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一章

第3話  10月6日 町でナンパをしたら、まさかの学年一の美少女でした

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※古巻視点

「何を言ってるんだよ美香は。……ナンパなんてできるわけないだろう」

美香の提案を聞いた僕は速攻で却下した。
だが、

「なんでできないの?まずナンパしたことあるの?どういうふうに思ってるわけ?」

なんでできないのかわからないと言いたげに美香は僕に言ってくる。逆になんでナンパがいいと思うのか僕にはわからないのだが……

「常識的にナンパなんて、チャラい男が1日限りとかの関係で誘ったりとかさ、付き合うとかより女遊びーとか考えている奴らのしていることだろう??そんなことお兄ちゃんにはできないね」

「はい!そこから違う」

僕の考えるナンパを伝えたところ美香から強く否定されてしまった。何が違うのかわからない……

「じゃー教えてくれて……」

「そもそもナンパは公共の場で話しかけたり遊びに誘ったりすること自体のことだから、そう言う人のことを指している言葉じゃないの。それに、イメージ的に軽薄な感じはするけど、古くから出会いの一つの方法としてあるぐらいなんだよ?だから、誘い方や話し方をちゃんとすれば私はナンパから始まる恋だってありだと思う。だから私はナンパしてくればって言ってるの。お兄ちゃんはふざけて人を選ばないから」

ここまで言われてしまったら断ることなんてできないと僕は思ってしまった。美香がここまで熱弁することはないし、お兄ちゃんなら変なことはしないしっかりとしナンパって言うのも変だけどしっかりとしたナンパをしてくると信じてると言ってくれた。だったら勇気を振り絞ってやるべきではないかと思ってしまった。それに、一歩踏み出すためにもこの機会にいいのではないかと思ってしまった。

「…………わかった。明日ナンパしてくるよ」

僕は明日ナンパすることが決まった。




次の日僕は身支度を整えて玄関にいた。
時刻は昼前、ナンパが成功した場合昼ごはんでもいけるように昨日美香と考えた。

「じゃー美香行ってくるよ」

僕の声を聞き、リビングからひょっこり顔を出した美香は、

「うん!行ってらっしゃい。失敗したらみかが慰めてあげるから頑張ってね!」

あーなんて素晴らしい妹なんだと思った。

「ありがとう!行ってきます」

僕は新たな出会いのため家を出た。





最寄りの駅から5駅ほど言ったところに僕の住んでいる地域の中では、1番でかい町がある。休日ということもあり人が溢れかえっている。周りを見るとオシャレをした女の子やカップルが無数に見られた。

「さすがだなー」

と思いながら、今日の目的のため周りの女の子を見ながら町を歩き始めた。


だが、、

「はぁー誰もいないな~~やっぱりナンパなんて言ったってそう簡単にうまくいかないし、見つかったりもしないよなーー」

1時間ほど歩いたが、一向に見つからずお昼を少し回ってしまった。

       "グゥ~~~"

お腹も飯をくれーと叫んでいるような気がしてきて、
僕は仕方なく近くにあったカフェに入ることにした。

「いらっしゃいませ~~」

カフェに入ると店員さんから声がかけられ、
1人なのに2人席に案内された。
1人席でよかったのになーと思いながらも文句は言わずに座る。

「すいませんとりあえずカフェラテのホットください」

苦いのが苦手な僕は少し甘いカフェラテを注文した。

5分ほどしてカフェラテが来た。

「はぁ~~」

この後のこと、美香になんて説明しようか、などいろんなことを考えてしまい大きなため息をついてしまった。とりあえず冷めないうちにカフェラテを飲もうと口に運ぼうとしてふと目線を前にした時……僕の口へとカフェラテを運ぶために動いていた右手はいつのまにか止まっていた。なぜなら、そこには息を呑むほど綺麗な人が座っていたから。顔全体はわからないが瞳はとても綺麗な茶色、髪の毛はシンプルな黒髪で、肩より少し下の位置ぐらいまで伸びている。横顔しか見えないがそれだけでも心が動いてしまった。話してみたいと思ってしまった。そして
気づいたら僕はもう彼女に話しかけていた。

「はじめまして。古巻翔斗と申します。私立常磐高校一年です。突然話しかけてしまい申し訳ありません。
もしよかったら連絡先交換しませんかいやそれが無理でしたら、一緒にこの時間だけでも過ごしていただけないでしょうか?」

余計なことまで言ってしまった、、と後悔しながらももう引くことも出来ずその人からの返事を僕は待った。

「えーと、確か同じクラスの古巻くんですよね??」

どんな返事が来るのかっと待っていたら、どこかで聞いたことのある声だと思った僕は顔を上げてみた。

「え???なんでここに朝露 凪あさづゆ なぎさんが」

そこにいたのは僕と同じクラスで学年一の美少女と呼ばれる朝露 凪だった。





僕が、一目惚れしてナンパをしたのは、
  
   まさかの学年一の美少女だったみたいです。
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