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CASE7 急転

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約1ヶ月ぶりに会うギルバートさんたちは、ちょっと髪が伸びていたり怪我をしていたり……ちょっとした変化はあったけど、変わらないまま。

ただ一人、、涼くんだけは、雰囲気が明らかに変わっていた。

なんていうか……影ができたというか、ちょっと暗くなったというか……私と目が合ってもニコリともしないし目はすぐに逸らされた。


そんな涼くんにちょっと不安を抱きながらも、みんなでリビングに集まった。

全員が座る椅子はないから、床に座ったり立ったままだったり様々。


「アゲハから改めてみんなに報告をしてくれないか?」

ギルバートさんが声をかけたから、アゲハは全員を見渡してから口を開いた。

「報告した以外で新しい話はないよ?新人類開発施設は破壊したけど、新たな城を作っていた事が判明。あと新しい“新人類の失敗作”の噂。かなりでかい鳥だって」


それから、アゲハは詳細に話始めた。

そして最後に自分の話。


「すっっっごい時間はかかるけど、移動できるようになった」


そう言って二つのアクセサリーを取り出した。

ニャンさんのところで見た、小さい指輪とアゲハ蝶のネックレス。


「ミレイみたいにコレのある場所へは行ける。実践済み。ただし、時間は本当にかなりかかる。移動魔法が発動するまで5分以上かかってるんだよね」


「遅いよね」って言いながらネックレスを私に向かって投げた。

弧を描いてストンと私の手に落ちてきたネックレス。


アゲハの発言にも行動にも、みんな驚いて声を出せなかった。


「空がそっちは持っててよ。こっちはコハルに渡すからさ。それで、目標は1分以内まで時間を短縮……で、いいかな?光の魔法使いみたいに即は無理」

みんなの様子に気づいていないのか、ギルバートさんに聞いているけど……。


「………アゲハ!なんで私にくれないのっ!?」


先に口を開いたのがミレイで……

ミレイって……大胆だなぁ。

みんなの前で聞けちゃうなんて、、、


「や……ミレイに渡すと勘違いされそうだし、ルーラは嫌がりそうだし、シュナにはアクセサリーとか早い気がしたし………空が適任かなぁって思って。空なら真面目に身に付けてくれそうだもん」

「私が嫌がりそうって…」

「だってネックレスのモチーフ、俺だよ?この世界ではただの蝶の一種だけど、俺のいた世界ではアゲハ蝶って呼ばれる蝶。さすがにルーラも嫌でしょ?俺を身に付けてるみたいで」


ルーラはアゲハを許していないって、アゲハは思っているんだろうね。


「じゃあ蝶にしなきゃ良かったのに……」


「色々と意味をこめたんだよ。意味は秘密」


そう言って笑うアゲハの顔はちょっと意味ありげだった。


「アゲハが移動魔法を使うのは、お前にリスクはないのか?」

「んー……生きる上では支障はないけど、、シンクロの精度が落ちる。しばらくすれば回復するけど…移動して即戦闘になるとちょっと使えないヤツになるかもしれない」


ギルバートさんはしばらく考え込んだけど、この場ではそる以上何も言わなかった。


「この件は後で話そう」


そうアゲハに伝えて話を締めて、今度はギルバートさんたちの報告を聞かせてもらった。

ギルバートさんたち、火炎将軍の貯蔵施設破壊は目標は達成したって話はアゲハを通じて聞いていた。

ただ、貯蔵施設に貯蔵されていたのが破壊者の信者(人間)と屍兵(操られている死体)であると聞いたときには気持ち悪ってなったけど。


「あとひとつ……順番を入れ換える」

「順番……俺たちの?」

「あぁ……リョウはミオの前だ」


ギルバートさんの言葉の意味を、瞬時に理解できたのはアゲハとゼロさん。

二人とも顔を見合わせてから、アゲハが涼くんを見たけど顔を背けた。


レジスタンスは強い順に並んでいる。

つまり、涼くんはそれだけ強いって事で……


………あれ?


前に、アゲハが言ったよね?


ジェスさんより下は、汚れ仕事をさせないって。

ミオの前って、、ジェスさんの、上。

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