ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁@書籍発売中

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41~50話

42d、私は傷の原因をわかっていない

その後、軽く全員の名前と役職を紹介される。

「話は以上だ。各自持ち場に戻ってくれ」

ガルの言葉を合図に、給仕のためメイド長だけをその場に残し、他の使用人達はぞろぞろと食堂から退室していった。

「マヤには姓があったのか」

「はい。私のいた国では、誰でも姓がありましたよ」

「……ああ、そういえば初めて名を聞いた時にも何か言いかけていたな」

あの時は少しでも自分の情報を与えないことくらいしか自分を守る手段がなくて、ちゃんとフルネームを名乗らなかったのだ。
もう少し頭が働いていたなら、偽名を名乗っていたかもしれない。

でも、今はもう、何も怖がる必要はないとわかっているから。
大切なもののように優しい声で『マヤ』と呼ばれるのが嬉しい。

いつも通り、椅子に腰かけたガルの上に横抱きに据えられる。

「ところでマヤ、執事エンカム達を待たせたと気にしていたようだが、さほど待たせてはいないぞ?」

「え?」

「帰宅してから、半刻後・・・に集まるよう言っておいたんだ。……マヤの可愛さに我慢がきかなくなる事はわかりきっていたからな」

「……っ!」

帰って早々に私を襲うところまで、全部ガルの予定通りだったという事か!
すべて手の平の上で転がされているようで悔しいのに、面と向かって可愛いと言われては顔が赤らむのを止めることができない。

ちゅっ

「すっかり遅くなってしまったな。さあ、食事にしよう」

真っ赤な顔をした私の唇を素早く掠め取ったガルは、何事もなかったかのように平然と言った。

斜め後ろにはまだ、メイド長がいるというのに!
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