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CASE6 新人類開発施設

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今日の私なら、調子いいし、、、できるはず!


そう思って風使いに向かって黒い衝撃波を放った。


風使いは槍を消して私が放った衝撃波に向かって魔法で応戦。



風が、私に届いて


私は勢いよく後ろに飛ばされた。




このままだと、壁にぶつかる―――――!



そう思った瞬間、目の前に土の壁ができて風を防いだ。


背中には風を感じて、後ろにぶつからないで済んだ。



これは、アゲハだ。


アゲハは私の方を見てる余裕はないはずなのに、、、でも、気にかけてくれたんだね。



風使いはすぐに私に向かって攻撃をしてきて、慌てて避けた。


落ち着け。

思い出せ。


みんなが、私にしてくれた事を。


私が、できる事。



攻撃を避けながら思い出したのはエドガーから教わった時。

私が出した黒い塊は、真っ直ぐにエドガーを狙った。


あれは、私がそう願ったから?

それとも、魔法の性質?


分からないけど、同じようにやれば……目の前の風使いは倒せるはず。




風使いの攻撃をかわしながらタイミングを見計らう。


相手は私が魔法の準備をする間を与える訳がないから。


それなら……隙を、作るしかない。



今まで出さなかった剣を出して構えた。

風使いはすぐに槍を出して応戦の構え。


それでいい。

私が剣で戦うって、思ってくれたら、、、



そのまま剣を相手に向かって投げつけた。

一瞬、固まった瞬間、剣を消して魔法に変える。


衝撃波を出して、風使いの体勢を崩せた。



今しか、、、ない…!




あの時みたいに、相手をどこまでも追いかける物を……


そう願って創造したのは、黒い球体。



なんとなく、私には分かる。


これ、たぶんヤバいヤツだ…。


「でも、、、ごめんね。私は負ける訳にはいかないの」



だから、、、行け!!




風使いに向かって攻撃するように念じた。


黒い球体はエドガーと手合わせをした時とは比べ物にならない速度で風使いの身体を貫通した。


そして、勢いを落とさずに壁に激突。



風使いはそのまま一言も発する事もなく倒れたけど、、、


もしかして、この黒い球体は、、、



壁に激突した黒い球体は消えてなくなった感覚はなかったから

たぶん、、、

ってか絶対に!!



「アゲハ!逃げて!!」


私がシンクロをやめたらいいんだろうけどさ

やめられる、気がしないの。

力を扱いきれてないからっ!



それに、自分の力だから分かる。


これは、強いシンクロに反応してる。


一番強いところ……新人類なら核に向かって飛んでいくし

新人類じゃない他の人も例外なくシンクロ状態であれば狙われる。



「そのままでいいっ!!」


アゲハの言葉が聞こえたと同時に、黒い球体は壁から出てアゲハに向かって飛んでいった。


途中、ゼロさんと戦っていた新人類の胸を突き破って、、、


ゼロさんに向かわなかったのはシンクロをやめたから?



逃げるアゲハと追いかける黒い球体




止めなきゃって思うのにうまくできないし!


アゲハはそのままでいいって言った真意は??



だんだん頭も痛くなってきたし、どうしていいか分からない。


そうしている間にも黒い球体は周りと新人類たちを破壊しながら暴れまわってる……。



どう、、したら、、、いいの、、、?



「ソラちゃん、ごめんね?」


スーの声がした瞬間

首の辺りに鈍痛がした。


グラッと視界が揺れて、目の前が真っ暗になった―――――。




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