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第五章「髑髏嗤縁仇(どくろがわらうえにしのあだ)」
【魂魄・壱】『輝く夜に月を見た』47話「言霊」
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頼光が声をあげた時には全てが遅く、彼は爆炎に包まれた。干将莫邪が頼光の目の前で交差して重なり合ったからだ。
キジを殺すつもりで放たれた力は、干将から莫邪へと伝わり小さくなって左手に衝撃を与えたが、その莫邪から同様に放たれた力は、干将を通して数倍の威力に膨れ上がり彼の右手を破壊した。
この矛盾とも言える力の流れが、二つの刀が衝突することで倍増し大きな衝撃となって爆発したのだ。
「ガハァッ……」
頼光は血だらけで倒れ込むと再び立ち上がることはなかった。キジは倒れた男の胸を獅子王で刺して鬼化を解除する。光の剣となった獅子王は彼の曲霊を直霊へと戻していった。
「フンッ、私は虫ではないぞ……鳥の半獣だ」
キジはそう呟くとキザシとハルと合流し紗君の方へと歩き出した。
「光圀の鬼化を解き、頼光はもう戦えない。四天王も倒した。さぁどうする?」
「フフフフ……」
立場が逆転し狂ったのか、紗君は不敵な笑みを浮かべて一歩ずつ近づくキザシ達を睨んだ。
「これが見えるかな?」
「……カグヤッ」
そこにいたはカグヤを人質にした西国の皇子――貴武だった。
「陛下……その格好は……」
キザシは貴武の姿を見て言葉を失った。瞳は虚空を見つめ口からは涎が垂れ、呆けたようにブツブツと何かを呟き、体は壊れた人形のように歪んでいた。
「魂を失くした魄は制御を失い、少なからず崩壊の道を歩む……だから僕が傀儡として生まれ変わらせたんだよ。さぁ兄貴……月の民をここに連れてこい」
「……ア……ア……」
「陛下ッ」
キザシの呼び止めも虚しく、弟の傀儡と化した貴武は「なにすんのよっ、放してッ」と暴れるカグヤを羽交い絞めにして、強引に紗君の元へと連れて行った。
「フフッ、月旅行でもどうだ。我が病に侵された月の民で軍団を形成するのだ」
「なんですってっ、そんなことはさせないわッ」
カグヤは蓬莱玉の枝に手をかけたが傀儡と化した貴武の拘束は想像以上に厳しく逃れられない。紗君は輝夜の頤を乱暴に掴むと、薄ら笑いを浮かべてキジに叫んだ。
「おい、そこのトリ女。獅子王を寄こせ」
「ふざけるなッ」
「この小娘の命が惜しくないのかッ」
狂気に満ちた東国の皇子は、片手で掴んだカグヤの下顎の先端を強引に引き寄せて、自らの口をカグヤの唇に近付けた。
「紗君ッ、やめろッ」
「それを寄こさねば娘に我が病を伝染してやる。目の前で夜叉と化す月の民を見ているがいい」
「わかった……獅子王を渡す」
「キジッ、やめて……私は平気だからッ」
「でもっ」
カグヤに無理やり九尾孤を憑かせようとする紗君。キザシは必死に叫んだが邪悪な笑みを浮かべる紗君の耳には届かない。キジはもはや絶体絶命と悟って獅子王を渡すことを決意し、一歩ずつ近寄った。
その時……冷や汗を浮かべて紗君を睨むハルの胸元から聞き馴染んだ声が僅かに聞こえた。
(……ル……ハル)
「え?」
(ワシじゃ……乙婀じゃ)
「えっ、乙婀っ……どこにいるの?」
(巻貝越しに龍宮から話しておる……お主、いまどこにいる?)
「鬼願城で……九尾狐が憑いた紗君に獅子王を奪われそうなんだ」
(獅子王だと……かつて九尾孤を封じた半獣王の刀か……ハル、その剣は渡してよいぞっ)
「なんだってッ?」
(その場にはお前ひとりか)
「仲間が……キザシとキジ、それにカグヤがいるよ」
(よしっ、今から申すことをよく聞くのじゃ。獅子王がなくとも鬼化は解除できる)
「えっ」
(研究してわかった……鬼化は月の病が引き起こす一種の拒否反応じゃ。万物生きとし生ける者を司る霊に作用し、四つの魂を穢すことによって曲霊にし鬼化させる)
「うんッ……でも、どうやって解除するのッ?」
(四魂とは勇気を司る荒魂、愛を司る幸魂、智慧を司る奇魂、親しみを司る和魂とで構成されておる。陰には陽を曲霊には直霊じゃ……四人の直霊で月の病を弱めるのじゃ)
「う、うん……よくわからないけど、やってみる」
(安心せいっ、予が指揮をとる)
「キザシ、キジ、協力して……紗君の鬼化を解除する。貴武もカグヤを開放するハズだッ」
「でも……どうやって」
「大丈夫っ、乙婀を信じよう……キジ、獅子王を紗君に渡して」
「キジさん、やめてッ」
「いいからっ」
「わ、わかりました」
キジが持っていた獅子王を勢いよく投げると、剣は空中をクルクルと回転し紗君の足元に突き刺さった。
「フフ……フフフ……フハハハハハッ。ついに、ついに獅子王が手に入ったぞッ」
「乙婀……獅子王を渡したよ」
(うむ、予がこれから申す詠唱に続くのじゃ。古来より言葉には言霊が宿っておると云われる。先ずは奇魂じゃ……ハルッ)
「うんッ」
巻貝越しに聞こえる乙姫の詠唱をハルが同じように呟く。獅子王を手に入れた紗君は油断し、言霊の宿る言の葉を詠唱する彼らには気が付いていない。
(智慧を司りし四魂よ、物事を悟る力よ、我が奇魂に力を授けよ)
「智慧を司り……えっ?」
(いいからっ、予の詠唱を間違えずに唱えるがよいッ)
「ご、ごめんっ」
(智慧を司りし四魂よ……)
「智慧を司りし四魂よ……」
(物事を悟る力よ……)
「物事を悟る力よ……」
(我が奇魂に力を授けよっ)
「我が奇魂に力を授けよっ」
ハルが乙婀の詠唱を唱えるごとに周りに気が増幅し、青く透き通った光を放つ。ハルは「ええッ?」と驚くが「安心せいっ、言の葉による言霊の作用じゃ」と乙婀は巻貝越しに宥めると、続けざまに次の詠唱を始めた。
(勇を司りし四魂よ)
「よし、次は僕が行くっ……勇を司りし四魂よ」
キザシが紗君を挟んでハルの向かいに跳び、勢いよく乙婀の詠唱を復唱する。
(前に進む力よ、我が荒魂に力を与えよっ)
「前に進む力よ、我が荒魂に力を与えよっ」
すると俄かにキザシの周囲を黄色の力強い気が立ち込めた。キザシはその感触を体全体で確かめるとキジに向かって叫んだ。
「キジッ、次は君だ」
「はいッ」
(親を司りし四魂よ、親しく交わる力よ……我が和魂に力を与えよっ)
「親を司りし四魂よ、親しく交わる力よ……我が和魂に力を与えよっ」
キジが叫ぶと同時に彼女の周囲を緑色の爽やかな気が包んだ。キジはその気を感じ取ると、最後にカグヤに向かって叫んだ。
「カグヤ、あなたで最後ですッ」
「ええっ」
(愛を司りし四魂よ、愛する力よ、我が幸魂に力を与えよっ)
「愛を司りし四魂よ、愛する力よ、我が幸魂に力を与えよっ」
キジを殺すつもりで放たれた力は、干将から莫邪へと伝わり小さくなって左手に衝撃を与えたが、その莫邪から同様に放たれた力は、干将を通して数倍の威力に膨れ上がり彼の右手を破壊した。
この矛盾とも言える力の流れが、二つの刀が衝突することで倍増し大きな衝撃となって爆発したのだ。
「ガハァッ……」
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キジはそう呟くとキザシとハルと合流し紗君の方へと歩き出した。
「光圀の鬼化を解き、頼光はもう戦えない。四天王も倒した。さぁどうする?」
「フフフフ……」
立場が逆転し狂ったのか、紗君は不敵な笑みを浮かべて一歩ずつ近づくキザシ達を睨んだ。
「これが見えるかな?」
「……カグヤッ」
そこにいたはカグヤを人質にした西国の皇子――貴武だった。
「陛下……その格好は……」
キザシは貴武の姿を見て言葉を失った。瞳は虚空を見つめ口からは涎が垂れ、呆けたようにブツブツと何かを呟き、体は壊れた人形のように歪んでいた。
「魂を失くした魄は制御を失い、少なからず崩壊の道を歩む……だから僕が傀儡として生まれ変わらせたんだよ。さぁ兄貴……月の民をここに連れてこい」
「……ア……ア……」
「陛下ッ」
キザシの呼び止めも虚しく、弟の傀儡と化した貴武は「なにすんのよっ、放してッ」と暴れるカグヤを羽交い絞めにして、強引に紗君の元へと連れて行った。
「フフッ、月旅行でもどうだ。我が病に侵された月の民で軍団を形成するのだ」
「なんですってっ、そんなことはさせないわッ」
カグヤは蓬莱玉の枝に手をかけたが傀儡と化した貴武の拘束は想像以上に厳しく逃れられない。紗君は輝夜の頤を乱暴に掴むと、薄ら笑いを浮かべてキジに叫んだ。
「おい、そこのトリ女。獅子王を寄こせ」
「ふざけるなッ」
「この小娘の命が惜しくないのかッ」
狂気に満ちた東国の皇子は、片手で掴んだカグヤの下顎の先端を強引に引き寄せて、自らの口をカグヤの唇に近付けた。
「紗君ッ、やめろッ」
「それを寄こさねば娘に我が病を伝染してやる。目の前で夜叉と化す月の民を見ているがいい」
「わかった……獅子王を渡す」
「キジッ、やめて……私は平気だからッ」
「でもっ」
カグヤに無理やり九尾孤を憑かせようとする紗君。キザシは必死に叫んだが邪悪な笑みを浮かべる紗君の耳には届かない。キジはもはや絶体絶命と悟って獅子王を渡すことを決意し、一歩ずつ近寄った。
その時……冷や汗を浮かべて紗君を睨むハルの胸元から聞き馴染んだ声が僅かに聞こえた。
(……ル……ハル)
「え?」
(ワシじゃ……乙婀じゃ)
「えっ、乙婀っ……どこにいるの?」
(巻貝越しに龍宮から話しておる……お主、いまどこにいる?)
「鬼願城で……九尾狐が憑いた紗君に獅子王を奪われそうなんだ」
(獅子王だと……かつて九尾孤を封じた半獣王の刀か……ハル、その剣は渡してよいぞっ)
「なんだってッ?」
(その場にはお前ひとりか)
「仲間が……キザシとキジ、それにカグヤがいるよ」
(よしっ、今から申すことをよく聞くのじゃ。獅子王がなくとも鬼化は解除できる)
「えっ」
(研究してわかった……鬼化は月の病が引き起こす一種の拒否反応じゃ。万物生きとし生ける者を司る霊に作用し、四つの魂を穢すことによって曲霊にし鬼化させる)
「うんッ……でも、どうやって解除するのッ?」
(四魂とは勇気を司る荒魂、愛を司る幸魂、智慧を司る奇魂、親しみを司る和魂とで構成されておる。陰には陽を曲霊には直霊じゃ……四人の直霊で月の病を弱めるのじゃ)
「う、うん……よくわからないけど、やってみる」
(安心せいっ、予が指揮をとる)
「キザシ、キジ、協力して……紗君の鬼化を解除する。貴武もカグヤを開放するハズだッ」
「でも……どうやって」
「大丈夫っ、乙婀を信じよう……キジ、獅子王を紗君に渡して」
「キジさん、やめてッ」
「いいからっ」
「わ、わかりました」
キジが持っていた獅子王を勢いよく投げると、剣は空中をクルクルと回転し紗君の足元に突き刺さった。
「フフ……フフフ……フハハハハハッ。ついに、ついに獅子王が手に入ったぞッ」
「乙婀……獅子王を渡したよ」
(うむ、予がこれから申す詠唱に続くのじゃ。古来より言葉には言霊が宿っておると云われる。先ずは奇魂じゃ……ハルッ)
「うんッ」
巻貝越しに聞こえる乙姫の詠唱をハルが同じように呟く。獅子王を手に入れた紗君は油断し、言霊の宿る言の葉を詠唱する彼らには気が付いていない。
(智慧を司りし四魂よ、物事を悟る力よ、我が奇魂に力を授けよ)
「智慧を司り……えっ?」
(いいからっ、予の詠唱を間違えずに唱えるがよいッ)
「ご、ごめんっ」
(智慧を司りし四魂よ……)
「智慧を司りし四魂よ……」
(物事を悟る力よ……)
「物事を悟る力よ……」
(我が奇魂に力を授けよっ)
「我が奇魂に力を授けよっ」
ハルが乙婀の詠唱を唱えるごとに周りに気が増幅し、青く透き通った光を放つ。ハルは「ええッ?」と驚くが「安心せいっ、言の葉による言霊の作用じゃ」と乙婀は巻貝越しに宥めると、続けざまに次の詠唱を始めた。
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「よし、次は僕が行くっ……勇を司りし四魂よ」
キザシが紗君を挟んでハルの向かいに跳び、勢いよく乙婀の詠唱を復唱する。
(前に進む力よ、我が荒魂に力を与えよっ)
「前に進む力よ、我が荒魂に力を与えよっ」
すると俄かにキザシの周囲を黄色の力強い気が立ち込めた。キザシはその感触を体全体で確かめるとキジに向かって叫んだ。
「キジッ、次は君だ」
「はいッ」
(親を司りし四魂よ、親しく交わる力よ……我が和魂に力を与えよっ)
「親を司りし四魂よ、親しく交わる力よ……我が和魂に力を与えよっ」
キジが叫ぶと同時に彼女の周囲を緑色の爽やかな気が包んだ。キジはその気を感じ取ると、最後にカグヤに向かって叫んだ。
「カグヤ、あなたで最後ですッ」
「ええっ」
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