アイスター

イヲイ

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エピローグ

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~エピローグ~

 あの日から私はかわった気がする。まだまだ完全に笑える訳じゃないし、そもそもあの幻覚の理屈さえわかっていない。あのとき見た花は、いくら調べても出てこなかった。それでも、変われた。中途半端でも、これからも中途半端でも。
 それでも。変われた。
 
 人は死ぬと星になるという。
 もしかしたら、それが願いを叶えてくれたのかもしれない。

 中学生になって、私は真っ先に園芸部に入った。その中学の部員はとても少なくて、でもその代わりに同じ部員の子と仲良くなれた。小学校でもあれからは少し友達はできた。それでも中学生になってからの友達の方がより仲良くなれた。やはり、共通点があればあるほど、仲良くなれるらしい。施設の皆…家族とも今までよりかは仲良くできている。と思う。まだ、少しぎこちないけど。

 中学生になっても時々、母と父…いや、八恵子と麻について考える。やっぱり答えはでなくて、答えはぼちぼち探している。でも、見つからなくてもいい。間違いなく、幻覚であれ、あの二人のお陰で今があるということはわかるから。

 これは、誰かから見れば、おかしな話で、誰かから見れば、不可解な話で、誰かから見れば異様な話で。
 でも、私から見れば、これは…これは、

 小さくて、大切な思い出の物語だ。
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