君の匂い

あおまる

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抜ける気とリレー

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「はる、練習は?」

「いま休憩だってよ。」
健を離した陽翔は水筒を飲んで答える。



「応援団長は大変だねー。俺絶対できない。」と健は感心しながら言う。
「ばーか笑 お前らももうそろそろ昼休み終わんぞ。健はリレーのアンカーだもんな?頑張ろうな、ライバル同士。」
「へへっ2年では勝てたからな、今年もお前には負けんぞ。」


この2人は足が飛び抜けて速いから毎年徒競走でも紅白リレーでもライバル同士なのだ。今年は3年なので白はちまきアンカーが健で紅はちまきアンカーが陽翔。(毎年副団長がアンカーの応援団長にバトンを渡すのが恒例だが今年は白組応援団全員が健を指名したため特例で健が走ることになった。)

あ、そういえばと健が俺の方を向いて言う。
「桜田次用具準備だったよな、行かなくていーの?」





「え?あ、やばい!行かなきゃ。」

去年と同じく今年も用具係をしている俺は紅白リレーの用具を請け負っていた。

「お前抜けてるとこあるよな笑」と陽翔が優しく微笑んでからかう。



ドキッ



「うるせ。2人とも頑張れよ!多分見れないけど…。」

「えー…?なんで?」陽翔が残念そうに言う。

「次の借り物の準備だっけ?順番が前後したとはいえ働き者ですなぁ。」

なんでお前が知ってるんだとぶーぶー言う陽翔が少し可愛く見えまだ話していたいがそろそろそういうわけにもいかない。


「どっちが勝ったか教えろよ!」


走って用具のある倉庫へ向かった。
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