハの顔を撫でて、それから自分の方に抱き寄せた。
その一連の動きが恋人か!?って感じで気持ち悪いしムカつく。
「アゲハは私の今一番のお気に入りなの。とぉっても強くてとぉっても可愛いの。可愛い可愛い、私の奴隷くん」
奴隷?
アゲハが、あんたの奴隷!?
「ふざけないでよっ!!アゲハに何したのよっ!!」
「ちょ…虹野落ち着けよ!」
辛島くんが止めようとしてるけど、知るか!
ベタベタベタベタ、アゲハに触るな!
「わぁ…なんか怖い人ね。別に…助けてあげたのよ?アゲハは放っておいたら死んでたから。彼も死にたくないって言ったし。だから、こんな感じで……ね」
そう言いながらアゲハが着ていたシャツのボタンを半分くらいとってから、左胸を見せてきた。
アゲハの左胸には、こぶし大の大きさの赤いガラス?石?が埋め込まれていた。
これって、核?
第二の心臓……だっけ?
花将軍はアゲハの後ろに回って、抱き締めるように後ろから左胸にある核を触っていた。
マジで!気持ち悪いけどあの女!!
「こうして新人類の出来上がり!まさか異界人の新人類だなんて成功するとは思わなくて!新人類だから自我はなくなったけど、言うこともちゃぁんと聞くいい子なのよぉ」
「…マジであんたの話はどーでもいいからアゲハに触んないで!さっさとアゲハを元に戻してよ!!」
さっきまで笑っていた花将軍から笑顔が消えた。
さっき、シドさんが叫んだときに見せたような、冷たい顔。
「元に戻すのは無理。もうちゃぁんと融合してる。それにこれを壊しても死んじゃうから。もう私の奴隷として生きていくしかないの」
そう言ってからアゲハの頬を撫でてからこちらを指差した。
「あこそにいる人を全部殺して。そしたら戻ってきてね。私は用事あるから戻るわ。私、あの女が気に入らないから、原形がないくらいズタズタに引き裂いてね」
あの女が私だって、誰もが瞬時に理解した。
花将軍はすぐに蟲の上に乗って、ほとんどの蟲を従えていなくなった。
花将軍がいなくなった瞬間、アゲハが大鎌を出して私に向かって走り出した。
「え?……井黒くん!?」
「井黒……だよな?」
二人が確信を持てないのも分かる。
目が、目つきが全く違って生気を感じない。
体型も、前より少しだけどしっかりした健康的な体型で。
何よりも、アゲハはあんなに動けるはずがない。
走ることができなかったし、歩くのもゆっくりじゃないとダメだったような人だもん。
虫も殺せないような優しい人だったアゲハが、シドさんを殺したりなんて、、、できるはずがない!
「アゲハだよ!私分かるもん!!」
「ソラが探してた人間?コイツが?」
ルーラが信じられないって顔をしてるけど間違いない。
「アゲハ!空だよ!!どうしたの!?」
アゲハに近づいた瞬間、アゲハが持っていた大鎌を振り上げたのが見えた。
私、を、殺そうとしてる…の?
思わず立ち止まって、大鎌をただ見上げた。
「バッカ!!あぶねぇ!!!」
咄嗟に、辛島くんが私に飛びかかって二人で横になだれ込んだ。
上体を起こしてさっき私がいた場所を見たら、そこには大鎌が刺さっていた。
避けなかったら……私は縦に真っ二つだった……。
「あら?アゲハの知り合い?……異界人?」
花将軍が私と辛島くんをジロジロ見て、視線を桃華に移してからニッコリと笑った。
ゾッとするほどの、笑顔で。
花将軍がフワリとした動きでアゲハの横に行くと、アゲハは大鎌を消した。
やっぱり、シンクロで出した武器。
花将軍はアゲハの顔を撫でて、それから自分の方に抱き寄せた。
その一連の動きが恋人か!?って感じで気持ち悪いしムカつく。
「アゲハは私の今一番のお気に入りなの。とぉっても強くてとぉっても可愛いの。可愛い可愛い、私の奴隷くん」
奴隷?
アゲハが、あんたの奴隷!?
「ふざけないでよっ!!アゲハに何したのよっ!!」
「ちょ…虹野落ち着けよ!」
辛島くんが止めようとしてるけど、知るか!
ベタベタベタベタ、アゲハに触るな!
「わぁ…なんか怖い人ね。別に…助けてあげたのよ?アゲハは放っておいたら死んでたから。彼も死にたくないって言ったし。だから、こんな感じで……ね」
そう言いながらアゲハが着ていたシャツのボタンを半分くらいとってから、左胸を見せてきた。
アゲハの左胸には、こぶし大の大きさの赤いガラス?石?が埋め込まれていた。
これって、核?
第二の心臓……だっけ?
花将軍はアゲハの後ろに回って、抱き締めるように後ろから左胸にある核を触っていた。
マジで!気持ち悪いけどあの女!!
「こうして新人類の出来上がり!まさか異界人の新人類だなんて成功するとは思わなくて!新人類だから自我はなくなったけど、言うこともちゃぁんと聞くいい子なのよぉ」
「…マジであんたの話はどーでもいいからアゲハに触んないで!さっさとアゲハを元に戻してよ!!」
さっきまで笑っていた花将軍から笑顔が消えた。
さっき、シドさんが叫んだときに見せたような、冷たい顔。
「元に戻すのは無理。もうちゃぁんと融合してる。それにこれを壊しても死んじゃうから。もう私の奴隷として生きていくしかないの」
そう言ってからアゲハの頬を撫でてからこちらを指差した。
「あこそにいる人を全部殺して。そしたら戻ってきてね。私は用事あるから戻るわ。私、あの女が気に入らないから、原形がないくらいズタズタに引き裂いてね」
あの女が私だって、誰もが瞬時に理解した。
花将軍はすぐに蟲の上に乗って、ほとんどの蟲を従えていなくなった。
花将軍がいなくなった瞬間、アゲハが大鎌を出して私に向かって走り出した。
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